ジュラワインの特徴、当たり年やおすすめワインまとめ

Good Wine 編集部by Good Wine 編集部

2018.08.03 公開 | 2018.09.11 更新

今回紹介するのは、フランス・ジュラ地方のワインについてです。

フランスの中でもかなり小規模なワイン産地であるため希少性が高く、日本ではなかなかお目にかかれません。

とはいえ、近年は世界的にジュラワインの注目度が上がっており、ワイン好きが注目するワイン産地となっています。

今回はそんなジュラワインについて詳しく知っていき、ワインの楽しみ方の幅を広げていきましょう。

ジュラワインについて

フランスのワイン産地であるボルドーやブルゴーニュよりも知名度や人気は劣るものの、オリジナリティや伝統性を感じられるジュラワイン。

日本への輸出量も決して多くはないため、あまり馴染みのないワイン産地かもしれません。

ジュラ地方はスイスとの国境付近に広がるワイン産地であり、豊かな山と高原を活かしたチーズづくりが有名です。

コンテは日本でも有名ですし、冬限定のモンドールはチーズ好きにはたまらない一品。

まずはじめはジュラワインの特性を掴むために、ブドウ品種やその土地の特徴、AOC制度などについて見ていきましょう。

生産されているブドウ品種

フランスワインといえば、メルローやカベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワールなどの赤ワイン用の品種、ソーヴィニヨン・ブランやシャルドネなどの白ワイン品種が有名です。

ボルドーやブルゴーニュなどの産地ではこれらのブドウを使うのが主流ですが、ジュラ地方ではその土地ならでは土着品種を使います。

以下にジュラワインに使われる代表的なブドウ品種をあげていきます。

  •  プルサール(赤)
  •  トルソー(赤)
  •  サヴァニャン(白)

これらにピノ・ノワールやシャルドネを混ぜることもあります。

ジュラ地方では白ワインと赤ワイン、ロゼワインに加えて「ヴァン・ジョーヌ」と「ヴァン・ド・パイユ」がつくられるのが特徴です。

ヴァン・ジョーヌは「黄色いワイン」を意味し、6年もの長期熟成を経て完成する白ワイン。

見た目に黄色みが強いですが、思ったよりも辛口でさっぱりとした味わいです。

ヴァン・ド・パイユは「麦わらのワイン」という名の通り、ブドウを藁の上で乾燥させて糖分を凝縮させてからワインをつくります。

濃い色合いが特徴的で、甘みが強い甘口のワインです。

ジュラ地方のテロワールについて

スイスとの国境付近に位置し、ジュラ山脈とアルプス山脈に囲まれた丘陵地帯であるジュラ地方。

きれいな湖や森、山々の間に広がる高原、清流など、自然豊かでダイナミックな景色が楽しめるため、トレッキングを楽しむ外国人も多いです。

内陸で山の麓に位置しているということで厳しい寒さをイメージするかもしれませんが、実は平均気温が11℃ほど。

半大陸性気候にあたるので夏は暑さが厳しくなることもありますが、標高が高いので寒暖差が激しく、ブドウの栽培に適しているのです。

ブルゴーニュ地方に近いことからも土壌が似ており、泥炭質や石灰質、粘土質の土を持っています。

植物や鉱物、海洋性の動物の死骸などを含む豊かな土壌なので、ミネラル感を持った個性的なワインが多いのが特徴です。

ブドウ畑の多くは急斜面につくられており、十分な日照時間を確保したり崖を利用して土を冷めにくくしたりすることで、うまくブドウを育てています。

ジュラ地方のAOC(格付け)について

シャトーごとに格付けされるボルドー地方、畑ごとに格付けされるブルゴーニュと違い、おおよそエリアごとに格付けされているのがジュラ地方の特徴です。

ジュラ地方には、以下のAOCがあります。

  •  アルボワ
  •  シャトー・シャロン
  •  レトワール
  •  コート・デュ・ジュラ
  •  クレマン・デュ・ジュラ

これらの産地では、白ワインと赤ワイン、ロゼワインに加えて先ほど紹介したヴァン・ジョーヌやヴァン・ド・パイユのほかに

マクヴァン・デュ・ジュラと呼ばれる、発酵前のブドウ果汁にマール酒を加えてつくるリキュールワインがあります。

ジュラ地方内の主な産地

ジュラ地方内には、AOCに関連するように4つの主な産地に分かれています。

● アルボワ・・・ジュラ地方の中でも最も生産量が多く、ジュラワインの中心地として有名、白ワインと赤ワイン、ロゼワインのほかヴァン・ド・パイユもつくる
● シャトー・シャロン・・・アルボワの南に位置し、5つの村に認められた格付け、白ワイン品種「サヴィニャン」の栽培がほぼ100%で、ヴァン・ジョーヌがメイン
● レトワール・・・ヴァン・ジョーヌとヴァン・ド・パイユを主に生産
● コート・デュ・ジュラ・・・白ワインと赤・ロゼの生産が半ずつほどの割合で生産されている

