シャンパーニュの特徴、当たり年やおすすめワインまとめ

Good Wine 編集部by Good Wine 編集部

2018.07.19 公開 | 2018.09.11 更新

シャンパーニュ地方といえば、発泡性のワインを真っ先に思い浮かべるのではないでしょうか。

しかし、発泡性のワインであるシャンパーニュの歴史はとても浅いことや、非発泡性のワインもつくられていることなどは知っていますか?

シャンパーニュの印象が強いために、その歴史や背景、ほかのワインについては多く知られていません。

そこで今回は、シャンパーニュ地方でのワイン造りについて詳しく解説します。

シャンパーニュ地方のブドウやテロワール、ワイン造りがはじまった経緯、歴史の流れに乗って発展してきたシャンパーニュについて詳しく知っていきましょう。

シャンパーニュのワインについて

日本ではフランスほどワインが衆向けの飲み物として親しまれているわけではありませんが、シャンパーニュやスパークリングは特別。

泡のおかげで口当たりがよく祝いの席にもぴったりということで、ワインは飲まなくてもシャンパンやスパークリングなら飲むという人も少なくないでしょう。

発泡性のワインの需要が高まるなか、2016年にはシャンパーニュの世界総出荷額が5千億円を突破し、過去最高を記録しました。

和食とも合わせやすいため、日本でもシャンパーニュの輸入量が年々増え続けています。

これからさらに身近な存在になっていくシャンパーニュ地方のワインについて、詳しく知っていきましょう。

生産されているブドウ品種

ドン・ペリニヨンやヴーヴ・クリコなど、高級シャンパーニュの知名度もあってか、シャンパーニュ地方といえば発泡性ワインが真っ先に思い浮かびます。

発泡性ワインの生産が多く、名高いブランドがたくさんあるシャンパーニュ地方では、発泡性でない白ワインや赤ワイン、ロゼワインなどもつくられているのです。

シャンパーニュ地方でつくられるブドウ品種には、以下のようなものがあります。

  •  シャルドネ
  •  ピノ・ノワール
  •  ピノ・ムニエ

ほかにもいくつか栽培されているブドウがありますが、この3種類が栽培面積の90%以上を占めています。

この3種類のブドウはシャンパーニュに使うことを認められた、シャンパーニュ地方を代表するブドウ品種なのです。

シャンパーニュ地方のテロワールについて

先ほど紹介したようなブドウがつくられる背景には、シャンパーニュ地方ならではのテロワールが大きく関わってきます。

フランス・パリからほど近い北東に位置するシャンパーニュ地方は、フランスのワイン産地の中でも一番北にあります。

ブドウを育てるにはかなり厳しい条件ではありますが、気候や土壌に恵まれていることが大きな特徴です。

北に位置していることで寒い地域ではありますが、大西洋気候のおかげで1年を通しての気温差が低く、多すぎず少なすぎない雨量があります。

大陸性の気候はブドウが霜の影響を受ける危険性をもたらしますが、夏場にはしっかりと日の光を浴びせてくれるのです。

ボルドーやブルゴーニュに比べれば日照時間は短いですが、冷涼な気候で育ったブドウはシャンパーニュに繊細さや奥深さを与えています。

また、シャンパーニュ地方のブドウ産地はほとんどが石灰質です。

海の古代生物の死骸や化石が含まれており、水はけがいいながらもブドウの樹が育つのに十分な水分を保ちます。

かといって水っぽくなりすぎることはなく、糖や酸味などの特徴あるブドウが育つのです。

力強く根を伸ばすブドウの樹は地下層の栄養を汲み上げ、シャンパーニュにミネラルっぽさが加わります。

気候や土壌に加えて、起伏があるバラエティ豊かな地形もテロワールの大きな要素のひとつ。

南や東に向いた斜面をうまくつかってブドウを植えたため、短い日照時間でもブドウに十分な日光が当たるのです。

さらに、2,000万年前に形成されたという真っ白な石灰岩をメインとする地質が日光を反射し、ブドウの熟成を助けています。

ブドウ栽培の北限に位置しながらも、恵まれた土壌と気候、地形をもつシャンパーニュ地方だからこそワインづくりが盛んになったのです。

シャンパーニュ地方のAOC(格付け)について

シャンパーニュ地方の格付けはボルドーやブルゴーニュのそれとは少し違います。

クリュ単位で格付けされるブルゴーニュ、シャトー単位で格付けされるボルドーに対し、村単位で格付けされるのがシャンパーニュ地方の特徴です。

村の中にもたくさんの畑がありますが、最小の単位を「村」としているのがシャンパーニュ地方。

村それぞれに対してパーセンテージ(%)で格付けするのが特徴です。

  • 100%・・・グラン・クリュ(17村)
  • 99~100%・・・プルミエ・クリュ(44村)

