カスティーリャ・イ・レオン地方(内陸部地方)の特徴、当たり年やおすすめワインまとめ

Good Wine 編集部Good Wine 編集部

2019.05.28 公開 | 2019.05.28 更新

カスティーリャ・イ・レオン地方(州)は、スペイン北西部にある大陸性気候の地域です。

スペインの首都マドリードから200km弱の距離にあり、北はアストゥリアス州とカンタブリア州、東はバスク州とラ・リオハ州、南東はマドリード州とカスティーリャ・ラ・マンチャ州、南はエストレマドゥーラ州、西はガリシア州とポルトガルと接しています。

総面積は94,223km²で、国土の5分の1を占めるスペイン最大の自治州です。州都は公式に決まっていませんが、バリャドリッドに州政府と議会があります。

今回はスペインのカスティーリャ・イ・レオン地方について、詳しくご紹介します。

カスティーリャ・イ・レオン地方(内陸部地方)のワインについて

2017年現在、スペインでは67のD.O.(原産地呼称地域)が認定されています。そのうち、カスティーリャ・イ・レオン地方は、9のD.O.を持っています。

赤のスティルワインで世界的に有名なリベラ・デル・ドゥエロを筆頭に、ルエダの白ワイン、トロの力強い赤ワイン、ビエルソのビロードあふれる赤ワイン、シガレスのロゼワインなど、州内にはバラエティあふれる生産地が豊富です。

近年の動きとしては、州の北西部にあるビエルソが、2017年7月にワインの分類に新たなカテゴリーを追加することを発表しました。

地域呼称であるビエルソを細分化したカテゴリーで、カスティーリャ・イ・レオン地方政府とEUの承認を得て、2019年より以下の表記が可能になる予定です。

● ビノ・デ・ビラ = 村名ワイン
● ビノ・デ・パラヘ = 限定された土地の畑のワイン
● ビノ・デ・ビーニャ・クラシフィカーダ = 格付け畑
● グラン・ビノ・デ・ビーニャ・クラシフィカーダ = 特級格付け畑ワイン

生産されているブドウ品種

カスティーリャ・イ・レオン地方は赤ワインが多く、テンプラニーリョの生産が盛んです。

テンプラニーリョは、早熟で樽熟成によく耐えることができ、マルベリーのような風味を持つスペイン固有の黒ブドウです。

州内のほとんどの地域で生産されており、スペイン全土でも幅広く見受けられます。

この地域のテンプラニーリョは、多くのシノニム(別名)を持っています。

● リベラ・デル・ドゥエロ:ティント・デル・パイス
● トロ:ティンタ・デ・トロ
● アリベス:ティンタ・セラーナ、ティント・マドリッド
● その他の地域:センシベル、ウル・デ・リェブレ、オホ・デ・リェブレ…etc

テンプラニーリョ以外にも、ルエダではベルデホ、ビエルソではメンシア、アリベスではフアン・ガルシアといった、土着品種の栽培も目立ちます。

カスティーリャ・イ・レオン地方を代表するブドウ品種は、以下のとおりです。

● テンプラニーリョ
● ガルナッチャ
● メンシア
● フアンガルシア
● ベルデホ
● ゴデーリョ
● マルバシア
● アルビーリョ
● ビウラ

カスティーリャ・イ・レオン地方(内陸部地方)のテロワールについて

カスティーリャ・イ・レオン地方は、昼夜の寒暖差が激しい大陸性気候の地域です。

東西南北が山脈に囲まれており、州の大部分が「メセタ」と呼ばれる、標高のある乾燥した高原上にあります。

州内の年間降水量は450〜500mmほどで、山間部では1,500mmに達する場所もあり、地域によって様々です。

州の北西部では地中海性気候の影響を受けるところもありますが、ほとんどは「夏と冬しかない」といわれるほどの寒暖差の厳しい気候の地域です。

春と秋が短く、夏は乾燥した酷暑で、冬の冷え込みは氷点下−18度前後まで下がります。5月ごろでも春霜(しゅんそう)が降りるため、栽培に時間のかかる外来品種の生産が難しい地域となっています。

カスティーリャ・イ・レオン地方のほとんどの地域でテンプラニーリョが生産されている理由のひとつは、このようなテロワールでは早熟なブドウ品種が適しているためです。

厳しい環境で育ったブドウから造られるワインは、コクがあり力強いものに仕上がります。

カスティーリャ・イ・レオン地方(内陸部地方)のワインの分類について

黒ブドウのテンプラニーリョを中心に、各地域で原産地呼称の規定があります。

例えば、リベラ・デル・ドゥエロを名乗るには、赤の場合にテンプラニーリョを75%以上使うことが義務づけられています。さらに外来種とブレンドする場合は、テンプラニーリョが95%を下回ってはいけません。

