オークランド地方のワインの特徴、当たり年や主なワイナリーまとめ

Good Wine 編集部by Good Wine 編集部

2018.05.22 公開 | 2018.07.09 更新

オークランド地方(オークランドワイン)
ニュージーランド最大の経済都市であるオークランド(Auckland)。その周辺にも、ワイン産地は広がっています。

オークランドには110軒のワイナリーがあり、ニュージーランドの大手ワイナリーの本社はほとんどこのオークランドに存在しています。

オークランドワインについて

ニュージーランドで、最も人口が多く、ワイン愛好家も多いのがこのオークランドです。また、ハブ空港があるので、ニュージーランドに行く時、まず到着するのがオークランド国際空港。

観光客は簡単にワイン産地へ足を伸ばすことができます。

2017年、ワイへキ(Waiheke)島のストーニーリッジ(Stonyridge)のワインは観光客によって飲み干されました。リリースしたばかりのワインもすべてが完売になったのです。

ニュージーランドの北部に位置するので、比較的暖かく、他の産地と異なったスタイルのワインが生産されています。

生産されているブドウ品種

この地域では、主にボルドー系品種が栽培されています。エレガントで深みのあるメルローを中心に、カベルネ・ソーヴィニヨンやカベルネ・フランをブレンドしたワインを生産しています。

また、ニュージーランドの中でもよりリッチで複雑味のあるシャルドネや糖度の高いブドウから生産されたピノ・グリがあります。

  •  メルロー
  •  カベルネ・ソーヴィニヨン
  •  カベルネ・フラン
  •  シラー
  •  シャルドネ
  •  ピノ・グリ

オークランド地方のテロワールについて

この地域は、ニュージーランドの中でも高温で、多雨多湿な亜熱帯気候です。そのため、サイクロンが発生し、土砂降りの時期があります。反対に、晩夏から初秋にかけては、2週間ほどの乾期が訪れます。

ブドウの栽培時期の10月から4月にかけて、この地域ではマールボロ(Marlborough)の2倍、セントラル・オタゴ(Central Otago)の3倍の雨が降ります。

高温多湿なので、ブドウが病気になる可能性が高くなってしまいます。そのため、キャノピーマネジメントをして、リスクを回避できるよう他の地域よりも努力が必要になります。

土壌は、2億5000万年前の岩盤がベースになっており、その上に火山質や重たい粘土質土壌が広がっています。

暖かい気候と土壌により、ブドウは完熟しやすくなり、質の高い果実が収穫できます。

オークランド地方内の主な産地

この地域は、3つのサブリージョンがあります。

まずは、オークランドの中心近くクメウ(Kumeu)を中心に広がるウエスト・オークランド(West Auckland)地方。このエリアは、東、西の両側からの海風が温度緩和をしてくれています。これによって、ブドウ畑を冷やしてくれ、成熟期間を長くしてくれています。

キリッとしたエレガントなシャルドネを生産しています。

ウエスト・オークランドの土壌は、肥沃で粘土質やローム質で、多湿なので病気が多くなりがちです。

ワイヘキ島は、本土よりも暖かく、乾燥した気候のワイン産地です。オークランド地峡によって、タスマン海からの南西向きの風から守られています。

水はけのよい、比較的痩せた土壌であることで、ブドウの生命力を強くし、しっかりとした糖と酸を持つ果実を収穫できます。

黒ブドウの栽培に適した環境です。

タンニンがあり、リッチで豊かなフレーバーを持つワインが出来ます。

オークランドから車で1時間ほどのマタカナ(Matakana)は、高温多湿で海からの冷たい風が吹きます。

粘土質ローム層や赤土の火山質の土壌によって、リッチさや特徴的な土っぽさをワインに与えています。

日射量を最大にするため、ほとんどのブドウ畑は北向きの傾斜地に位置し、水はけがよいながらも、必要な水分を蓄えてくれています。

これらによって、より品質の良い果実を造ることに、ぶどうの樹も集中することができます。

  •  ウエスト・オークランド(West Auckland):エレガントなシャルドネの産地。
  •  ワイヘキ島(Waiheke Island):リッチで豊かなフレーバーを持つワインの産地。
  •  マタカナ(Matakana):リッチで、土っぽいワインの産地。

オークランドワインの生産量

オークランドには、全体の0.9%、325haの栽培面積があり、2016年には1,267トンのブドウが収穫されました。

前年比成長率は+54%です。

オークランドでは、約27.7%がボルドー系品種(メルロー47.7%、カベルネ・ソーヴィニヨン28.9%、カベルネ・フラン23.3%)です。続くのはシャルドネで21.5%、シラーは15.7%、ピノ・グリ1.1%となります。

