ヴェネト州のワインの特徴、当たり年や主なワイナリーまとめ

Good Wine 編集部by Good Wine 編集部

2018.07.02 公開 | 2018.07.02 更新

ヴェネト(VENETO)州のワインについて

ヴェネト州はイタリア半島の付け根にあたるイタリア北東部に位置しています。州都は世界的に有名な水の都ヴェネツィア(VENEZIA)です。

口当たりの良さで人気の白ワインのソアヴェ、赤ワインのヴァルポリチェッラ、そしてスパークリングワインのプロセッコなどの産地です。イタリアで第2位のDOCG、DOCのワイン数を誇る高品質なワインを多く産出しています。

ヴェネト州のワインについて

ロミオとジュリエットで有名なヴェローナ(VERONA)で、毎年春に世界最大規模のワインの見本市ヴィーニタリーが開催され、世界中からワインのバイヤーや愛好者が集まります。

2018年、第52回を迎えたヴィーニタリーは、世界36か国が参画し、4,380ものブースが設置されるなど、盛況のうちに行われました。

DOCGプロセッコの産地であるコネリアーノ(CONEGLIANO)、ヴァルドッビアーデネ(VALDOBBIADENE)地方は、2016年のヨーロッパワイン文化圏の首都として選ばれて、数々のイベントが開かれました。

プロセッコに関する職業は、40歳以下の世代が全体の20%を占めるほど若い人の割合が高く、毎年増加しています。また、女性の占める比率も28%と高く、こうした新しい発想によるワイン造りが、プロセッコの人気の秘訣だともいわれます。

ヴェネト州も2017年は異常気象を受けて、ブドウの生産量が110万トンで前年比15.5%も減少しています。

生産されているブドウ品種

多くの土着品種があるヴェネト州ですが、代表的なものと言えばヴァルポリチェッラやバルドリーノのブドウ品種コルヴィーナです。この秀逸なブドウ品種はコルヴィーナレアーレ(王様のコルヴィーナ)とも呼ばれています。

また、プロセッコの原料となるブドウは、これまで単にプロセッコ種と呼ばれていましたが、DOCGのプロセッコは他との差別化のために、昔からの呼び名であるグレーラ種という名称に変更しています。

これらの土着品種のほか、カベルネ・ソーヴィニョン、シャルドネなどの国際品種も多く栽培されています。

  •  コルヴィーナ
  •  ロンデネッラ
  •  グレーラ
  •  ガルガーネガ

ヴェネト地方のテロワールについて

州の北側はアルプス(ALPI)山脈、北西はドロミティ(DOLOMITI)峡谷、西はガルダ(GARDA)湖、東はアドリア(ADRIATICO)海に接しているヴェネト州。州の中心を広いパダナ(PADANA)平野が広がっています。

南の州境をイタリアで一番長い川ポー川が流れている、水の豊かな地方です。

州の29.1%は山岳部、高い山裾の丘陵地帯が全体の14.5%、そして州の中央部56.4%が平野で大部分を占めています。同じ州でも、地域によって独特の気候があります。

アルプスに近いだけあって、古代には氷河におおわれていた古い土壌が多く、ミネラル分が多く含まれています。

コネリアーノ丘陵

ドロミテ峡谷に面した丘陵部は、夏は涼しく比較的過ごしやすい気候で、夜間に山から吹く風がブドウに独特の香りをもたらします。

この地域の地層には化石が多く見つかるので古代には海だったといわれます。そのためにこの土地には独特の海由来の豊富なミネラル分が含まれます。

ヴェローナ北部

西にガルダ湖が広がる丘陵地。ドロミテ峡谷に近くとても古い地層なため複雑な土壌構成です。火山性の土壌もさまざまな種類に分かれていますが、鉄分やマンガンが非常に多く含まれているのが特徴です。

ヴェネト地方の格付けについて

ヴェネト州はDOCGが14、DOCが29もあり、格付けワインの数がピエモンテ州に次いで2番目です。州全体のぶどうの生産量の80%がDOCGとDOCに、16%がIGTワインに使われるほど、格付けのワインに特化したブドウの栽培を行っています。

