ロンバルディア州のワインの特徴、当たり年や主なワイナリーまとめ

Good Wine 編集部by Good Wine 編集部

2018.07.09 公開 | 2018.07.09 更新

ロンバルディア(LOMBARDIA)州のワインについて

ロンバルディア州は、北イタリアの2大ワイン産地であるピエモンテ州とヴェネト州の間に位置しています。州都はデザインとモーダの中心の街、ミラノ(MILANO)です。

ロンバルディア州はイタリアで経済的に最も豊かな州で、ミラノはヨーロッパの重要なワイン市場の一つとして知られています。

イタリアのシャンパンとも称されるスパークリングワインであるフランチャコルタが、ロンバルディア州を代表するワインです。

ロンバルディア州のワインについて

2015年にミラノで開かれた食の万博では、イタリアワインの歴史やブドウに関する知識、ワイン醸造や文化について広く知ってもらうために、イタリアワインに特化したワインパヴィリオンが設置されました。1400本ものイタリアワインが試飲できるワイン図書館も人気を集めました。

また、レオナルド・ダ・ヴィンチは、「最後の晩餐」のフレスコ画がある教会近くに住みブドウの栽培もしていたことが判明し、現在、その家と再現されたブドウ畑が美術館としてオープンしました。館内にはビストロも併設され、ダヴィンチが育てていたマルヴァジーアのワインが飲めると評判です。

ここ数年のスパークリングワインの世界的な人気で、ロンバルディア州のフランチャコルタ、オルトレポー・パヴェーゼ・メソド・クラシコは、5年前に比べて約25%ほども生産量が増えています。

生産されているブドウ品種

DOCG,フランチャコルタは、シャンパンのようにフランスのブドウ品種シャルドネ、ピノ・ビアンコ、ピノ・ネーロを使って作られます。

一方、DOCG赤ワインのヴァルテッリーナは、ネッビオーロ種から作られますが、この地方ではキアヴェンナスカ種という昔からの名前で呼ばれます。

  • キアヴェンナスカ(赤)
  • バルベーラ(赤)
  • ランブルスコ(赤)
  • ピノネーロ(赤)
  • シャルドネ(白)
  • トレッビアーノ・ビアンコ(白)など

ロンバルディア地方のテロワールについて

ロンバルディア州は北側がスイスアルプスに連なっていて、ガルダ(GARDA)湖、マッジョーレ(MAGGIORE)湖、コモ(COMO)湖など、イタリア最大の3つの湖などのある美しい湖水地方があります。また、中央部にはポー(PO)川が流れるパダナ(PADANA)平野が広がっていて、水の豊かな地方です。

イタリア半島の中では、ピエモンテ州に次いで大きく、23,900K㎡の面積があり、そのうち平野が47%、山岳地が41%、丘陵地が12%を占めています。

ロンバルディア州の気候は、1日の寒暖差が激しく、夏は暑く冬は寒い大陸性の気候ですが、地域によってかなりバラつきがあります。州北部のアルプス山脈近くはかなり厳しい寒さですが、峡谷や湖水地方は比較的寒さは穏やかで、ブドウ栽培にも適しています。

白亜紀にアフリカ大陸がヨーロッパ大陸に衝突してできたアルプス山脈に近い北部は、かなり古い複雑な土壌です。フランチャコルタ地方は、最後の氷河期に作られた堆石によって作られた肥沃な土壌が特徴的なワインを生み出します。

ロンバルディア地方の格付けについて

ロンバルディア州は、イタリアのワインの最高格付けであるDOCGワインは、フランチャコルタをはじめとする5銘柄、次いでDOCワインが22、IGTが15と、全体的に多くはありませんが、ワインの製造量のほぼ90%がこれらの格付けワインで占められ、年々増加の傾向にあります。

ヴァルテッリーナワイン

DOCGのヴァルテッリーナ・スーペリオーレは、州最北端のヴァルテッリーナ(
VALTELLINA)地方の中の伝統的な地域で、ネッビオーロ種のブドウを90%以上から作られ、2年以上の熟成が決められています。

ヴァルテッリーナ・ロッソはDOCで、伝統的な5つの生産地で作られたものはソット・ゾーナとして表記ができます。3年以上熟成させたものは、DOCヴァルテッリーナ・リゼルヴァになります。

また、陰干ししたブドウを使った辛口の赤ワイン、スフォルツァート・ディ・ヴァルテッリーナはDOCGに認定されています

ロンバルディア州の主な産地

広い面積を誇るロンバルディア州の中で、主な生産地は、アルプスに面した州最北のヴァルテッリーナ地方。最南端のパヴィア(PAVIA)の南、オルトレポー・パヴェ―ゼ(OLTREPO PAVESE)が古くからの有名なロンバルディア地方の生産地です。

そして最東端のガルダ湖西側とブレシア(BRESCIA)近くのフランチャコルタ(FRANCIACORTA)と、ワインの産地が離れているため、それぞれの気候などに合わせた特徴的なワインが作られます。

