パーカーポイントって何?ワインの価値や値段に影響する格付けについて

Good Wine 編集部by Good Wine 編集部

2018.08.27 公開 | 2018.08.27 更新

ワインを購入しようとワインショッピングサイトを見ると、良く目にするパーカーポイントと言う文字。

「ワインの出来を点数で評価しているもの」と、何となくは理解しているが詳しくは分からない。しかし点数に左右されて購入した事があると言う方も多いのではないでしょうか。

実際、ワインの市場販売価格や造り手の評価をさえも一瞬にして決めてしまう程、威力のあるパーカーポイント。

ここでは評価を行なっている人物像や採点方法など、パーカーポイントに纏わる疑問を一つずつ紐解いていきたいと思います。

パーカーポイントとは(PP)

ロバート パーカー氏が1978年に創刊したワイン誌「ワインアドヴォケイト」の中で発表していたパーカー氏独自の評価システムで、100点満点で評価されます。

評価は全てブラインドティスティングで行われている事や、雑誌が広告収入を得ず運営されている事などが消費者からの厚い信頼を得て世間に認められて来ました。

高得点が付いた造り手は注目を浴びる事で需要が伸び、市場から熱い恩恵を受ける事になりますが、反対に低い点数を付けられた造り手は価格が下落し大打撃を受ける事になります。

この事からワイン生産者にとっては脅威的とも言えますが、 消費者目線の公平な評価方法を取っている事から現在も大切な指標の一つとして支持されています。

ロバートパーカーについて

絶大なる発言力を持っているパーカー氏は、アメリカ、メリーランド州出身のワイン評論家です。

ワイン産地や醸造所の生まれでもなく、家庭環境においてもワインとは無縁だったパーカー氏ですが、妻とのヨーロッパ旅行で出会った素晴らしいワインの数々が後のパーカー氏に影響を与えました。

ワインに感銘を受けてからのパーカー氏は、仲間とティスティング会を結成したりワイン産地に滞在したりと次第にのめり込んで行きます。

また、元は弁護士であったパーカー氏ですがワイン愛好家であった故ワイン好きが高じて、1978年にワイン雑誌を発行する事となります。

これが有名な「ワインアドヴォケイト」。全てのストーリーはここから始まりました。

採点方法

採点方法は100点満点と大変分かりやすく50点が付くワインから評価するに値するとし、評価対象になります。

50点に追加される点数は次の通り、100点に至るまで5段階に定義されています。
①スタートで得た50点
②色調など外観に関する評価 1〜5点
③ぶどう由来のアロマと、熟成由来のブーケ 1〜15点
④味のバランスと余韻 1〜20点
⑤総合評価、今後の熟成によるワインのポテンシャル、将来性を見据えた評価 1〜15点

点数別による評価を見てみましょう。

100~96: Extraordina 「格別」
95~90: Outstandin 「傑出」
89~80:Quite good 「かろうじて並以上から優良」
79~70: Average 「並」
69~60:Below Average「並以下」

獲得ポイント別ワイン

上記のように細かく定義されているパーカーポイントですが、実際本当に良いとされているのは85点以上とされており、それを獲得できるのは世界中のワインを探しても1%しか無いと言われています。

そこで、そんな厳格なシステムの中で”有名なあの高級ワイン”の評価は一体どうなのか、「ベスト5」にまとめましたので見て行きましょう。

「95点以上:格別」

100点 ル・パン ’82 〜LE PIN〜 「80年代に現れたボルドー右岸のシンデレラワイン」

度々パーカー氏はルパンに100点を付けていますが、82年に至ってはルパンがファーストヴィンテージをリリースをしてから僅か3年目にして100点を獲得した年です。

まさしく、無名だったシャトーがシンデレラとなった瞬間でした。

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99点 シャトー・ディケム’99 〜CH.D’YQUEM〜 「貴腐ワインの最高峰」

貴腐ワインの頂点と言われるソーテルヌからも高得点のパーカーポイントを獲得しており、それが世界最高峰と言われるシャトー・ディケムです。

’99以外のヴィンテージも高評価なのですが、1990年に至ってはシャトーにとってもパーカー氏にとっても格別なヴィンテージの一つと言えます。

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97+点 オーパスワン’13 〜Opus One〜

’13は優良なぶどうを育てるための理想的な気象条件に恵まれ、高評価を得るに値するヴィンテージとなりました。

ちなみに’12と’14も96点と言う高得点を獲得しており、オーパスワンの揺るぎない実力が伺えます。

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95点 ウニコ’07 〜UNICO〜 「スペインのロマネコンティ」

