ガリシア州(大西洋地方)の特徴、当たり年やおすすめワインまとめ

Good Wine 編集部Good Wine 編集部

2019.05.30 公開 | 2019.05.30 更新

ガリシア州(大西洋地方)はスペイン北西部に位置し、北はカンタブリア海、西は大西洋、南はポルトガル、東はアストゥリアス州とカスティーリャ・イ・レオン州と接しています。

スペインの中でも降雨量が多い地方で、年間を通して温暖で穏やかな気候となっています。

大航海時代から船乗りを多く輩出しており、「リアス式海岸」の語源となった入り江が多い地域です。牡蠣やムール貝の養殖も盛んで、古代より漁業が経済活動の基盤となってきました。

ガリシア州(大西洋地方)の自然豊かな景観には目を見張るものがあり、草と花の心地よい香りがワインにも感じられます。

今回はスペインのガリシア州(大西洋地方)について、詳しくご紹介します。

ガリシア州(大西洋地方)のワインについて

ガリシア州(大西洋地方)を代表するワインと言えば、D.O.リアス・バイシャスの白ワインです。

ガリシア語で「リアス」は「入り江」、「バイシャス」は「下部や南部」の意味を持ち、大西洋沿岸の南部地域を示しています。

この地域はカンタブリア海と大西洋の影響を受けやすく、年間降水量が豊富で、寒暖差がそれほどない温暖湿潤気候です。

ブドウ栽培面積の96%以上を白ブドウのアルバリーニョが占めており、この地域独自の豊かな香りと味わいが加わった、唯一無二の白ワインが造られています。

また、ブドウの腐敗防止と害虫監視を目的に「棚仕立て」を中心としたブドウ栽培を行なっているのも特徴のひとつです。

水はけの良い花崗岩の土壌のおかげもあって、ワイン造りに最適な環境が整っています。

地元でとれた海の幸を使った魚介料理との相性抜群なことから、アルバリーニョの白ワインは「海のワイン」とも称されています。

生産されているブドウ品種

ガリシア州(大西洋地方)は、D.O.リアス・バイシャスの「アルバリーニョ」を中心とした、白ブドウの生産が盛んな地域です。

アルバリーニョは白ブドウの中でも最も高貴な品種とされており、糖度が高いだけでなく、酸味も豊かで、清涼感のある味わいを持っています。

花や草のような香り、すがすがしい酸味、上品でフルーティーな味わいの辛口の白ワインに仕上がり、糖度と酸味の両方を持ち合わせる白ワインは他に例を見ません。

その他の地域では、D.O.リベイロの「トレイシャドゥーラ」、D.O.バルデオラスの「ゴデーリョ」など、ガリシア州(大西洋地方)固有品種の生産が挙げられます。

また、生産量は多くありませんが、赤ワインとスパークリングワインも造られており、D.O.リベイラ・サクラでは、黒ブドウの「メンシア」が有名です。

● アルバリーニョ
● トレイシャドゥーラ
● ゴデーリョ
● ロウレイラ
● トロンテス
● メンシア

ガリシア州(大西洋地方)のテロワールについて

ガリシア州(大西洋地方)はカンタブリア海と大西洋に面しているため、スペイン全土に見られる大陸性気候とは対照に、ほとんどが海洋性気候の地域となっています。

年間を通して降水量が豊富で、冬でも8℃を下回ることのない温暖な気候が特徴です。

州内に5つあるD.O.の内、「D.O.リアス・バイシャス」が最もこの気候に当てはまります。

入江の多い複雑な海岸線にあり、平均標高300m以下の低地が海沿いまで広がっています。

内陸部にいくに連れて環境が異なっていき、「D.O.リベイロ」は大西洋気候と地中海性気候の中間のような気候になります。

内陸部にある「D.O.リベイラ・サクラ」「D.O.バルデオラス」「D.O.モンテレイ」は、大陸性気候の強い影響を受ける、大西洋気候です。夏は暑く乾燥し、冬は寒く、気温差は最大30℃になる地域まであります。