プロセッコ

ヴェネト州を代表するスパークリングワイン、プロセッコは、DOCGに昇格した際にコネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・プロセッコという名称に変更して、単なるDOCプロセッコと差別化を図りました。

ソアーヴェ

爽やかな飲み心地が人気の白ワインソアーヴェは生産量が多く、1967年にソアーヴェがDOC認定された時よりも指定地区がかなり拡大しています。そのため、伝統的な地区で作られるソアーヴェのみをソアーヴェ・クラッシコとして他と区別しています。

ソアーヴェ・クラッシコ・スーペリオーレDOCGを頂点に、ソアーヴェ・クラッシコDOC、ソアーヴェDOC。また、甘口のレチョート・ディ・ソアーヴェDOCGもあります。

ヴァルポリチェッラ

ソアヴェと同様に生産量の多いヴァルポリチェッラも、伝統的なエリアのもののみヴァルポリチェッラ・クラシッコ、ヴァルポリチェッラ・クラッシコ・スーペリオーレという名称で区別されています。

また、リパッソという方式で作られたもの、ヴァルパンテーナ(VALPANTENA)地区で作られたものなど、いくつものヴァルポリチェッラDOCがあります。

甘口のレチョートのみDOCGに認定されています。

ヴェネト州の主な産地

ヴェネト州には、91,350ヘクタールものブドウ畑があり、昨年比で4.8%も増えています。

主な産地は、ヴェネト州の西端にあるヴェローナの北部に広がる丘陵地帯で、赤ワインヴァルポリチェッラや白ワインソアーヴェが作られています。また、このすぐ近く、ガルーダ湖の東岸にそった細長いエリアでバルドリーノが作られています。

プロセッコは、ヴェネツィアより北のドロミテ峡谷に連なる丘のうえに、伝統的なDOCGコネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・プロセッコの生産地があります。1969年に格付けされた当時のままの生産エリアを保っています。

  •  ガルーダ地区:ヴェネト州を代表するDOCワインの産地が集中している。
  •  コレニアーノ丘陵地区:ヴァルドッビアーデネまでの丘陵地は、プロセッコDOCGの歴史的な生産地。
  •  トレヴィーゾ(TREVISO)地区:ヴェネツィアの北部、アドリア海沿岸から内陸の平野部にかけて、国際的なブドウ品種を使った飲みやすいワインの産地。

ヴェネトワインの生産量

ヴェネトワインは2017年8,375ヘクトリットルの生産量で、イタリアワイン全体の約20.9%を占めています。この年の異常気象の影響で、前年比17%減少でしたが、過去10年間の平均値と比べると約1%のみしか減少していないほど、近年の増加しています。

ヴェネト州のワインの2017年の輸出額は998百万ユーロでイタリアで最も多く、前年と比べても7.0%増加しています。イタリアワイン全体の約35.5%をもしめています。

特にプロセッコの輸出量は300百万本にも上っていて、最大の輸出先はイギリス、そしてアメリカ合衆国と続きます。

輸出しているDOCG、DOCの瓶入り赤ワインの輸出額は118百万ユーロ、白ワインは44百万ユーロに上ります。

 

ヴェネツィアワインの歴史

古代ローマ時代以前

ヴェネト州は、古代ギリシア人がブドウをイタリア半島に伝えるよりはるかに昔からブドウが自生していて、人々の食用として使われていました。

ワイン造りが始まったのは古代ローマ以前の紀元前7世紀ころ。当時のイタリアで繁栄していたエトルリア人、またはチロル山脈地方の民族ラエティア人によるものだと言われます。

中世

中世になると、ヴェネツィア共和国の発展とともにワイン造りは盛んになり、ブドウの栽培が盛んにおこなわれます。

アドリア海を制して東方貿易の独占的に行っていたヴェネツィアには、当時珍重されていたギリシアやキプロス島のワインがもたらされ、ヴェネト地方のワインも外国に輸出されました。

