赤ワインは室温で飲むってホント?冷やす方が美味しいのでは?

Good Wine 編集部Good Wine 編集部

2019.09.02 公開 | 2019.09.20 更新

並べられた赤ワインのグラス

赤ワインを室温で飲むと、なんだか美味しくない。そんな経験はありませんか?

ワインは〝生き物″です。

温度や様々な影響により、全く異なる味わいになりますので、美味しく飲める温度について解説していきます。

赤ワインの温度管理

日本にはまだ「赤ワインは室温」という間違った情報があり、飲食店でも室温で出てくることが少なくありません。

ぬるい赤ワインは、香りは開いているかもしれませんが、そのほとんどが輪郭のぼやけた味わいになります。

温度管理を知ってワインライフを楽しみましょう!

「赤ワインは室温」が間違っている理由

赤ワイン室温説は実は間違った情報です。

「赤ワインは室温で。」という言葉のルーツは 約400年前 フランスのロワール地方の王族のダイニングで生まれた言葉です。

室温と言っても、石造りのお城の温度は約15℃でした。

近年温暖化が進む世界で、この室温説は時代遅れであり、曖昧な表現の為に理想温度とかけ離れた温度で飲まれてしまっているのが現状です。

日本では室温だと高すぎる

日本の室温の定義は日本薬局方では1~30℃、常温は20℃~25℃と定められていますが、そもそも室温というのは温度の幅が広すぎます。

特に夏場に高温の日本ではきちんとした温度管理が大切です。ワインは温度変化によって香りも味わいもまったくの別物に変わる飲み物です。

一般的に赤ワインの理想温度は14~18℃と言われていますが、味わいを構成する甘味・酸味・渋味のバランスや熟成度合により理想の温度はそれぞれ異なります。

温度がワインの味を変化させる

ワインは生き物です。温度変化により、様々な表情をみせてくれます。

ワインは冷やした作用により香りの揮発が減り、甘味が弱まり、反対に酸味渋味が強くなります。そしてアルコール感が弱まり、タイトな味わいになります。

そのため、甘味の強いワインや、酸味や渋味の弱いワインが冷やすのに向いています。

温めると作用により、香りの揮発が増えます。甘味が増し、酸味渋味が弱まり、アルコール感が強くなり、やわらかい味わいになります。

なので、複雑な香りのある熟成したワインや、甘味の弱いワインや、酸味渋味の強いワインは高めの温度が向いています。

バランスの良くないワインを飲む際にも、温度の変化によって味わいを補正することができます。温度管理によって、美味しく飲むができるわけです。

またワインの醸造温度も理想温度を測る上で関係しています。

一概には言えませんが、コールドソーク(発酵前の低温浸漬)やコールドファーメンテーション(低温発酵)などの低温で醸造されたワインは低めの温度が向いています。

フィナルアショーマセラシオン(浸漬の際に熱のショックを与えて抽出)のワインや、発酵温度のコントロールをしておらず高めの発酵温度のワインは飲む際にも高めの温度が向いていることがあります。