シャンパーニュ地方の格付けは、大きく分けて3種類あります。

  •  シャンパーニュ
  • コトー・シャンプノワ
  •  ロゼ・デ・リセイ

1つ目のシャンパーニュは、その名の通りシャンパーニュだけで独立した格付けのこと。

2つ目のコトー・シャンプノワは非発泡ワインの格付けで、白ワイン・赤ワイン・ロゼワインがあります。

3つ目のロゼ・デ・リセイは南シャンパーニュ地方のレ・リセイ村周辺でつくられるピノ・ノワール100%のロゼワインの格付けです。

シャンパーニュ地方内の主な産地

シャンパーニュとスティルワインを含め、シャンパーニュ地方には大きく分けて5つの産地があります。

  • モンターニュ・ド・ランス
  • ヴァレ・ド・ラ・マルヌ
  • コート・デ・ブラン
  • コート・デ・セザンヌ
  • コート・デ・バール

中でも重要な産地は以下の3つ。

  • モンターニュ・ド・ランス
  • ヴァレ・ド・ラ・マルヌ
  • コート・デ・ブラン

品質的にも生産量的にも、シャンパーニュ地方の重要な産地となっています。

シャンパーニュワインの生産量

フランスのワインと言えばボルドーやブルゴーニュが有名ですが、フランス国内のワイン・蒸留酒のカテゴリでは売上第一位となっているシャンパーニュ。

輸出部門でもワイン・蒸留酒の中で第一位となっているほど、フランス経済に大きく貢献しているお酒です。

シャンパーニュだけに限っていえば年間3億本近くもの生産量があり、約半分が輸出されていきます。

栽培面積や生産量はボルドーやブルゴーニュに比べればかなり少ないにも関わらず、輸出額や消費額でいえばシャンパーニュの方が多いのです。

一方、スティルワインであるコトー・シャンプノワやロゼ・デ・リセイは日本にはほとんど入ってこないほどの生産量で、年間に数千から数万本程度だといわれています。

シャンパーニュワインの歴史

紀元前まで遡ることができるワインの歴史。

「発泡性のワインは偶然に生まれたものだ」と言われるシャンパーニュも、歴史的な出来事や時代背景があってこそ発展し、ひとつの文化として形成されてきました。

ここでは、シャンパーニュ地方でどのようにワインづくりが広まったのか、シャンパーニュが造られるようになった背景などについて、詳しくみていきましょう。

ローマ時代~シャンパーニュ地方の発展

ボルドーやブルゴーニュと同じく、シャンパーニュ地方にワインづくりが広まったのは古代ローマ時代から1世紀にかけてです。

ワインはキリスト教との関わりが深く、神聖なものとして修道士が管理・製造し、ミサに用いるために需要が高まりました。

898年~1825年まで、フランスの国王はシャンパーニュ地方のランスという都市の大聖堂で戴冠式を行うのが習わしだったのです。

この祝宴ではシャンパーニュ地方のワインが大量に消費され、高い品質と味わいでフランスの王家や宮廷で広く愛されるようになりました。

11世紀頃になると、シャンパーニュ地方では近隣の国の商人が集まる定期市が行われるようになります。

この大市によってシャンパーニュ地方のワインの消費が増え、地域全体が経済的に発展。

富を築いた資産家がワインづくりを更に発展させることになります。

発泡性ワインの誕生とドン・ペリニヨン

発泡性のワインがはじめて生まれたのは1600年代だとされており、それまではシャンパーニュ地方では赤ワインが主流でした。

そんなシャンパーニュ地方で発泡性ワインがつくられるきっかけとなり、シャンパーニュ製法という独自の技術を生み出したのは「ドン・ペリニヨン」という修道士です。

1690年にシャンパーニュを完成させ、今では「シャンパーニュの父」とも呼ばれるドン・ペリニヨン。