他にも裏ラベルをタイプごとに5種類に色分けし、瓶詰めされたワインが本物であることを保証する仕組みもあります。

また、熟成の有無を基準として、以下のような赤ワインの分類がされています。

● ティント・ホベン
最低熟成期間:なし、樽熟成12ヵ月未満で出荷

● ティント・クリアンサ
最低熟成期間:24ヵ月、そのうち最低12ヶ月の樽熟成
収穫から2年目の10月1日以降から流通

● ティント・レゼルバ
最低熟成期間:36ヵ月、そのうち最低12ヶ月の樽熟成
収穫から3年目の10月1日以降から流通

● ティント・グラン・レゼルバ
最低熟成期間:36ヵ月、そのうち最低24ヶ月の樽熟成
収穫から5年目の10月1日以降から流通

※リベラ・デル・ドゥエロでは、赤ワインにおけるクリアンサの樽熟成期間は最低12ヶ月です。一般的な赤ワインのクリアンサは、最低6ヶ月の樽熟成となっています。

また、ルエダで「ベルデホ」を表示するには、ベルデホを85%以上使わなければなりません。

ルエダ・ソーヴィニヨン表示する場合は、ソーヴィニヨン・ブランを85%以上使うことが義務付けられています。

カスティーリャ・イ・レオン地方(内陸部地方)内の主な産地

カスティーリャ・イ・レオン地方は、以下の9のD.O.が認定されています。

● リベラ・デル・ドゥエロ:国際的なコンクールで数々の賞を受賞
● ルエダ:ベルデホ種を使ったシェリーのような白ワイン
● トロ:アルコール度が高い芳醇な赤ワインの産地
● シガレス:1991年にD.O.認定。フレッシュなロゼワインで有名
● アルランサ:タンニンが柔らかで力強い赤ワイン
● ビエルソ:ビロード感あふれるメンシアの赤ワイン
● アリベス:フアン・ガルシアを使った赤ワイン
● ティエラ・デ・レオン:マドレオ技術を使った微発泡のロゼワイン
● ティエラ・デル・ビノ・デ・サモラ:少数の醸造家の手で造られる個性的なワイン

カスティーリャ・イ・レオン地方(内陸部地方)のワインの生産量

カスティーリャ・イ・レオン地方において、D.O.P(原産地呼称保護)に登録されている総栽培面積は48,141haで、総生産量は1,513,265hlとなっています。

そのうち、D.O.ルエダとD.O.リベラ・デル・ドゥエロの販売量が特に多く、スペイン全土ではリオハ、カバに次ぐ3位、4位です。

また、スペインで9位の生産量を誇る黒ブドウ「メンシア」は、州北西部にあるビエルソで多く生産されています。

カスティーリャ・イ・レオン地方(内陸部地方)の歴史

1978年に憲法で自治州制度が導入され、カスティーリャ王国とレオン王国がひとつとなり、1983年にカスティーリャ・イ・レオン地方が誕生しました。

州名の「カスティーリャ」は「城」を意味します。その名のとおり、城跡が多い地域となっており、歴史的建造物や文化遺産が多数残っているのが特徴です。

州内だけで、ブルゴスの大聖堂、セゴビアの水道橋、サラマンカの旧市街、ラス・メドゥラスなど、7つのユネスコ世界遺産があります。

この地域の歴史で特筆すべき点としては、まず1970年にルエダで「スキン・コンタクト」や「低音発酵」などの新技術が導入されたことです。

15世紀ごろには既に白ワインで有名なルエダでしたが、これらの技術革新によりベルデホとソーヴィニヨン・ブランから造られる、高品質でコストパフォーマンスの高い白ワインが生産できるようになり世界的に有名になりました。

また、1982年にリベラ・デル・ドゥエロが州内で初のD.O.に認定され、力強い赤のスティルワインでもスペインを代表する産地となっていきます。

近年では、2008年に「ティエラ・デ・レオン」「アルランサ」「ティエラ・デル・ビーノ・デ・サモラ」「アリベス」の4つの地域がD.O.認定され、計9つのD.O.が誕生しました。

また、キリスト教の聖地であるサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼道となっていることもあり、地域のワインと観光が同時に楽しめるツアーも行われるようになっています。

カスティーリャ・イ・レオン地方(内陸部地方)で特に有名なワイン

カスティーリャ・イ・レオン地方で、評価の高いワインをご紹介します。

ヴィニャ・マグナ・クリアンサ 750ml

リベラ・デル・ドゥエロで造られるクリアンサの赤ワイン。化学肥料を使わないオーガニック栽培で、スペイン固有品種テンプラニーリョだけで醸造。

日本国内では、女性審査員によって評価されるサクワアワードにおいて、2016・2017年の2年連続で受賞しています。

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クアトロ・パソス 2015 マーティン・コダック 750ml

ビエルソの土地で初めてワイナリーを造った、マーティン・コダックによる赤ワインです。

ビエルソのイチオシ品種であるメンシアを使用し、辛口のミディアムボディのワインに仕上がっています。クマの足跡をイメージした可愛いラベルが、女性にも好評です。

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シエテ シエテ 77 ルエダ <2016> 750ml

ルエダ産のベルデホ種を使った、爽やかな白ワインです。ワイン名の「シエテ」はスペイン語で数字の「7」のこと。

ワイナリーがある村の教会の数、噴水、村の門の数が、偶然すべて7であったことから、7に縁のあるワインとしてこの名が付けられました。

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まとめ

カスティーリャ・イ・レオン地方は、テンプラニーリョを使った赤ワインで有名な産地です。

リベラ・デル・ドゥエロを筆頭に9のD.O.(原産地呼称地域)が認定されており、厳しい寒暖差の環境から造られたブドウは、力強くコクのあるワインに仕上がります。

近年では、歴史的建造物や文化遺産の観光スポットに合わせてワインを楽しめるツアーも行われるようになり、イベリコ半島北部を代表する観光地としても賑わっています。

この記事をきっかけに、カスティーリャ・イ・レオン地方のワインを飲んでみてはいかがでしょうか。

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2019.08.23 更新

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