ワインの当たり年が分かるヴィンテージチャートの見方

Good Wine 編集部Good Wine 編集部

2019.09.13 公開 | 2019.09.20 更新

ブドウの収穫

「〇〇年は、当たり年だからいいね。」
「〇〇年!?美味しくないからやめようよ。」

よくワイン好きの方はそう言いますが、何が違うのでしょう?当たり年はどう判断すればいいのでしょうか?

当たり年を判断するものに、「ヴィンテージ チャート」があります。しかしこのヴィンテージチャートは、ワインの美味しい不味いを表しているものではないのです。

今回はこの「ヴィンテージ チャート」について解説します。

ヴィンテージ チャートを見る際のポイント

当たり年を判断することができる、ヴィンテージ チャート。そちらを参考にする際の基本的なポイントや注意点を解説します。

ヴィンテージ チャートとは

ヴィンテージ チャートとは、ブドウが収穫された年の出来の良さを、国別に表したものです。

ヴィンテージ チャートによっては地域ごとにまとめられているものもあります。

ブドウは農作物であり、天候により品質が大きく左右されます。その年のブドウの栽培が、順調であったかどうかを表したのがヴィンテージ チャートです。

ヴィンテージチャートで評価が高い年を、当たり年(グレート ヴィンテージ)といい、あまりよくない年をはずれ年(オフ ヴィンテージ)と表現します。

あくまで全体の傾向であることを理解する

とても頼りになりそうな、ヴィンテージ チャートですが、それだけで判断するのは危険です。

ヴィンテージ チャートはあくまでブドウ栽培における「全体的な傾向」を表すものであり、個々のワインの評価を表しているものではないからです。

オフヴィンテージだからといって、「この年のワインは美味しくない」というわけではありません。オフヴィンテージのワインは一般的に、熟成には適さないから早く飲みましょう、ということです。

ワインはミクロ クリマ(微気候)という言葉がある通り、各々の畑が道を挟むだけで生育環境が違うとされ、ワインの味も違います。

また、栽培方法や醸造過程で、造り手がその年に合わせて工夫しています。年によって収穫時期を遅らせたり、新樽での熟成比率を変えたりしています。

そのためヴィンテージの考え方としては、「〇〇年は当たり年で、この年のワインは美味しい」ではなく、「〇〇年は当たり年で、全体的にこういうワインが多く、熟成に向いている」というように理解したほうがいいと思います。

チャート作成者によって判断が異なる

ヴィンテージ チャートはワイン評論家や、ワイン輸入会社、協会などが作成していますが、その作成者によって、収穫年の評価は違います。

ヴィンテージ チャートが表す「当たり年」というのは、「美味しいワインの年」ではなく、「熟成に向いているワインの年」という要素が強く、作成者によってその判断が異なります。

チャートによっては、点数で評価しているものもあれば、〇や△で表しているものもあります。

チャートより重要なのは生産者の腕

ヴィンテージ チャートが全体の傾向であることは先ほどお話ししました。その年のブドウ栽培における天候の良し悪しを表していますが、そこで大事なのは生産者の腕です。

オフ ヴィンテージにどれだけ欠点を補うワイン造りができるか。グレート ヴィンテージにどういった造り方をするか。

収穫年の天候に合わせた生産者の判断が、ワイン造りにおいて最も重要です。

ここで2つの例を紹介しましょう。

〇〇年はグレートヴィンテージとして、評価が高く、順調にブドウが育ちました。とても順調であったため、豊作です。

多くの造り手は豊作だったので、たくさんのブドウを収穫し、そのままワインを生産しました。平均的な年よりも多くのワインを生産・出荷できたので、売上は上がりました。

しかし、ブドウの実は多くなりましたが、その分個々のブドウへ養分が分散し、水っぽいワインが多く生産されてしまいました。このような年にこそ、一本のブドウの樹になる実の量を減らし収穫量を下げないと、凝縮感のある高品質なワインは出来上がりません。

また、〇〇年は順調にブドウは生育していました。しかし収穫の前に広い範囲で雹が降ってしまいました。

雹が降ると、ブドウの果皮を傷つけてしまうため、収穫し果汁を搾る前に酸化が始まってしまい、高品質なワインができません。

しかしある造り手は、そのブドウを収穫した後、ピンセットを使用してブドウをひとつひとつ選別していきました。傷がついていないブドウのみを選別したのです。

その努力の甲斐があって、雹に悩まされた年でも、その造り手はとても高品質なワインを造ることができたのです。

このように天候だけでなく、生産者の判断や腕、ワインへの情熱が重要です。

当たり年のワインを飲むときのポイント

ヴィンテージチャートが表す「当たり年」のワインは、「美味しいワインの年」というより「熟成するのに適した年」「熟成によりポテンシャルが発揮される年」ということを表しています。

なので、当たり年のワインが真価を発揮するまでには時間が必要です。

「当たり年」のワインをすぐに飲むと、タンニンが強すぎたり、バランスが悪いことが多くあります。

一番良いのは、飲み頃まで熟成させることです。熟成に時間がかかりますが、バランスが良くなり、味に深みが出ます。ヴィンテージ チャートによっては飲み頃までの年数が表記されているので、それを参考にすればいいでしょう。

また、飲み頃になるまで自社のセラーにて熟成させ、飲み頃になってから販売する生産者もいます。そうすると飲み頃ではないワインは流通しないので、美味しい状態でみなさんに飲んでいただくことができます。

そのようにこだわりの強い生産者もいます。

しかし、そのようなワインはごく一部であり、飲み頃の前に当たり年のワインを飲むこともあると思います。

その際には、思い切って飲む前日にワインを開けておきましょう。当たり年のワインを空気に触れさせることで、タンニンがまろやかになりバランスがよくなります。

もし開けたてを飲む場合は、グラスに注いだ後、しっかりと「スワリング」をしましょう。

スワリングとはワイングラスの脚を持って、グラスを回し、ワインを空気に触れさせることです。そうすることで香りも出て、バランスがよくなります。

ワインを飲むのがレストランであれば、「デキャンタージュ」という作業をソムリエにお願いすることもできます。デキャンタと呼ばれる容器にワインを移すことで、一気に空気に触れさせる方法です。

デキャンタージュをするべきかどうかは、収穫年とそのワインのタイプにもよるので、ソムリエに相談してみてくださいね。急に空気に触れさせるため、酸味が突出してしまう場合などがあるので注意が必要です。

各国の当たり年早見表

ここで簡単に、各国の当たり年を表で紹介します。こちらを参考にしてワインを選んでみてくださいね。

フランス イタリア スペイン アメリカ
1989
1990
1992
1994
1995
1996
1997
2000
2001
2003
2004
2005
2006
2007
2009
2010
2012

まとめ

ワインは農作物であるブドウを使用しており、農作物である以上、その年の天候により影響を受けます。

その収穫年の指標となる「ヴィンテージチャート」について解説しました。同じ造り手、同じ畑のワインであるとしても、収穫年により味わいが違うのはワインの面白さの一つです。

お気に入りの年の色々な造り手のワインを比較しても、面白いと思います。

記事カテゴリー

公式Twitter

アクセスランキング

2019.12.06 更新

同じカテゴリーの新着記事