ワインの原産地呼称制度(AOP、AOC、DOP、DOCG)について解説!

Good Wine 編集部Good Wine 編集部

2019.09.11 公開 | 2019.09.20 更新

ワインの産地

ワインを選ぶとき、同じ産地、同じぶどうでも値段が様々なため、どれを選べば良いかわからない人が多いと思います。

上質なワインを見分ける方法は、実は難しくありません。なぜなら、EUではワインの品質がひとめでわかるよう、「原産地名称保護制度」と呼ばれるルールが決められているからです。

EUの厳しい基準をクリアし、品質が保証されているワインは、ラベルにそう明記されています。

今回は、「原産地名称保護制度」をはじめとするワイン法について説明します。これを読めば、ワイン選びがさらに楽しくなるので、ぜひチェックしてみてください!

ワインの原産地名称保護制度とは

ワインの品質は、ざっくりと2種類に分けることができます。まず、日常でカジュアルに飲む用の、生産地表示がないテーブルワイン。もう1つは、「ボルドー」や「ブルゴーニュ」など、生産地の名前をラベルに記載できるワインです。

ワインは、生産地の地質、水、気候などで味が大きく左右されます。

そのためEU諸国では、ぶどうの栽培方法から熟成法、ワインの製造にいたるまで、厳しい基準をクリアしたワインにだけ、ラベルに生産地を書くことができます。これを「原産地名称保護制度」と言います。

では、「原産地名称保護制度」のルールについて、少し詳しく見ていきましょう。

EUが定める2つのランク「PGI」と「PDO」

EUのワイン法によって定められた「原産地名称保護制度」の基準は、ぶどうの原産地、品種、栽培方法、熟成法、醸造方法など、細かく多岐に渡ります。

これらをクリアしたワインは、さらにPGIとPDOの2つにランク分けされます。

PGI(Protected Geographical Indication)

地理的表示保護ワイン。その土地でできたブドウを85%以上使い、栽培・製造・加工方法において定められた基準をクリアしたワイン。

PDO(Protected Designation of Origin)

原産地呼称保護ワイン。PGIワインの基準に加え、その生産地のブドウを100%使わなければならないなど、より厳しい基準が設けられたワイン。

ワインを購入する際、ラベルをよく見てみてください。PGIもしくはPDOの表示があれば、それは品質が保証されているワインです。

また、EUのワイン法を基準として、それぞれの国独自の表記をしているワインもあります。以下に、EUの主なワイン生産国の表記をまとめましたので、選ぶときの参考にしてください。

ヨーロッパ各国の表記方法

EUにおけるPGIとPDOに相当する、各国の表記です。PGIよりも、PDOのほうが基準が厳しくなります。

EU PGI PDO
フランス I.G.P.
(Vin de Pays)
A.O.P.
(A.O.C.)
スペイン I.G.P.
(Vino de la Tierra)
D.O.P.
(V.P.C./V.P./D.O.C.a.
/D.O./V.C.)
イタリア I.G.P.
(I.G.T.)
D.O.P.
(D.O.C.G./D.O.C.)
ドイツ g.g.A.
(Land wein)
g.U.
(Prädikatswein/Q.b.A.)
ポルトガル I.G.P.
(Vinho Regional)
D.O.P.
(D.O.C.)

()内は、ワイン法改正前の、2009年までの表示方法です。ワインによっては、ラベルに古い方を表記していることがあります。

ワイン法の歴史

EU の「原産地名称保護制度」は、ワインだけでなく、農産物や食品にも使われています。ヨーロッパのチーズ、ハム、ソーセージなども、基準をクリアしたものにはPGIやPDOの表記があります。

EUのワイン法は1962年に制定され、そのあと何度か改正をくり返し、2008年から現在の基準が適用されました。

また、フランスやイタリアなどでは、EUより以前から、独自のワイン法を定めていました。ワイン法の始まりは、1930年代のフランスにさかのぼります。

ワイン法の目的は品質を守るため

1930年代、フランスではぶどうの不作や経済の悪化が続いていました。さらに、フランスやイタリアの産地を偽った低品質のワインが出回ることに。

そこで「質の高い伝統的なワインを守ろう」と、フランスで法制化が進み、現在のワイン法のもとになりました。

世界のワイン法

ヨーロッパに対して「新世界」と呼ばれるアメリカやチリにも、ワイン法があります。内容はヨーロッパほど厳しくないため、それぞれの国で、より自由なワイン作りを行っています。

それが、伝統的なヨーロッパワインとは違う味わいを産み、ワイン業界に多様性を与えているのです。さらに、日本でも2018年10月30日以降、ワインのラベル表示に関する法律が適用されます。

日本ワインのラベルに産地を記載するには、その土地のブドウを85%以上使用しなければならないなど、より品質管理に厳しくなりました。基準をクリアしたワインは、ラベルに「生産地・品種・ブドウの収穫年」などが記載できます。

まとめ

EUの「原産地名称保護制度」とワイン法について解説しました。

ワイン法はもともと、粗悪なワインから生産地を守るためにできた法律です。そのため、ラベルに表記があるワインは、EUとその国が品質を認めた、いわばお墨付きのワイン。

ただし、ワインの生産国や製造方法が多様化する近年、原産地名称保護制度の表記がないからといって、そのワインがおいしくないという意味ではありません。

あえて基準を無視して、自由な発想のワイン作りを行っている生産者もいます。ワインを選ぶときは、ぜひラベルをチェックして、生産地の表記があるワインとないワインの、味の違いを楽しんでみてください。

記事カテゴリー

公式Twitter

アクセスランキング

2019.09.23 更新

同じカテゴリーの新着記事