ヴィクトリア州のワインの特徴、おすすめワインの銘柄や当たり年まとめ

Good Wine 編集部by Good Wine 編集部

2018.06.29 公開 | 2018.07.02 更新

「世界一住みやすい街」と称されるメルボルンを中心に広がるヴィクトリア州には、850を超えるワイナリーがあり、そのうちの650軒はセラードアを行っています。

これらの大半は小規模ワイナリーで、量よりも質を追求しているワイナリーがほとんどです。

また、650軒ものセラードアがあることは、メルボルンのカフェ文化や食文化に多大なる影響を与えています。

ヴィクトリア州のワインについて

オーストラリアで2番目に小さなワイン産地であるヴィクトリア州は、過去にはオーストラリアで一番の生産量を誇る地域でもありました。

近年では、RDVがヴィクトリア州のワイン産業の発展を促すため94のプロジェクトが進行し、それぞれが資金調達することに成功しています。

新興ワイン産地も続々と誕生しているヴィクトリア州のワイン産業について見ていきたいと思います。

生産されているブドウ品種

オーストラリアで比較的冷涼な気候のヴィクトリア州では、ピノ・ノワールの栽培面積が他の地域よりも広く、オーストラリアで最高級のピノ・ノワールが生産されています。

シラーズやカベルネ・ソーヴィニヨンも、同様に重要なブドウ品種となっていますが、よりスパイシーで風味が豊かなワインに仕上がります。

冷涼な地域では、シャルドネやグレラを使ったスパークリングワインの生産も行っており、品質の高いワインができています。

また、フォーティファイド・ワインやデザートワインでも有名な地域で、品質の高いマスカットやピノグリージョが栽培されています。

  •  ピノ・ノワール
  •  シラーズ
  •  カベルネ・ソーヴィニヨン
  •  シャルドネ
  •  グレラ
  •  マスカット
  •  ピノグリージョ