ジュラワインの生産量

ジュラワインはボルドーやブルゴーニュ、シャンパーニュに比べて知名度が低いのは、その生産量の少なさと希少さにあります。

ブルゴーニュワインが年間150万ヘクトリットル、ボルドーワインが590万ヘクトリットル以上生産されるのに対し、ジュラワインは年間およそ10万ヘクトリットル。

これでは日本に輸出されるジュラワインは極わずかで、日本であまり知られていないのも頷けます。

生産されるワインの内訳を以下にまとめました。

  •  白ワイン(ヴァン・ジョーヌとヴァン・ド・パイユ含む)・・・50%
  •  赤ワインとロゼ・・・25%
  •  発泡性ワイン・・・20%
  •  マクヴァン・・・4%

ジュラワインの歴史

ジュラ地方のワインがなぜブルゴーニュやボルドーほどの発展をしなかったかと言うと、19世紀に国中のワイン産地を襲ったフィロキセラ病が大きな理由のひとつです。

ジュラ地方でのブドウ栽培の歴史は長く、昔はかなりワイン造りが盛んでしたが、病気のせいで縮小せざるを得ない事態に。

ほかの地方ではなんとか復活したものの、秘境の地ともいわれるジュラ地方では、そこまで人手や技術がまわらなかったのかもしれません。

しかし、現在でもヴァン・ド・パイユやヴァン・ジョーヌのように伝統を守ったワイン造りが行われている一方、有機栽培などの新しい試みにもいち早く挑戦しています。

18世紀頃まではスティルワインはつくられていなかった?

ジュラ地方を代表するワイン生産者「ドメーヌ・ラベ」は、ジュラ地方ではじめてスティルワインをつくり始めたドメーヌとして知られています。

それまでは伝統的な手法でヴァン・ジョーヌやヴァン・ド・パイユばかりをつくっていましたが、テロワールを感じられるワインをつくるために

白ワインや赤ワイン、ロゼワインをつくり始めたのです。

それからはジュラ地方全体でスティルワインの生産量が大幅に増えました。

19世紀になるとテロワールを重視した有機栽培に

スティルワイン造りを通して、ジュラ地方の複雑性や多様性に富んだテロワールに魅了されたドメーヌ・ラベ4代目当主であるアラン・ラベ氏。

彼がワイナリーを継いだ1970年代では、農地で化学肥料や農薬を使うのが一般的でした。

しかし、そのような時代の流れにも関わらず、ラベ氏は農薬などの化学薬品を一切使わずにワイン造りを行ってきたのです。

近年のジュラワインは、ドメーヌ・ラベに関わらず無農薬や減農薬、ビオやオーガニックを謳っているワイン生産者が増えています。

自然派ワインへの関心が高まるにつれて、世界中でジュラワインが注目されているのです。

ジュラ地方で特に有名なワイン

ここでは、造り手が少なく希少性が高いジュラワインの中でも、とくに有名なワインを紹介します。

伝統ある造り手はもちろん、新たな試みに挑戦する注目度が高いドメーヌも紹介するので、チェックしておきましょう。

フランス5大ワインのひとつ「シャトー・シャロン」

ジュラ地方で一番有名なワインといったら、ヴァン・ジョーヌ「シャトー・シャロン」です。

ブルゴーニュのモンラッシェやボルドーのシャトー・ディケムと並ぶワインはサヴァニャンを使い、6年間熟成させてつくられます。

歴史ある造り手「ドメーヌ・ボー・ペール・エ・フィス」

ドメーヌ・ボー・ペール・エ・フィスがワイン造りをはじめたのは1742年。

先ほど紹介したシャトー・シャロンの畑も所有し、減農薬でテロワールを活かした環境に優しいワイン造りを行っています。

日本人生産者「ドメーヌ・デ・ミロワール」

日本のワイン好きから注目が集まっており、海外でも評価されつつあるドメーヌ・デ・ミロワールは、日本人の夫婦がジュラ地方でつくっているワインです。

除草剤や肥料などの化学製品は一切使わず、有機栽培とテロワールを大切にしたワイン造りを行っています。

まとめ

ジュラ地方はほかのフランス国内のワイン産地に比べてかなり小規模です。

ヴァン・ジョーヌやヴァン・ド・パイユなどの伝統を引き継ぎながらも、ジュラ地方全体で有機栽培や化学薬品を使わないワイン造りにこだわる動きも。

手間暇をかけてつくられるワインは生産量こそ少ないものの、秘境の地というイメージと相まって認知度と評価が高まりつつあります。

ジュラ地方のように、小さな地域だからこそできる味わいもあることでしょう。

日本ではまだまだ簡単に手に入らないジュラワインですが、見かけたときにはぜひ手にとってみてほしいものです。