スペイン最高峰と謳われるウニコは、ぶどうの出来が良かった年しか生産しない事や10年以上の熟成を経ないとリリースしないなど、徹底的に厳選して造られています。

スペインの王と呼ぶにふさわしいワインです。

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「90〜94点:傑出」

シャトー オーブリオン’94 〜CH Haut-Brion〜「グラーヴ地区から唯一の1級シャトー」

’94年の収穫時期は比較的雨の多い年でしたが、元々オーブリオンが持っている水はけが良い畑の性質が、ぶどうにとって助けとなり成功したヴィンテージの一つとなりました。

グラーヴ地区から唯一選出されるポテンシャルは流石の一言です。

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パーカーポイント以外の指標について

ここまで、パーカーポイントについて詳しく見て来ましたが、消費者である私達が実際ワインを選ぶ際の指標は「パーカーポイント」一つなのでしょうか。

答えはもちろんNOです。

パーカーポイント以外にも各国からワイン評論本は多数出版されていますし、それぞれに独自の評価方法、評価システムが存在します。

そこで、ここでは押さえておきたい威厳ある有名なワイン評論誌を3つご紹介します。

ワイン・スペクテイター:「アメリカでTOPレベルのワイン評論誌」

ワイン・スペクテイターはパーカーポイントと同じく100点法による評価システムを採用しており、1988年から続く人気の企画「TOP100選」では評価90点以上のワインの中から100本を発表しています。

その発表は、やはり市場の販売価格を大きく左右するものとされており、生産者にとってはまさしく緊張の一瞬です。

また、ワインを試飲するテイスターは、チリならチリといった具合に地域担当としてその土地のエキスパートを配置しているのも消費者の信頼を獲得する要素の一つとなっています。

ワイン・スペクテイターはワイン評論の他、ワイナリーの訪問記や産地情報、コラムなども多彩に掲載しておりワイン愛好家にとっても欠かせない1冊となって支持されています。

レ・メイユール・ヴァン・ド・フランス:「大御所生産者に目を向けたフランスのワイン評論誌」

※(ルヴュ・ド・ヴァン・ド・フランス出版/※2008年より「クラスマン」から現在の名前に変更。)

評価システムは最高である「3つ星」から「星なし」の4段階。フランス国内全ての産地から格付けされるシステムで年に1回発行されています。

アメリカの評論誌と大きく異なる点は、厳格なワインしか掲載されない為、星がなくても傑出した高級品であると認められる事になります。

有名シャトーであっても容赦無く降格させる厳格な評価システムを貫いており、フランスの権威ある評論誌の一つといっても過言ではありません。

実際2011年には、あの有名なペトリュスが3ツ星から2ツ星に降格されています。

また評価の対象は新しい生産者ではなく、主に大御所生産者に目を向けられており、長期にわたり切磋琢磨し活動を続けている事が認められなければ昇格も難しいとされる大変厳格な評論誌です。

ギッド アシェット:「フランスで最も歴史があり、主に最新ヴィンテージを対象としたワイン評論誌」

もちろん大御所も掲載されていますが特筆すべきは、ドメーヌやワイナリー、生産者の評価ではなくファーストヴィンテージのリリースを開始したばかりと言った新進気鋭の生産者やワインを主に評価する評論誌という事。

そして多数の生産者を有名無名問わず積極的に紹介しており、造り手の世代交代などワイン業界の「今」をタイムリーに垣間見る事が出来るのも魅力の一つです。

1988年から毎年発行され、ワインの概要はもちろん小売価格や、生産者を訪ねて購入するためのノウハウなども多数掲載されており、フランス国内においてワイン購入に必要不可欠な「ショッピングガイド本」とも言えるでしょう。

ク・ド・クールは最高峰ワインと謳われ各AOCから数本しか出ない事から、現地の生産者の間では今年はどこからク・ド・クールが出たかと、出版の時期にはその話で持ちきりになる程です。

評価システムは、星なしから3つ星まで、そして最高評価にハートマークで付けられる「ク・ド・クール」までの5段階評価。

各AOCの中で最高評価を受けたワイン。エチケットが掲載されます。
★★★ 獲得出来るのはごく僅かなワインのみ
★★ 大変良い
良い
★なし

まとめ

絶大な信頼を集める評論誌は世界に多数存在し、その時々で私達のワイン選びのお助けになってくれます。

気になってたワインがPPで高得点だった!なんて知れば試してみたくなりますね。

しかし、選び方にルールなんて無くて当たり前。それは大切な人からのプレゼントだったり、忘れられないシチュエーションで飲んだものだったり、自分だけのストーリーがあり、選び方、楽しみ方も人それぞれです。

なかなかワイン選びが決まらない時、そんな時はほんの少しパーカーポイントのお助けを添えて、素敵なワインに出会えるきっかけの一つになればと思います。