ヴィクトリア州のテロワールについて

ヴィクトリア州は、比較的小さな産地ですが、ブドウ栽培およびワイン産業において重要な地域でもあります。

大半が地中海性気候で、冷涼な地域です。ヴィクトリア州の北部は南オーストラリア州の気候とも似ていて、暖かく乾燥した地域です。

南部はタスマニアとの間のバス海峡やメルボルン近郊のポート・フィリップ湾の影響により、ブドウ畑を冷やしてくれる冷涼な潮風が吹きつけます。

また、マセドンレンジズやジップスランドといった内陸の地域は、より冷涼でピノ・ノワールやスパークリングワイン用のブドウを栽培するのに適しています。

またヴィクトリア州は世界でももっとも古い土壌が存在している地域でもあります。

表土は、砂質ロームや粘土質ロームが中心で酸度があり、水はけの良い土地です。

比較的新しい土壌だと、火山質ものが散見されます。

ヴィクトリア州内の主な産地

ヴィクトリア州には、大きく分けて6つの産地があります。それぞれについてご紹介します。

メルボルン(Melbourne)地域の特徴

ヴィクトリア州の州都メルボルンからほど近いこの地域は、ヤラ・ヴァレーやジロングなどヴィクトリアを代表する産地が集まっています。

冷涼な地域で長く乾燥した秋が訪れるため、甘みのある果実味豊かなワインが生産されています。

急斜面と山の尾根に遮られたこの地域は、粘土質のローム層が表土を覆っており、その下に石灰岩質や沖積土、花崗岩質砂ローム土壌が広がっている地域です。

成長期の降水量は平均して500mmほどです。

オーストラリアでも最高級のピノ・ノワールやシャルドネが生産されています。

ノース・イースト・ヴィクトリア(North East Victoria)の特徴

標高差の大きい地域であるノース・イースト・ヴィクトリア地区では、暖かい大陸性気候で、秋の訪れは早く乾燥しています。

土壌は、ベースに粘土質があり、赤ロームや砂岩、砂利質、花崗岩質や火山質の土壌があります。

複雑さを備えたふくよかさのある長期熟成型の赤ワインやフォーティファイド・ワインが多く生産されている地域です。

また、標高の高い地区では、エレガントでアロマティックなワインが生産されています。

セントラル・ヴィクトリア(Central Victoria)の特徴

メルボルンの北、ヴィクトリア州の中央に位置するセントラル・ヴィクトリアは、地中海性気候で、暖かく乾燥した夏と湿った穏やかな冬が訪れる地域です。

土壌は、酸性の粘土質が主で、石英の交じった砂利質や沖積土、ナトリウム石灰など様々な物質が含まれています。

北部は、より暖かく乾燥しているため、シラーズやカベルネ・ソーヴィニヨンからのふくよかで重たい赤ワインが生産されています。

南部のより冷涼な地域では、ピノ・ノワールやリースリングといったアロマティックな品種が栽培されています。

ウェスターン・ヴィクトリア(Western Victoria)の特徴

ゴールドラッシュで栄えたウェスターン・ヴィクトリアは、地中海性気候で、湿度も高くない地域です。

酸性の砂質ローム層や砂岩層が表土を覆い、石灰やセメント、玄武岩や粘土質黄土などの土壌で構成されています。

また、新しい地区では火山質粘土層やテラロッサ土壌などの上にブドウが栽培されています。

スパイシーで風味が豊かなカベルネ・ソーヴィニヨンやシラーズが生産されています。

サウス・イースト・ヴィクトリア(South East Victoria)の特徴

1970年代に栽培が始まった比較的新しいこの地区では、バス海峡によって冷涼な気候を楽しむことができます。

黒土ローム層や黄土粘土質、赤土の粘土質などの土壌に恵まれており、その気候とあいまって、オーストラリアで最高峰のピノ・ノワールやシャルドネを生産されています。

ノース・ウエスト・ヴィクトリア(North West Victoria)の特徴

地中海性気候のこの地区は、マレー川が土壌に良い栄養分を提供しています。

土壌は、アルカリ性の石灰土を表土に、海砂や粘土質、ローム層などが重なっています。

この地域のワインの多くは、バルクワインとして生産されています。

  •  メルボルン(Melbourne):甘みのある果実味豊かなピノ・ノワールやシャルドネの産地。
  •  ノース・イースト・ヴィクトリア(North East Victoria):長期熟成型の赤ワインやフォーティファイド・ワインの産地。
  •  セントラル・ヴィクトリア(Central Victoria):ふくよかで重たい赤ワインから軽やかな赤や白まで生産している地域。
  •  ウェスターン・ヴィクトリア(Western Victoria):スパイシーで風味が豊かなカベルネ・ソーヴィニヨンやシラーズの産地。
  •  サウス・イースト・ヴィクトリア(South East Victoria):ピノ・ノワールやシャルドネの産地。
  •  ノース・ウエスト・ヴィクトリア(North West Victoria):バルクワインの産地。

ヴィクトリアワインの生産量

ヴィクトリア州は、23,088haの栽培面積を持ち、全体の17%ほどです。

2016年には、約32万トンのブドウが収穫され、2億2300万リットルのワインが生産されました。これは、オーストラリア全体の17%の割合です。

ブドウ品種別に見ると、シラーズが20%、ピノ・ノワールが17%、シャルドネが13%となっています。

生産量の約60%は輸出されており、1億3500万リットルが2016年には輸出されました。輸出額は2億9700万$です。

輸出国は、第1位が中国で、その後イギリス、香港、アメリカとなっています。

ヴィクトリアワインのヴィンテージチャート

ヴィンテージチャート (赤ワイン)

