西オーストラリアのワインの特徴、おすすめワインや当たり年まとめ

Good Wine 編集部by Good Wine 編集部

2018.06.29 公開 | 2018.07.02 更新

オセアニアでも有数の都市であるパース(Perth)を中心に広がる西オーストラリア州は、オーストラリアの国土の3分の1を占める広大な地域です。パースは世界一美しい街と言われています。

その近郊にあるペムバトン(Pemberton)やマンジマップ(Manjimup)では、良質なトリュフも取れ、オーストラリアのトリュフ収穫量の70%ほどが西オーストラリア州で収穫されています。

西オーストラリア州のワインについて

西オーストラリアのワイン産地は、マーガレット・リバー(Margaret River)のカベルネ・ソーヴィニヨンが世界的に有名で、高級ワインが多い地域です。

また、約80%のワイナリーが小規模のワイナリーで、オーストラリア全生産量の5%ほどしか生産していませんが、高品質の赤ワイン産地として評価を受けています。

生産されているブドウ品種

西オーストラリアは、比較的広い産地なので、幅広いブドウが栽培されています。

ボルドーに匹敵するとも評価されているマーガレット・リバーではボルドー系品種のカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローを。

また、北ローヌのようなスパイシーでドライなものから、果実味が豊かなシラーズやグルナッシュ、バルベーラやサンジョベーゼ、テンプラニーリョといったイタリアやスペインの固有品種も栽培されています。

しっかりとした酸を持つシャルドネや、はつらつとしたソーヴィニョン・ブランとセミヨン、またしっかりとしたシュナン・ブランなどが白ブドウでは栽培されています。

  • カベルネソーヴィニヨン
  • メルロー
  • シラーズ
  • グルナッシュ
  • バルベーラ
  • サンジョベーゼ
  • テンプラニーリョ
  • シャルドネ
  • ソーヴィニョンブラン
  • セミヨン
  • シュナンブラン

西オーストラリア州のテロワールについて

広い範囲に産地が点在しているこの地域では、多様な気候と土壌に恵まれています。

主な土壌は、ラテライトという粘土質や沖積土、砂利、砂質のローム層や花崗岩、片麻岩をベースにしています。水はけがよく、またいくつかの川に囲まれているため、灌漑の必要もありません。

気候は、地中海性気候や海洋性気候で、穏やかでドライな夏と、涼しく湿り気のある冬になっています。

平均降水量は1,200mmですが、夏場の12月から2月にはほとんど雨が降りません。

西オーストラリア州内の主な産地

西オーストラリアには、9つのワイン産地があります。それぞれの特徴を解説します。

Maegaret River(マーガレット・リバー)の特徴

ボルドー地方に似た気候であるマーガレット・リバーは、オーストラリアで最も西側に位置し、砂質ローム層が中心の土壌で、長い日照時間と少ない降水量によって、ブドウの生育を促してくれます。

カベルネ・ソーヴィニヨンとメルローのブレンドやソーヴィニョン・ブランとセミヨンのブレンドの爽やかでグラッシーな白ワインなど、上質なワインを生産しています。

Great Southern(グレート・サザン)の特徴

西オーストラリアでもっとも広いエリアなのが、グレート・サザンです。土壌は、花崗岩や片麻岩に砂質や砂利質のローム層が重なっています。そのため、水はけがいい土地です。

海洋性から内陸性までの気候があり、標高の高い場所では、涼しい気候になっています。

スッキリとしたリースリングや北部ローヌのようなスパイシーでドライなシラーズを生産しています。

Swan District(スワン・ディストリクト)の特徴

グレート・サザンで最初にブドウ栽培がはじまったスワン・ディストリクトは、地中海性気候で、栽培時期に降水量が少なく、暖かい地域です。

南西からの潮風が穏やかな気候にし、ブドウ栽培に適した土地です。

シュナン・ブランやセミヨンといった白ぶどうが有名な地域です。また、カベルネ・ソーヴィニヨンとメルローをブレンドした赤ワインも生産しています。

Blackwood Valley(ブラックウッド・ヴァレー)の特徴

また、比較的新しい産地であるブラックウッド・ヴァレーは、マーガレット・リバーと同じように砂利質のローム層や黄土といった水はけのよい土壌で、気候も海洋性気候の、冬は湿り気のある寒く、夏は暖かく乾燥しています。

