コルス島(コルシカ島)ワインの特徴、当たり年やおすすめワインまとめ

Good Wine 編集部by Good Wine 編集部

2018.08.16 公開 | 2018.09.11 更新

今回紹介するのは、フランス・コルス島のワインについてです。

コルス島は地中海の西に浮かぶ小さな島で、イタリアのサルデーニャ島のすぐ北に位置しています。

フランス語の「コルス島」よりも、イタリア語の「コルシカ島」という呼び名の方が一般的かもしれませんね。

あまりワインというイメージはないかもしれませんが、製法にこだわった質の高いワインが数多く生産されています。

まずはコルスワインの特徴やテロワールなど、基本的な情報を知っていきましょう。

コルスワインについて

コルスワインのほとんどが島内で消費されているため、日本ではあまり流通しておらず、マイナーというイメージが強いかもしれません。

コルス島といえば「フランスの秘境」ともいわれ、フランス人はじめヨーロッパ人からは憧れのリゾート地として知られています。

ワインの産地としてはそこまで有名ではないだけに、観光や休暇として訪れたときに飲んだコルシカワインに感動し、魅了される人も多いのだとか。

最近ではコルスワインの造り手3人が来日し、コルシカワイン評議会が日本で初めての試飲会を開きました。

これを機に日本でもコルスワインが一般的になり、飲食店などで気軽に飲めるようになったらうれしいですね。

生産されているブドウ品種

コルス島では独自の品種が数多く栽培されており、ワイン好きにとっても珍しいブドウが多いです。

とはいっても、流通するワインに使われるブドウは限られており、およそ以下の品種に絞られます。

  •  スキアカレッロ
  •  ニエルキオ
  •  ヴェルメンティーノ

ニエルキオはイタリアで言うサンジョヴェーゼで、コルス島のブドウ栽培のおよそ30%以上を占める品種となっています。

コルス島のテロワールについて

広島県と同じくらいの面積を持つコルス島のほとんどは、山岳地帯です。

2,000m級の山々が連なり、豊かな水源がたくさんあります。

フランス本土よりも南にあり、日照時間は2,800時間を超えてフランスの中で一番。

地中海性気候の影響を受けており、夏はフランス一というわけではないものの十分に暑くなります。

秋から冬にかけて雨が多くなりますが、1年を通してみると特別に降水量が多いというわけではありません。

夏は最高で40℃近くにまで気温が上がりますが、湿度は低め。

海からの風が気温を調節するのに役立ち、冬でも平均最低気温は3℃程度と穏やかです。

ブドウ栽培に適した水はけのいい土壌は花崗岩や石灰岩がメインで、場所によっては粘土や砂が混じっており、しっかりとした骨格のあるワインに仕上がります。

コルス島のAOC(格付け)について

コルスワインの格付けは以下の4つに分かれています。

  •  アジャクシオ
  •  パトリモニオ
  •  ヴァン・ド・コルス
  •  ミュスカ・デュ・カップ・コルス

「アジャクシオ」では赤ワインの生産が大半を占めますが、白ワインやロゼワインも製造しています。

ニエルキオ誕生の地でもある「パトリモニオ」では、ニエルキオを90%以上使うことが定められているほど。

コルス島全土に点在する5つの村でつくられる「ヴァン・ド・コルス」では、赤ワインをメインに白やロゼも多く造られています。

ミュスカデを使った甘口ワイン「ミュスカ・デュ・カップ・コルス」は長期熟成にも向いており、品質が高いと評判です。

コルス島内の主な産地

コルスワインは島全体の海側にワイン産地が点在しており、大きく3つの産地に分かれます。

  •  パトリモニオ
  •  アジャクシオ
  •  ヴァン・ド・コルス

パトリモニオはコルス島の北東に位置し、主要都市のひとつである「バスティア」の近くにあるワイン産地です。

ナポレオンの出生地でもある「アジャクシオ」は観光地としても栄えており、主にシャッカレロを使用した赤ワインを造っています。

