ブルゴーニュワインの特徴、当たり年やおすすめワインまとめ

Good Wine 編集部Good Wine 編集部

2018.07.19 公開 | 2018.09.11 更新

フランスの有名なワイン産地である「ブルゴーニュ地方」のワインは、日本でも身近な存在ですよね。

しかし、産地やぶどう品種、歴史的な背景などまで知っている人は少ないのではないでしょうか?

ワインは知識を深めることで、楽しみ方や感じ方が何倍にも増えます。

今回はワインの楽しみ方の幅を広げるために、ブルゴーニュワインについて詳しく見ていきましょう。

ブルゴーニュワインについて

数々の高級ワインを生み出し続けるブルゴーニュ地方は、フランスの中央部よりやや東側に位置しています。

パリからTGV(高速列車)を使うと、2時間ほどでワインの産地であるブルゴーニュ地方の玄関口「ボーヌ」へ。

ブルゴーニュワインは日本だけでなく世界的にも有名で「ワインの王」とも呼ばれるほど、格式高く由緒あるワインなのです。

2017年にはボルドー地方で霜による深刻な被害があり、ブドウの生産量が半分にまで落ち込みました。

そのときはブルゴーニュ地方に大きな影響はありませんでしたが、その前年の2016年には春の霜によって大きな被害を受けています。

ブルゴーニュ地方では2012年から3年連続で雹(ひょう)の被害によってブドウの生産量がかなり落ち込みましたが、2016年の霜による被害はそれ以上の損害に。

ここ数年は過去に比べると生産量が減った年が多いため生産者には厳しい現状になっていますし、消費者にもワインの価格が上がるというダメージを与えています。

そんな状況が続くブルゴーニュ地方のワインについて、詳しく知っていきましょう。

生産されているブドウ品種

ブルゴーニュ地方では赤ワイン・白ワインともに世界的に評価されたワインが多く、品質が高いことで知られており、ひとつのブドウ品種のみを使ってワインをつくるのが特徴です。

ブルゴーニュ地方に並ぶワインの名産地「ボルドー地方」では、アッサンブラージュといっていくつかのブドウを混ぜてワインをつくります。

しかし、ブルゴーニュ地方では一種類のブドウしか使わないため、ブドウ品種の特徴をしっかりと味わえるのです。

ブルゴーニュ地方の代表的なブドウ品種といえば、以下のようなものが挙げられます。

【赤ワイン】
● ピノ・ノワール
● ガメイ

【白ワイン】
● シャルドネ
● アリゴテ

その土地に適したブドウを品質高く育てるのが特徴のブルゴーニュ地方では、赤ワインのピノ・ノワールと白ワインのシャルドネの2種類が生産量の80%を占めているほどです。