また、ムラーノ(MURANO)島で作られていたヴェネツィアグラスが、これまでの陶器や銀の容器に代わるワインのための容器として、貴族の食卓で重宝されるようになりました。

16世紀以降

16世紀、ヴェネツィア共和国が衰退していくと、これまでの輸入ワインに代わって、ヴェネツィアの近郊でさかんにワイン造りが進められるようになりました。現在でも有名なワインの産地は、このころからすでにワインの名産地として名を馳せていました。

ところが、この頃から度重なる戦争が行われたり、ペストの影響で、ワインの産業も度重なる被害を受けます。

また、1709年に歴史的な寒波がヴェネト地方を襲い、ほとんどのワイン畑が冷害による大打撃を被りました。

19世紀

1800年になると、新しい支配者オーストリアのハプスブルグ家による土壌やブドウ品種に関しての本格的な研究が始まります。1823年にはブドウ品種のカタログも作成され、新しいヴェネト州のワイン醸造がスタートします。

1800年代の後半にはフィロキセラなどによる被害も受けましたが、それまでの研究の成果もあり切り抜けることができました。また1876年コネリアーノにワイン醸造学校が設立され、ヴェネトの土壌に合わせたブドウ品種を探求していく研究も本格的に始まりました。

20世紀

1923年に、ブドウ栽培とワイン醸造の実験所も開設し、良質なワインの醸造に関しる研究が続けられました。そのため90年代後半に世界的なイタリアワインブームが巻き起こった際に、いち早くヴェネト州のワインは品質が認められ輸出量が大幅に増加していきました。

現在、ワイン業はヴェネト州にとって欠かせないほど、中心的な役割を担っています。

ヴェネト地方で特に有名なワイン

ヴェネト州の有名なワインをご紹介します。ワイン初心者でも飲みやすい白ワインと言われるソアヴェ。酸味がほどよくフルーティな味わいが特徴です。

今ではイタリアのスパークリングを代表するプロセッコは、値段と品質のバランスがちょうどよく世界中でブームを巻き起こしています。食前酒にも、食事にも合わせやすいところも人気の理由です。

ソアーヴェ・クラッシコ(ボッラ)

1883年創業のボッラは、ヴェネト州の最も有名な由緒あるワイナリーのひとつです。1968年にソアーヴェがDOC認定を受けたときの指定地区だけが名乗ることができるソアーヴェ・クラッシコは、普通のソアーヴェよりもミネラル分が豊富な深い味わいです。

プロセッコ(ゾーニン)

1821年創業のゾーニン社は、ヴェネト州のワイナリーの中でも広大なワイン畑を所有する大企業です。現在でもゾーニン家の一族によって運営されていて、原料には必ず自社のブドウを使い、26人もの専門的な醸造家たちによって作りだされるワインは、値段と品質のバランスが良いと評判です。

2017年にDOCプロセッコで最優秀に輝きました。

アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ(マージ)

マージは1700年代の末に設立した老舗のワイナリーで、現在は160ヘクターものブドウ畑を有しています。ブドウ畑の約半分はヴァルポリチェッラ・クラッシコに使用しているほか、ソアーヴェやバルドリーノも作っています。

その中でもマージ社の名声を確固としているのはアマローネです。陰干ししたブドウを使って作られるアマローネは、どろっとした苦みのある複雑な深い独特の味わいです。

まとめ

日本ではヴェネト州のワインと言うと、あまりなじみがないかもしれませんが、ソアーヴェやヴァルポリチェッラなどの飲み口が爽やかなDOCワインは、早くから日本にも輸入されています。

ヴェネト州のワインは、飲みやすいうえに、値段もお手軽なので気軽に楽しめるワインが揃っています。

特にプロセッコは、キリっとした飲み口のスパークリングワインは、食事との相性も抜群でおすすめのワインです。ぜひ、気軽にお試しください。