「ヴァン・ド・コルス」はコルス島のほぼ全域に点在しており、コルス島で最も大規模な産地です。

コルスワインの生産量

コルス島のワインは年間でおよそ37万ヘクトリットルです。

ロゼワインが生産量全体のおよそ60%を占めており、白ワインが30%、赤ワインが10%となっています。

世界中のロゼワインの多くが地中海で造られていますが、コルス島でもロゼワインの生産が盛んです。

ブドウ品種はニエルキオが35%、ヴェルメンティーノが18%、スキアカレッロが15%となっています。

コルスワインの歴史

ギリシャ人によってフランスにワイン造りが伝わり、1~2世紀にかけてフランス全土に広まりました。

その後ワインは「キリストの血」として宗教と深く結びつき、さらに発展していきます。

かつてはイタリア領だったコルス島では、フランス本土よりも早い段階でワイン造りが行われていたのです。

紀元前6世紀頃にギリシャからやってきたフォカイア人がブドウ栽培をはじめ、徐々にワイン製造が広まっていきました。

フィロキセラ病とワイン造りの拡大

13世紀から18世紀の後半までジェノバ領だったコルス島。

コルスワインは当時のイタリアでも評価されており、コルス島の大きな産業として発展していたことが分かります。

しかし、ジェノバの厳しい統治に耐えかねた島民は、幾度となく反乱を起こしていました。

そしてついに、1729年にコルシカ独立戦争が勃発。

最終的にコルス島は勝利を収めたフランス軍のものとなりましたが、現在でもたびたび民族主義運動が起こっています。

19世紀に起こったフィロキセラの流行は、フランス全土のワイン産地に大きなダメージを与えました。

コルス島も例外ではありませんでしたが、1960~1970年台にかけて移住者の手によってぶどう畑が再生されていきます。

これによって栽培面積が4倍に拡大しましたが、当時は大量生産を目的としており、品質やテロワールなどは二の次だったのです。

高品質なワイン造りがはじまる

フランス本土よりも古いワイン造りの歴史と、イタリアから影響を受けた独自のテロワールを持つコルスワイン。

1968年にはコルス島ではじめてのAOC「パトリモニオ」が格付けされました。

その後さらに品質と価値を高めようとする生産者が増えてきたのは、1980年に入ってからのことです。

現在ではビオディナミ製法や減農薬、無農薬などにこだわったワイン造りをする生産者も多く、フランス本土にはない個性的なワイン造りを行っています。

コルス島で特に有名なワイン

日本ではなかなかお目にかかれない貴重なコルスワインですが、通販などで買えるものをいくつか紹介します。

コルス島らしい個性が味わえるワインを選びましたので、見かけたときにはぜひチャレンジしてみてください。

ニエルキオ100% パトリモニオ

AOCに格付けされているパトリモニオは、ニエルキオを100%使ったワインです。

ニエルキオはサンジョベーゼと同一品種ですが、コルス島のテロワールを感じられます。

ワインの詳細を見る

ミュスカ・デュ・カップ・コルス

フランス国内でも入手困難だといわれ、海外でも高い評価を受けているコルス島の甘口白ワイン。

コルス島のワイン生産者には女性が多く「ドメーヌ・アントワーヌ・アレナ」はその中でもとくに知名度が高いです。

パトリモニオ クロ・サン・キリコ

コルス島ではロゼワインの生産が盛んで、クロ・サン・キリコは白ワインや赤ワインでも有名なブランドです。

甘口の白ワインはフランス国内の品評会で賞をとったこともあります。

まとめ

日本ではもちろん、海外でもまだまだ知名度が高くないコルス島のワインですが、近年はコルスワイン委員会や生産者が積極的にプロモーションを行っています。

現在ではオーガニックなどの自然農法にこだわる生産者も多く、昔に比べてコルスワインの品質は確実に高まりました。

ボルドーやブルゴーニュに比べれば生産量が少ないですが、これからはコルスワインを見かける機会は増えるでしょう。

チャンスがあれば、ぜひその貴重なワインを味わってみてください。