ブルゴーニュ地方のテロワールについて

ブルゴーニュ地方でつくられるブドウ品種がなぜピノ・ノワールとシャルドネに偏っているのかというと、土壌がそのブドウに最適だからです。

同じブルゴーニュ地方の中でも場所によって土壌や地下深くの地層によってブドウの樹が吸収する栄養が変わるので、同じ品種でも味に大きな差が出ます。

ブルゴーニュ地方はジュラ紀には海だったので石灰岩・泥灰岩・石灰粘土などが複雑に混じり合っており、ミネラルっぽさを感じるワインが多いです。

鉱物が多く混じった土地では地面が冷めにくいので、ブドウの熟成を助けてくれます。

大陸性の気候で冬は寒く夏は暑く、雨が比較的少ないので、ワインに適した条件が揃っているのもブルゴーニュがワイン生産に適した土地である理由のひとつです。

ブドウの栽培に恵まれた高低差のある地形

ブルゴーニュ地方のワイン畑に行ってみると、小高い丘一面にぶどう畑が広がっているのを見ることができます。

これは小高い丘を利用して日差しを浴びせて水はけをよくし、ブドウに適した栽培を行っているからです。

高低差がある場所では長い年月をかけて地形が変わる中、地面の表層が丘の上から下に向けて流れてしまい、低い土地の方が地表が厚くなっています。

地表が分厚いとぶどうの樹は根を深く伸ばす必要があり、栄養を吸収しにくくなるのです。

つまり、土地の表面が薄くぶどうの樹が地下深くの栄養を吸収できる高い土地の畑の方が、繊細でミネラル感が強いふくよかなワインができるということです。

このような理由から、ブルゴーニュ地方では高地の方が「いい畑である」「高級なワインができる」といわれています。

ブルゴーニュ地方のAOC(格付け)について

ブルゴーニュ地方の格付け(AOC)は以下の4つに分けられます。

  •  グラン・クリュ(特級畑)
  •  プルミエ・クリュ(一級畑)
  •  村名アペラシオン
  •  地域名アペラシオン

グラン・クリュはひとつの畑を細かく区切った「クリマ」の中でも最高峰といわれる格付けで、ラベルに「ロマネ・コンティ」「シャンベルタン」といった畑名が表示されます。

プルミエ・クリュもグラン・クリュと同じく「クリマ」が対象となっており、ラベルには「村名・プルミエ・クリュ・畑名」がつきます。

村名アペラシオンは村単位でつくったワインの格付けです。ラベルには「ジュヴレイ・シャンベルタン」などの村名をつけます。

地域名アペラシオンは大きな地域ごとの格付けで、ブルゴーニュ地方全体を指す場合とブルゴーニュ内のある地域を指す場合のどちらか。

「ブルゴーニュ」という地方名または「ボージョレー」「マコネ」といった地域の名前がラベルに表示されます。

ブルゴーニュ地方内の主な産地

フランスの2大ワイン産地のひとつであるブルゴーニュ地方は、フランス中央部の東側にあるソーヌ川沿いに栄えました。

北にはマスタードで有名なディジョン、南には食の都として発展したリヨンがあります。

この地域一帯からは少し外れますが、ボーヌの北西に位置する「シャブリ」もブルゴーニュ地方のうちのひとつ。

ブルゴーニュ地方には、北から順に以下の6つの地区があります。

  •  シャブリ:7つのグラン・クリュを持つ、白ワインで有名
  •  コート・ド・ニュイ:赤ワインがメインでクロ・ド・ヴージョ、ジュヴレイ・シャンベルタン、シャンボール・ミュジニー、白ワインのマルサネ
  •  コート・ド・ボーヌ:白ワインが多い、ピュリニー・モンラッシェ、サン・トーバン、シャサーニュ・モンラッシェ、ムルソーなど、ポマールやヴォルネイといった赤ワインも
  •  コート・シャロネーズ:赤ワインも白ワインもよくつくられる、メルキュレイやジヴリなどの赤ワイン、白ワインのモンタニーが有名
  •  マコネ:白ワインが多い、プイリ・フュイッセ、マコンなど
  •  ボージョレー:赤ワインが多い、サン・タムール、ムーラン・ナ・ヴァン、ブルイリなど