マーガレット・リバーよりも内陸に位置しているため、夏はより高い気温になり、冬の霜も春まで続くことも多いです。

しっかりとしたカベルネ・ソーヴィニヨンやシラーズが生産されています。

Geographe(ジオグラフ)の特徴

インド洋に面するジオグラフは、海洋性気候気候でありながら、より北部に位置するため、より暖かい気候になっています。夏は乾燥していますが、冬の間は雨が多く、湿度も高い地域です。

ユーカリの生える海岸の砂地は、ユーカリ由来の石灰が含まれており、砂利質や砂質のローム層などの土壌です。

より力強く、果実味の豊かなカベルネ・ソーヴィニヨンやシラーズが生産されています。

Manjimup(マンジマップ)の特徴

2006年にG.I.を取得したマンジマップは、インド洋、南大洋からの海洋性気候と内陸性気候の影響を受けるため、冬は凍えるような寒さとなります。これにより、ブドウの樹はしっかりと休眠することができ、春の雨でよい発芽期を迎えることができます。

土壌は、砂質や砂利質のローム層です。

ボルドースタイルの赤ワインやエレガントで爽やかなシャルドネやベルデーリョを生産しています。

Perth Hills(パース・ヒルズ)の特徴

西オーストラリアの中心地パースから内陸に入ったところにあるパース・ヒルズ地域は、150m〜400mの標高にブドウが栽培されており、他の産地よりも15日ほど成熟が遅いです。

鉄鉱石や砂利質のローム層で、粘土質土壌でもあります。

テーブルワインとしてのカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロー、シャルドネなどが生産されています。

Pemberton(ペムバトン)の特徴

ピノ・ノワールの産地として有名なペムバトンは、ラテライトの砂利質や砂質ローム層の土壌と、カリーというオーストラリアの木の植わった肥沃な赤土があります。

近隣の産地よりも、冷涼で日照時間が短く、比較的湿度のある地域です。

Peel(ピール)の特徴

最後は、ピールで、地中海性気候で、雨が多く冷涼な冬と、暑く乾燥した夏が特徴です。

比較的古い花崗岩や砂利質の土壌で、しっかりと熟したブドウが収穫できます。

ミディアムボディのよく熟したタンニンが感じられるシラーズやカベルネ・ソーヴィニヨンやしっかりとしたシュナン・ブランなどが生産されています。

  •  Maegaret River(マーガレット・リバー):ボルドー系ワインの産地。
  •  Great Southern(グレート・サザン):リースリングやチャーミングなシラーズの産地。
  •  Swan District(スワン・ディストリクト):シュナン・ブランやセミヨンの名産地。
  •  Blackwood Valley(ブラックウッド・ヴァレー):ボリュームのあるカベルネ・ソーヴィニヨンやシラーズの産地。
  •  Geographe(ジオグラフ):力強く豊かな果実味のワインの産地。
  •  Manjimup(マンジマップ):ボルドースタイルの赤ワインの産地。
  •  Perth Hills(パース・ヒルズ):テーブルワインとしてのワインの産地。
  •  Pemberton(ペムバトン):エレガントなピノ・ノワールの産地。
  •  Peel(ピール):ミディアムボディの赤ワインの産地。

西オーストラリアワインの生産量

西オーストラリアには、13,225haの栽培面積があり、全体の9.7%です。

2016年には6000万リットルのワインが造られ、約5%の生産量でした。

20%がシャルドネ、16%カベルネ・ソーヴィニヨン、11%シラーズ、11%ソーヴィニヨン・ブラン・セミヨン、9%カベルネ・メルローとなっています。

西オーストラリアで、48%消費され、他のオーストラリアの地域で40%、そして、12%ほどが輸出されています。

2016年の輸出量は、720万リットル、輸出額は4200万ドルです。

輸出国1位は中国で約30%、その後イギリス、アメリカ、シンガポール、香港と続きます。

 