土壌は「花崗岩・砂質」「粘板岩質」「粘土質」の3種類から構成され、粘板岩質の土壌のおかげで気温差の影響を抑えることができています。

ガリシア州(大西洋地方)のワインの分類について

スペイン全土で規定されているワイン法を基準に、各D.O.の独自規定が設けられています。

ガリシア州(大西洋地方)で認定されているD.O.の主な規定は、以下の通りです。

● D.O.リアス・バイシャス
ラベルに「Albariño」を表示する場合、この品種を100%使用すること。
サブゾーン名を表示する場合、各規定された品種を70%以上使用すること。

● D.O.バルデオラス
ラベルに「Godello」を表示する場合、この品種を100%使用すること。
「Mencia」を表示する場合、この品種を85%以上使用すること。

● D.O.リベイラ・サクラ
ラベルに「Summum」を表示する場合、推奨品種を85%以上使用すること。
赤ワインの場合、Menciaを60%以上使用すること。

ガリシア州(大西洋地方)内の主な産地

ガリシア州(大西洋地方)の主な原産地呼称の産地は、以下の5つです。

● D.O.リアス・バイシャス:アルバリーニョ種の高級白ワイン産地。
● D.O.バルデオラス:「黄金の谷」の意。ガリシアの地元品種のみ栽培。
● D.O.リベイラ・サクラ:「聖なる海岸」の意。ゴデーリョの白、メンシアの赤。
● D.O.モンテレイ:ポルトガルと国境を接する山間部。フルーティーでフレッシュ な白ワイン。
● D.O.リベイロ:トレイシャドゥーラ種を使った白ワイン。

ガリシア州(大西洋地方)のワインの生産量

5つのD.O.の総栽培面積は9,347haとなっており、総生産量は367,375hlです。

そのうち、D.O.リアス・バイシャスにおけるアルバリーニョ種ワインは、総生産量の85%が輸出されています。

主な輸出先は、米国、ドイツ、イギリスとなっており、中でも米国は総生産量の半分が輸出されています。

ガリシア州(大西洋地方)の歴史

州都のサンティアゴ・デ・コンポステラは、9世紀にサンティアゴ(聖ヤコブ)の墓が発見されてから、「バチカン市国」「エルサレムの旧市街とその城壁群」と並ぶ、キリスト教の三大聖地のひとつとなりました。

現在のようなワイン造りの起源は、12世紀に聖ヤコブ派の修道士がガリシア州にブドウを植えたのが始まりだといわれています。

アルバリーニョ種で造られるワイン以外は、国内消費に留まっていましたが、現在は一部のブドウ栽培農家や醸造家の努力によって、国外にも販路を拡大できるようになってきています。

ガリシア州(大西洋地方)で特に有名なワイン

ガリシア州(大西洋地方)で、評価の高いワインをご紹介します。

コンデス・デ・アルバレイ

D.O.リアス・バイシャスのアルバリーニョ種を100%使った白ワイン。生産元である「アデガ・コンデス・デ・アルバレイ」は、サルネス地区のブドウ農家が集まって88年に創設されました。

花のようなフルーティーな香り、ほどよい酸味とキレが感じられる辛口の白です。

ワインの詳細を見る

マーティン・コダック

こちらもアルバリーニョ種100%のリッチな辛口白ワインです。ワイン名は、13世紀にこの地方で活躍した吟遊詩人の名に由来します。

柑橘系を主体とした爽やかなフルーツの香りが特徴で、魚介類との相性が抜群。2015年にラベルデザインがリニューアルしました。

ワインの詳細を見る

ラファエル・パラシオス ロウロ

ゴデーリョ種を90%以上使用した、クリーンでキレの良い酸と桃の香りが特徴の白ワイン。「ロウロ」はガリシア語で「金髪」を意味し、ワインの色調が金色である様から名付けられました。

国外ではなかなか味わえなかった、ガリシア固有品種を堪能できる1本です。

ワインの詳細を見る

まとめ

ガリシア州(大西洋地方)は、アルバリーニョ種の高級白ワインが有名な地方です。

地方のほとんどが海洋性気候となっており、古代より漁業が経済の中心となってきました。現在でも地元で収穫した魚介類と白ワインを楽しむ文化が広く受け継がれています。

スペインのガリシア州(大西洋地方)のワインを飲む時には、ぜひ新鮮な魚介料理とのマリアージュを楽しんみてくださいね。