ブルゴーニュワインの生産量

フランスワインの2大産地のひとつであるブルゴーニュ地方では、年間およそ150万ヘクトリットルのワインが生産されています。

※1ヘクトリットルは100リットルのことで、ワインボトルに換算すると133本

ブルゴーニュでは年間に全世界のワイン生産量の0.4%に相当する1億800万本ものワインがつくられ、その半分近くが輸出されていくのです。

ボルドー地方では年間約7億本のワインを生産しており、輸出するのはその内の4割以下なので、大きな違いがありますね。

ブルゴーニュワインは白ワインの生産が6割、赤ワインとロゼやスペークリングが4割。

赤ワインのイメージがあるかもしれませんが、実は白ワインの生産量の方が多いのです。

グラン・クリュはその内のわずか1%ほどで、プルミエ・クリュと村名アペラシオンが約47%、地域名アペラシオンが約52%となっています。

ブルゴーニュワインのヴィンテージチャート

ブルゴーニュワインの歴史

フランスワインの有名な産地として栄えるブルゴーニュ地方において、歴史とワインの関わりはとても重要です。

テロワールなどの条件があったからこそワインづくりが盛んになったことはもちろんですが、ワインもその時代の出来事に影響されながら今に至っています。

ここではブルゴーニュワインの生い立ちと、その発展の歴史について見ていきましょう。

ローマ時代

ワインがつくられ始めたのは紀元前だという記録が残っており、エジプトやギリシャ、ローマを経てフランスに伝わりました。

312年に書かれたブルゴーニュのぶどう畑に関する文献によると、現在のマルセイユあたりに伝わったワインは1~2世紀の間にブルゴーニュ地方に広まったといいます。

11世紀

ブルゴーニュでのワイン生産が盛んになった背景には宗教や政治が大きく関わっています。

ローマ時代以降、ベネディクト派のクリュニー会とシトー会によってブルゴーニュ地方につくられた修道院の修道士によって、ワインづくりの基礎がつくられました。

岩だらけの荒れた土地を開墾し、今ではコート・ドールと呼ばれる土地をつくったのです。

15~18世紀(フランス革命)

フランス各地でワインづくりが盛んになった頃、イギリスの支配下にあったボルドーではワインをイギリスへ卸していました。

そこでブルゴーニュ地方ではパリへとワインを出荷し、独立したブルゴーニュ公国を治めていたブルゴーニュ公が大きな力をつけていきます。

14世紀末に病気によってピノ・ノワールが壊滅状態になると、病気や害虫に強いガメイを栽培するようになりましたが、ブルゴーニュ公はお気に召さないよう。

質の良いピノ・ノワールの伝統を守ろうとガメイの栽培を禁止し、植えてあった樹を引き抜かせたという話が有名ですね。

結果的にはガメイを禁止したことで、質が高くひとつの品種の特性を活かしたワインづくりをするというスタイルが発展していきます。

しばらくは成長を続けたブルゴーニュワインですが、15世紀にブルゴーニュ公国が戦争に負けたことでフランス王国に統合されると、ワインの力も衰えました。

しかし、フランスの貴族の間でブルゴーニュワインがもてはやされるようになり、ブルゴーニュワインの知名度はフランス全土に広まったのです。

その後のフランス革命によって富が細分化されるのに伴って、ブルゴーニュ地方のぶどう畑も細かく分けられることに。

それが今の「クリマ」や「クロ」であり、ネゴシアンやドメーヌの誕生につながりました。

19~20世紀

19世紀の後半には「フィロキセラ」という害虫によって、フランスのぶどう畑は壊滅的な被害を受けます。

歴史と伝統を守るために、これまでは禁止していた接ぎ木をせざるを得なくなったブルゴーニュ地方のぶどう畑ですが、この決断により現在もブルゴーニュワインがつくられ続けているのです。

その後、1936年にブルゴーニュワインのAOCが制定されました。

AOCは毎年のように改訂され、伝統と高い品質を守っています。

ブルゴーニュ地方で特に有名なワイン

ここでは知っておくべきブルゴーニュワインや、ブルゴーニュワインの中でも特に有名なワインを紹介します。

誰でも知っている「ロマネ・コンティ」

ワイン好きにとっては永遠の憧れであり、ワインを知らない人でも超高級という認識がある「ロマネ・コンティ」はブルゴーニュワインのひとつ。

最低でも1本100万円代、150万円や200万円以上するものも珍しくありません。

赤ワイン「ジュヴレイ・シャンベルタン」

「ブルゴーニュの王」とも呼ばれるくらい、ワイン好きのファンが多いです。

コート・ドールの中でも高地に畑があるので水はけがよく、日光をたっぷり浴びたブドウは男性らしく力強いワインを生み出します。

白ワイン「シャブリ」

辛口白ワインで有名なシャブリは、白ワインの中でも最高峰のひとつ。

ほどよい酸と独特の香り、ミネラル感や塩味といった土壌のよさをうまく反映したワインです。

まとめ

今回はブルゴーニュ地方のテロワールやAOCなどの特徴や歴史を見てきました。

ボルドー地方と並べられることが多いブルゴーニュですが、ボルドーよりも栽培面積も生産量も少ないので、品質を高めることでその価値を上げるという戦略を取ったことで今に至ります。

ブルゴーニュは歴史や政治に影響を受けつつも、伝統を守ってきたことで現在のような人気度や知名度を誇っているのです。

ワインの味を楽しむだけでなく、その歴史や背景について知ることで楽しみ方の幅が広がります。