西オーストラリアワインのヴィンテージチャート

ヴィンテージチャート (赤ワイン)

年号 評価 年号 評価
2000 ★☆ 2010 ★★☆
2001 ★★☆ 2011 ★☆
2002 ★★ 2012 ★★
2003 ★★ 2013 ★★
2004 ★★ 2014 ★★☆
2005 ★★ 2015 ★★☆
2006 ★★ 2016 ★★
2007 ★★ 2017 ★☆
2008 ★☆ 2018 NT
2009 ★★

ヴィンテージチャート (白ワイン)

年号 評価 年号 評価
2000 ★★ 2010 ★★☆
2001 ★★☆ 2011 ★★
2002 ★★☆ 2012 ★☆
2003 ★★ 2013 ★★☆
2004 ★★ 2014 ★★
2005 ★☆ 2015 ★★☆
2006 ★★☆ 2016 ★★☆
2007 ★★☆ 2017 ★★☆
2008 ★☆ 2018 NT
2009 ★★
上記ヴィンテージチャートは当サイトが独自に算出したものです。評価は5段階で記載。「★=1」「☆=0.5」で、最高評価は「★★★」となります。ヴィンテージチャートの無断転載は固くお断り致します。

西オーストラリアワインの歴史

西オーストラリアのワイン産業は、今から200年ほど前、イギリス人移住者がSwan River周辺にブドウの樹を植えたのが始まりでした。

300本ほどの苗木がハミルトン・ヒル(Hamilton Hill)やマウント・エリザ(Mt Eliza)で順調に成長を始めると、15年もしないうちに、Swan Valley全体で栽培が開始し、1834年に西オーストラリア産のワインが初めて生産されたのです。

1895年までに、Swan ValleyやToodyay(トゥーディイー)、ヨーク(York)といった周辺地区にワイン醸造所が出来ていきます。未だ消費者はほとんどおらず、240haほどしかブドウを植えていないにもかかわらずです。

西オーストラリア州のゴールドラッシュの影響により、人口は急増、20年ほどで、ワイン生産量は4倍に増えました。

しかし、1930年代まではフォーティファイド・ワインやポートワイン、シェリー酒などのアルコール度数が高いものが好まれ、ドライなテーブルワインはほとんど生産されていませんでした。

1950年代に、生産者は、ファインワインの生産に目を向けはじめ、さらに南の産地、マーガレット・リバーやマンジマップといったより冷涼な地域でのブドウ栽培が始まりました。

ここから、西オーストラリアの世界的にも熱視線が注がれているプレミアムなワイン産業が始まっていきました。

 

西オーストラリア州で特に有名なワイン

Leeuwin Estate Prelude Vineyards Cabernet Merlot2012

アメリカのロバート・モンダヴィと組み、マーガレット・リバーに立ち上げられたワイナリーであるルーウィン・エステート(Leeuwin Estate)は、ワインをアートとして捉えている生産者です。
きめ細かいタンニンと酸が心地よいワインです。

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Forest Hill Vineyard Block1 Riesling 2013

グレート・サザンで古い歴史をもつフォレスト・ヒル(Forest Hill)は、50年を超える古樹からのリースリングを生産しています。

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Plantagenet Shiraz 2007

グレート・サザンで家族経営で運営しているPlantagenetのシラーズは、大人気のワインです。
濃縮したチェリーやプラムのような香りと力強い果実味を感じられる一本です。

※現在在庫切れです

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まとめ

西オーストラリアのワインは、アルコール度数が高くなく、全体的に穏やかなものが多いです。

これまで、マーガレット・リバーの名前が突出していた西オーストラリアですが、今後周りのワイン産地もさらに注目を集めていくことが予想されています。

スワン・ディストリクトやグレート・サザンのワインは年々品質が上がってきています。

世界一美しいとされる街パースを観光しながら、西オーストラリアのワインを楽しんでみてもいいかもしれません。