もともとは偶然の産物であるが故に荒々しく雑味ばかりだった発泡性ワインを改良し、泡のないワインを安定してつくることを目指していました。

現代と違って温度管理ができなかった当時は、意図せず発生したワインの泡は嫌われものだったのです。

その過程で、シャンパーニュ地方のワインではブルゴーニュの赤ワインには勝てないと思ったドン・ペリニヨンは、黒ブドウから白ワインをつくる技術とアッサンブラージュに着手。

しかし、当時はイギリスの上流階級で流行った発泡性ワインが輸入され、フランスの宮廷でも大流行していたのです。

その背景を受けて、ドン・ペリニヨンはガラス瓶の強化やコルクの改良を重ね、20年以上の歳月をかけて今のシャンパーニュの基礎を築き上げました。

18世紀にはシャンパーニュが大流行

ドン・ペリニヨンがつくるワインはとても評価が高く、コルクが飛び出す様子が評判になってフランスの宮廷で大流行します。

ルイ15世の愛人として有名なポンパドゥール夫人にいたっては、パーティーのたびに数百本ものシャンパーニュを注文していたほど。

18~19世紀

フランス革命の前後では、あのナポレオンもシャンパーニュを愛したといいます。

シャンパーニュ会社として世界的に有名なモエ・エ・シャンドンの三代目、ジャン・レミー・モエはナポレオンと親しく、シャンパーニュを世界に向けて発信した人物。

世界的に外交が深まっていくと同時に、シャンパーニュも欠かせないものとなりました。

その後、世界第一次大戦やフィロキセラによる大規模な被害など、シャンパーニュ地方も大きなダメージを受けます。

第二次世界大戦後には敵国にシャンパーニュが次々と没収されていく中、1927年にはじめてのAOCが制定されました。

苦難を乗り越えたシャンパーニュ地方のワインは、世界経済が発展するのに伴って輸出量も増え、一般にも親しまれるようになって現在に至ります。

シャンパーニュ地方で特に有名なワイン

ここでは、シャンパーニュ地方のワインを知る上で欠かせない有名なワインを紹介します。

シャンパーニュには高価なものが多いですが、チャンスがあれば一度は飲んでおきたい銘柄ばかりです。

モエ・エ・シャンドン社「ドン・ペリニヨン」

先ほども少し触れましたが、ドン・ペリニヨンはシャンパーニュ造りの基礎をつくった修道士の名前です。

彼の名前を取ったシャンパーニュは、世界一有名なシャンパーニュだといっても過言ではありません。

クリュッグ・グランド・キュヴェ

モエ・エ・シャンドンと並んで世界的に有名なシャンパーニュ・メゾンであるクリュッグ。

厳格なこだわりと品質の高さから「お金持ちなだけでなくワインを分かっている人が選ぶシャンパーニュ」だと言われています。

ヴーヴ・クリコ

日本でもよく知られるヴーヴ・クリコは、女性経営者によって世界的に評価されるようになりました。

「ヴーヴ」とは「未亡人」を意味しています。

未亡人であるクリコ夫人が各国の宮廷や貴族にシャンパンを広め、現在では英国皇室御用達のシャンパーニュとして有名です。

まとめ

シャンパーニュと聞けば真っ先に発泡性のワインが思い浮かびますが、その地方では非発泡性のスティルワインも製造され、高い評価を受けています。

冷涼な気候でブドウづくりには不向きなイメージがありますが、地形や豊かな土壌をうまく活かしてワインを生産してきました。

シャンパーニュという名前が世界的に広まったのは発泡性ワインの力が大きいですが、その歴史はわずか300年ほど。

紀元前から造られている白ワインや赤ワインに比べれば、まだまだその歴史は浅いです。

当時はそんな新しいワインが急激に流行し世界に広がっていったことからも、これからの発展が楽しみなワインのひとつ。

ほかの地方や生産地についても、歴史的な背景などを知ることでワインの楽しみ方の幅を広げていきましょう