マセラシオンカルボニック(炭酸ガス浸潤法)のフレッシュなワインは温度低めが望ましいです。

また発酵や熟成の際の容器でも理想温度が変わってきます。

木樽を発酵や熟成で使用したワインは、木樽からの渋味の影響を考慮して、ステンレス使用のものより高めの温度が望ましいです。

木樽からの渋味は温度が低いと突出し、バランスを壊してしまうからです。

有機酸の種類と温度の関係

リンゴ酸を乳酸に変えるマロラクティック発酵(乳酸発酵)を経たワインは乳酸が増えます。

このマロラクティック発酵をどの程度行ったかで含有する乳酸量は違ってくるのです。

乳酸の量が多い程に、理想温度は高くなります。なぜなら有機酸は温度帯によってワインの質感を変えるからです。

乳酸の場合は、低い温度だと喉に引っ掛かる質感で苦味が際立ちますし、高めの温度だとスムースな質感になります。

赤ワインの殆どはマロラクティック発酵をしていますが、していないポルトガルのヴィーニョ・ヴェルデの赤などは冷やし気味がおすすめです。

リンゴ酸は乳酸と反対で、冷やした方が美味しい性質をもっているのです。

乳酸の他にもコハク酸、グルコン酸の多いワインは高めの温度が向いており、クエン酸、酒石酸は低めの温度が向いていることがわかっています。

ブドウの品種ごとの理想温度

ブドウの品種によって味わいを構成する甘味・酸味・渋味の含有量が違います。品種によっても理想温度が異なります。

以下、主な黒ブドウと理想温度

  • ピノ・ノワール:12~14℃
  • テンプラニーリョ:12~16℃
  • カベルネ・ソーヴィニヨン:16~18℃
  • メルロ、シラー:16~18℃

また同じブドウ品種でも産地によって生育温度が異なります。

ウォームクライメット(温暖地域)のワインは気持ち温度低め、クールクライメット(冷涼地域)のワインは気持ち温度高めでバランスがとれます。

繊細で軽やかなピノ・ノワールの良さを活かすのに、低めの温度設定になっていますが、あまりに酸味の強いものやブルゴーニュでいうと村名クラス以上のものは複雑性を味わう為にも、温度高めがいいです。

渋味の強いカベルネなどのワインは高めの温度が向いています。品種だけでは一概にこの温度がいいと決めることは出来ませんが、一つの指標になります。

品種の個性や、味わいの構成、ヴィンテージ等の複合した要素から理想の温度を導きましょう。

テイスティングをして、ワインと会話を交わすことでどのような温度がいいのか見えてくるはずです。

熟成したワインの理想温度

熟成した赤ワインは、香りに複雑性があります。

せっかくの熟成感のあるワインを低い温度で飲んでしまうと、その素晴らしい香りが閉じ込められてしまい、残念なことになってしまいます。

少し高めの18~22℃が理想です。18℃で飲み始めて、グラスの中で自然に温度を上げていくのが理想的です。

よくある疑問

ここからはワインの保管方法に関する疑問をいくつかピックアップして紹介するので、チェックしてみてください。

どうやって冷やすのがおすすめ?

ワインは冷やし方によっても、香りや味わいが変化します。

なるべく温度変化を緩やかにすることで、より豊かな芳香を放ち、味わいも豊かになります。

そのため、温度コントロールされた冷水につけて冷やすのが一番の理想です。氷水よりも温度の変化が少ないので、安定しています。

購入してきたワインは、常温からの状態で冷水につけて10分で16℃。氷水につけて6分で16℃、冷蔵庫(4℃)に入れて40分で16℃まで冷えます。(常温25℃と仮定した場合)

ただワインは±10℃以上の温度変化を与えると香りが閉じてしまい、すぐには開かないので、ストックしておいて飲むのが理想です。

温度は電子温度計で測るのをおすすめします。

よく手をかざして大体の温度を導き出す方がいますが、外側の瓶の温度と中の液体であるワインの温度は全然違うのです。

また瓶の中でもボトルネックの上部と底の部分とでは1℃程の差があります。

家で保管する時はどうすればいいの?

長期の保管にワインセラーは必須です。一定温度の地下室などがあればいいですが、ないご家庭の方が多いと思います。

理想の保管温度は13~18℃。熟成を早めたい場合は温度を高くし、熟成をゆっくり進めたい場合は温度を低くします。

亜硫酸無添加のワインは注意が必要ですので、保管温度を16℃以下に設定しましょう。これは酵母が再発酵するのを防ぐためです。

ワインセラーを使うことで温度だけではなく、湿度や振動に関しても理想的な状態を保ちやすくなります。

地下室では新聞紙を巻いて光を遮断し、振動のない場所に寝かせて保管し、飲む3日前には立たせて澱を落としましょう。

温度は一定にし、湿度も70%前後に保てるよう加湿器を用意しましょう。冷蔵庫保存の場合は新聞紙に巻いて野菜室へ。

野菜の香りが移ってしまったり、振動がワインへダメージを与えたりするので、入れてから1週間以内には飲んでしまいましょう。

このように、保管環境や温度はワインの味わいに大きく関係しています。理想温度を識ることで、より良いワインライフを楽しむことが出来るでしょう。

まとめ

赤ワインは室温ではなく、温度管理して冷やして美味しく飲むのが理想です。

ワインは温度によって香りや、味わいが変わる「生き物」ですので、保管環境も大切して楽しんでみてください。

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2019.09.23 更新

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