  • ヴァルテッリーナ渓谷:アルプスのふもとの伝統的なワイン産地。
  • イゼオ(ISEO)湖の南側の丘陵地:DOCGフランチャコルタの生産地
  • ガルダ湖の西岸:DOCガルダやDOCルガーナなどの産地
  • パヴィアの南側:州の半分以上のワインを産するともいわれる代表的な産地。

ロンバルディアワインの生産量

ロンバルディア州は、2017年1,068ヘクトリットルの生産量で、イタリアワイン全体量のわずか約2.7%です。暑さのため前年より27%減少していて、過去10年間の平均でみても、約16%の減少でした。

輸出に関しては年々増加していて、2016年は258百万ユーロの売り上げがありました。輸出額は過去15年間で比べると、平均で約66.8%という驚異的な伸びを記録しています。特に、中国が8,686.5%もの増加で、次いで香港が1508.8%増、そしてスペインが722.6%増と続いています。

一方、日本もロンバルディア州からの輸入額も、前年比で11.6%も増加しています。ワイン大国としてイタリアのライバルともいえるフランスも、ロンバルディア州からの輸入額は、前年比で24.5%も増加しているほど、好調な伸びを見せています。

ロンバルディアワインの歴史

古代ローマ時代以前

ロンバルディア地方では、かなり古くからブドウが自生していて、紀元前7世紀ころに、エトルリア人などからワイン造りの方法が伝わったといわれています。古代ローマによって征服された後、ワインの技術が向上し、1世紀にはオルトレポー・パヴェ―ゼの良い評判を伝える記録が残っています。

4世紀にミラノが一時西ローマ帝国の首都になると、ワインの栽培も盛んになります。ロンバルディア最北端のヴァルテッリーナ渓谷でも、この時期にワインが作り始められました。

中世からルネッサンス

古代ローマの崩壊後、6世紀ころイタリア半島を制覇したロンゴバルド族は、パヴィアを首都としたロンゴバルド王国を成立させます。ロンバルディア州は、このロンゴバルド王国という名前にちなんだものです。

その後、教会によるブドウ栽培が盛んになり、まだ酸く保存が難しいワインでしたが、ワイン造りのルールも作られます。ロンバルディアは、中世からルネッサンス時代にかけて、ヴィスコンティ家やスフォルツァ家などの有力貴族のもとでワイン造りも発展します・

500年代の後半に、フランス軍によって征服されたロンバルディア地方は、フランスからワイン造りの技術がもたらされ、ロンバルディア地方のワイン造りの基礎が確立されます。

近代から現代

良質なワインを作るためのブドウの栽培法など、新しい方法が次々と試され、ワインの質は飛躍的に向上していきましたが、この地方も、フィロキセラによる甚大な被害を被ります。

現代では、フィロキセラからブドウを守る予防方法も研究を重ね、環境保護も視野に入れた高品質なブドウ造りが続けられています。

ロンバルディア地方で特に有名なワイン

ロンバルディアには、シャンパンと同じように作られるスパークリングワイン、フランチャコルタ、そして南部のパヴェ―ゼの近くにも、DOCGのオルトレポー・メソドクラシコと、ふたつのタイプがあります。

フランチャコルタ・アルマ・グランキュベ・ブリュット(ベッラビスタ)

1977年創業のベッラヴィスタは、フランチャコルタの生産者の中でも特に優秀なワイナリーとして知られています。今日では約200ヘクタールもの良質なワイン畑を所有していて、有機肥料でのみ栽培、手作業によって収穫を行います。

ベッラビスタはミラノ・スカラ座の公式なフランチャコルタということでも有名です。特におすすめのグランキュベは特別な時に飲んでみたいスパークリングワインです。

スフォルツァート・ディ・ヴァルテッリーナ(ニーノ・ネーグリ)

1897年に創業のニーノ・ネグリは、もともとヴァルテッリーナ地方の商人で、アルプス渓谷という独特な地で作られるヴァルテッリーナのワインの価値を広めた人物です。

選りすぐりのネッビオーロ種のブドウを、約3か月ほど陰干しして糖度を高めてから作るので、しっかりした力強い辛口の赤ワインです。ピエモンテのネッビオーロとは、また違う味わいが楽しめます。

オルトレポー・パヴェーゼ・メソドクラシコ「エクストラ」ピノ・ネーロ(イル・モントゥー)

シャンパンやフランチャコルタと同じ瓶内二次発酵で、ピノ・ネーロ種を主体として作られるスパークリングワイン。手ごろな値段で、果実味のしっかりした複雑な味わいの発泡ワインが楽しめます。スパークリングのロゼは、合わせる食事の幅が広いと、最近特に人気を集めています。

まとめ

モード、デザインをはじめイタリアの経済の中心地であるミラノには一流のレストランやエノテカも多く、イタリア国内外の高品質なワインが集まっています。そのため、ロンバルディア州でも、量よりも質にこだわったワイン造りに特化しています。

5つのDOCGワインのうち2つがスパークリングワインで、特にフランチャコルタは、シャンパンと肩を並べるほど質の高さが評価されているエレガントなワインです。

アルプスに近い斜面で作られるワインから、南のアペニン山脈に連なる丘陵地で作られるワインなど、自然豊かな地域ならではの個性的なワインが楽しめます。