全輸出量の約0.1%が、このエリアのワインで、2016年は157万ドルの輸出額でした。

国内で消費するのが74.5%で、24.5%のワインは輸出されています。

オークランドワインのヴィンテージチャート

ヴィンテージチャート (赤ワイン)

年号 評価 年号 評価
2000 ★★ 2010 ★★★
2001 ★☆ 2011
2002 ★★☆ 2012 ★☆
2003 ★★ 2013 ★★★
2004 ★★ 2014 ★★☆
2005 ★★☆ 2015 ★★
2006 ★☆ 2016 ★☆
2007 ★★ 2017 ★☆
2008 ★★☆ 2018 NT
2009 ★★

ヴィンテージチャート (白ワイン)

年号 評価 年号 評価
2000 ★★ 2010 ★★★
2001 ★☆ 2011
2002 ★★☆ 2012 ★☆
2003 ★★ 2013 ★★★
2004 ★★☆ 2014 ★★★
2005 ★★ 2015 ★★
2006 ★★☆ 2016 ★☆
2007 ★★ 2017 ★☆
2008 ★★ 2018 NT
2009 ★★

cf. Michael Cooper, Buyer’s Guide to New Zealand wines 2012, 2013, 2016, 2017, Auckland New Zealand: Upstart Press Ltd, 2011, 2012, 2015, 2016

上記ヴィンテージチャートは当サイトが独自に算出したものです。評価は5段階で記載。「★=1」「☆=0.5」で、最高評価は「★★★」となります。ヴィンテージチャートの無断転載は固くお断り致します。

オークランドワインの歴史

1912年、オークランドのヘンダーソン(Henderson)にクロアチア人移住者ジョシップ・バビッチ(Josip Babich)がブドウを植え、この地のワイン産業の歴史は始まりました。

1937年に、ブラコビッチ(Brajkovich)一家が、1943年には、ニコラ・ノビロ(Nikola Nobilo)がクメウで、そして1961年ヴィラ・マリアがブドウ栽培を開始しました。

現在、オークランドは、これらの大手ワイナリーの本社が立ち並ぶエリアになっています。

ウエスト・オークランドでは、1977年にゴールドウォーター(現在のゴールディ・エステート)がブドウを持ち込み、ワインを生産し始めました。

82年には、ストーニーリッジのステファン・ホワイト(Stephen White)が、84年にはペニンシュラ・エステートのハミルトンが続いてブドウ栽培を開始しました。

オークランド地方で特に有名なワイン

ブルゴーニュスタイルのシャルドネを生産するクメウ・リバー。

1935年創業の歴史あるワイナリーであり、良いワインのためなら新しい技術も取り入れるウエストブルック。

年々注目度が上がっているワイヘキ島でも、高い評価のマン・オ・ウォー(Man O’War)。

この地域で、有名なワイナリーのフラッグシップワインです。

Kumeu River Estate Chardonnay 2015

Aucklandで比較的歴史の古いクメウ・リバーのシャルドネは、手摘みで収穫したブドウを、自然酵母によりフレンチオークで発酵。11ヶ月フレンチオークで熟成しました。

ピーチやネクターのようなまろやかな酸味のある味わいで、爽やかな香りが鼻から抜けます。

ホワイトソースのリゾットやムニエルと楽しむことができます。
また、ポークソテーとともに。

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Westbrook Waimauku Pinot Gris 2015

粘土質土壌で育ったブドウを、手摘みで収穫し、ステンレスタンクで低温発酵。シュール・リーをすることで、ワインに力強さがあり、華やかな香りがあります。

洋梨やカリン、華やかな蜜の香りが広がり、エレガントで力強い味わいです。

豚肉や鶏肉のグラタンやカニクリームコロッケなどと相性がいいです。

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Man O’War Ironclad 2011

ワイヘキ島の一番奥に位置するマン・オ・ウォーのワインは、手摘み後、それぞれの品種、ブロック毎に発酵し、新樽率35%のフレンチオークで8ヶ月熟成。新年にブレンドしています。

砕いた赤いベリーやカシスの香りとフローラルな華やかのあるワインです。完熟した果実味とキメの細かいタンニンがあります。

脂の少ない赤みの牛や鹿肉などと一緒に楽しめるワインです。

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まとめ

ニュージーランド一の経済都市で最大の人口密度を持ちながらも、少し車で足を伸ばすと、雄大な自然が広がっているオークランド。

ブドウ栽培の地としては、厳しい環境ではありますが、生産者たちはその逆境を活かして良いワインを生産することを考えて、日々畑に立っています。

また、オークランドからフェリーに乗って40分ほどで着くワイヘキ島では、ワインとフードのフェスティバルを毎年行っており、ワイヘキ島内のワイナリーが一堂に会する機会があります。

今後、観光客が足をのばす機会は増え続け、ワイヘキ島やマタカナのワインの人気も伸びていくでしょう。