年号 評価 年号 評価
1987 ★★ 2003 ★★
1988 ★★☆ 2004 ★★☆
1989 ★☆ 2005 ★★☆
1990 ★★☆ 2006 ★★☆
1991 ★★☆ 2007 ★★
1992 ★★☆ 2008 ★★☆
1993 ★★ 2009 ★★
1994 ★★☆ 2010 ★★☆
1995 ★★ 2011 ★☆
1996 ★★☆ 2012 ★★☆
1997 ★★☆ 2013 ★★☆
1998 ★★☆ 2014 ★★
1999 ★★ 2015 ★★☆
2000 ★★☆ 2016 ★★
2001 ★★ 2017 NT
2002 ★★ 2018 NT

ヴィンテージチャート (白ワイン)

年号 評価 年号 評価
1987 ★★ 2003 ★★
1988 ★★☆ 2004 ★★☆
1989 ★★ 2005 ★★☆
1990 ★★ 2006 ★★☆
1991 ★★ 2007 ★★
1992 ★★☆ 2008 ★★
1993 ★★ 2009 ★★
1994 ★★ 2010 ★★☆
1995 ★★ 2011 ★★
1996 ★★☆ 2012 ★★☆
1997 ★★ 2013 ★★☆
1998 ★★ 2014 ★★
1999 ★★ 2015 ★★☆
2000 ★★ 2016 ★★☆
2001 ★★ 2017 NT
2002 ★★ 2018 NT

 

上記ヴィンテージチャートは当サイトが独自に算出したものです。評価は5段階で記載。「★=1」「☆=0.5」で、最高評価は「★★★」となります。ヴィンテージチャートの無断転載は固くお断り致します。

ヴィクトリアワインの歴史

ヴィクトリア州にブドウ栽培が伝わってきたのは、1830年代のことです。移住者としてヨーロッパ、とりわけイギリスからやってきたひとたちが移り住んだ土地にブドウを植えました。

1850年には、65haのブドウ畑が存在していましたが、その数年後に起こったゴールドラッシュによって、ワイン生産はしばらくの間停滞してしまいます。

同時に、1840年から70年ころまでのヴィクトリア州のワインは、高品質でよく手入れをされたブドウを収穫できていました。

当時のワインは、軽やかで爽やかな洗練されたものでした。

しかし、1877年にヴィクトリア州でフィロキセラが発見されたこと、また需要がより重厚なものへとシフトしたことがきっかけで、ヴィクトリア州のワイン産業は停滞を余儀なくされました。

ヴィクトリア州で特に有名なワイン

小規模ワイナリーが多く、家族経営のワイナリーも多いヴィクトリア州の有名なワイナリーをご紹介します。

Ocean Eight Pinot Noir 2013

新しいワイナリーであるオーシャンエイトは、旧世界的な造りをするワイナリーです。今や珍しくなった旧世界的なピノ・ノワール。

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Tahbilk Marsanne 2017

オーストラリアで最古のワイナリーの一つであるタービルクの世界でも珍しいマルサンヌ100%のワイン。

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Mount Mary Yarra Valley Chardonnay 2010

カルト的人気を誇るマウントメアリーの代表的なシャルドネです。

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まとめ

年々、世界から注目を集めているオーストラリアの中でも、成長率の大きいヴィクトリア州のワイン産業は、量よりも質を求め、低収量で品質の良いブドウを収穫することに力を注ぐ生産者が多い地域です。

メルボルンという観光客の多い都市からも近く、650ものワイナリーを楽しむことができるこの地域では、それぞれ品質の高いオーストラリアを代表するピノ・ノワールやシラーズ、シャルドネ、またイタリア系品種やマルサンヌ単一のワインなど多様なブドウ品種やワインのスタイルを楽しめることも大きな魅力です。

2014年からは、世界のワインを集めてのワインイベント、ヴィクトリア・インターナショナル・ワイン・フェスティバル(http://vicwf.com/about-us/)が始まり、より高品質のワインを楽しむ人が増えてきたことが伺えます。

世界でもこれほど多様性のあるワイン産地も珍しいので、現地で楽しんでみるのもいいかもしれません。