南オーストラリアのワインの特徴、おすすめワインの銘柄や当たり年まとめ

Good Wine 編集部by Good Wine 編集部

2018.06.29 公開 | 2018.07.02 更新

オーストラリアのワイン産業における首都である南オーストラリア州のアデレード(Adelaide)は、フランスのボルドーやアメリカ・ナパバレーと並び、Great Wine Capitalsという世界を代表する9つのワイン産地に選ばれています。

ワイン産地は南オーストラリア州の南部に集中しており、オーストラリア全体の約半数のワインを生産しています。

また、オーストラリアの輸出量の20〜30%は南オーストラリア州のワインで、輸出に力を入れている地域でもあります。

南オーストラリア州のワインについて

2016年12月後半には南オーストラリア州を中心に集中豪雨が発生し、平年の約4倍もの降水量がありました。

また、アデレード周辺には、200を超えるワイナリーがセラードアを行っており、気軽に様々なワイナリーのワインを試飲することができ、2018年にはペンフォールズ(Penfolds)のセラードアが高く評価されています。

近年の南オーストラリア州のシラーズは、よりエレガントなスタイルのワイン造りへとシフトしており、同時にオーガニック生産に力を入れる生産者が多い地域です。

生産されているブドウ品種

オーストラリア最大の栽培面積を持つ南オーストラリア州では、約63.6%が黒ブドウ品種を栽培しています。

黒ブドウの50%は、オーストラリアを代表するブドウであるシラーズで、特にバロッサ・ヴァレー(Barossa Valley)はシラーズの首都とも言われ、シルクのようなタンニンとしっかりとした酸を持つ最高級のワインが生産されています。

全体として、ボルドーに近い気候を持つと言われている南オーストラリア州では、ボルドー系品種の栽培も活発で、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローを合わせて全体の40%ほど生産されています。とりわけ、クナワラ(Coonawarra)のカベルネ・ソーヴィニヨンは、オーストラリアを代表する銘醸地とされています。

また、少数ではありますが、ピノ・ノワールやグルナッシュ、マルベックやテンプラニーリョといった黒ブドウが栽培されています。

白ブドウでは、約48%の生産量がシャルドネで、アデレード・ヒルズ(Adelaide Hills)の高品質のワインが有名です。

また、イーデン・ヴァレー(Eden Valley)やクレア・ヴァレー(Clare Valley)のリースリングは、世界でもトップクラスの品質を誇ります。

ソーヴィニヨン・ブランやセミヨン、ピノ・グリやアロマティック品種も栽培されています。

  •  シラーズ
  •  メルロー
  •  カベルネ・ソーヴィニヨン
  •  グルナッシュ
  •  ピノ・ノワール
  •  マルベック
  •  テンプラニーリョ
  •  シャルドネ
  •  リースリング
  •  ソーヴィニョン・ブラン
  •  セミヨン
  •  ピノ・グリ

南オーストラリア州のテロワールについて

南オーストラリア州は、全体として雨が少ない地域で、冬から春にかけて雨が降ることが多いです。そのため、湿度は比較的低く、カビなどによる被害も少ないです。また、雨が少ないので灌漑の必要があります。

主な土壌は、クナワラの有名な赤い粘土質と石灰岩質の土壌であるテラロッサや、アデレードやリバーランド(Riverland)の石灰岩や粘土質と石灰質の土壌、またバロッサの砂質や粘土質のローム土壌と多様です。

また、地中海性気候や海洋性気候、大陸性気候などの多様な気候で、内陸部のリバーランドなどは夏が暑く、海沿いの産地であるマクラーレン・ベール(MacLaren Vale)やクナワラなどは、より冷涼な地域となっています。

また、標高も様々で、バロッサやリバーランド周辺の100〜450mやイーデン・ヴァレーの600mほどの高さまであります。

年平均降水量は、500〜1000mmで、日照時間は2500時間ほどになっています。

南オーストラリア州内の主な産地

南オーストラリア州は、大きく6つの地域に分けることが出来ます。それぞれについてご紹介します。

バロッサ(Barossa)地域の特徴

まずは、バロッサ・ヴァレーやイーデン・ヴァレーといった世界的に注目される産地があるバロッサ地域。この地域のワインは、世界のワインコンクールなどで最も賞を受けています。

バロッサ・ヴァレーのある西側は、標高も低く、夏はかなり暑くなる地域で内陸性気候の影響を受けます。また、イーデン・ヴァレーのある東側は、海に近く標高も高いため、より冷涼で地中海性気候の影響があります。

土壌は、赤茶色の粘土質や砂質や沖積土などを中心に形成されています。

これらにより、酸がしっかりとあるブドウが収穫できています。

フルールー(Fleurieu)の特徴

ビーチからほど近く、食やワインの文化や芸術の地であるマクラーレン・ベールやカンガルー・アイランド(Kangaroo Island)など5つのG.I.があるのがフルール地域です。

全体として、地中海性気候の影響を受けており、土壌はアルカリ性の砂質やローム質、粘土質などが石灰岩を覆っています。

濃厚な風味と色合いの赤ワインと力強い白ワインを生産しています。

ライムストーン・コースト(Limestone Coast)の特徴

テラロッサと呼ばれる赤い粘土質と石灰岩質の土壌が広がるクナワラを中心に広がるライムストーン・コーストは、南オーストラリア州の南東に位置しています。

基本的には、海洋性気候の影響を受けますが、内陸部に位置する産地では内陸性気候もあります。

標高10mから150mまでの高さに産地が位置しており、潮風の影響を受け、成熟期が長くなります。これにより、酸を保ちながら、フェノール類などがしっかりとブドウに乗ってきます。

土壌は、地域名にもなっているライムストーン(石灰岩)を中心に、赤い粘土質のテラロッサなどが点在しています。石灰岩は、水はけがよく、栄養分となる有機物が豊富です。

ロウアー・マレー(Lower Murray)の特徴

南オーストラリア州でもっとも生産量の多いリバーランドがあるロウアー・マレーは、内陸性気候で暑く乾燥した成長期を迎えます。

標高も25mあたりに産地があり、10月から4月までの降水量が平均135mmほどでほとんどないため、病害による影響がほとんどありません。

土壌は粘土質の上に、砂質の堆積土が重なったものです。

果実味が豊かでフレッシュなシャルドネや、しっかりと果実味が引き出されたシラーズやカベルネ・ソーヴィニヨン、メルローが生産されています。

マウント・ロフティ・レンジズ(Mount Lofty Ranges)の特徴

州都アデレードからほど近いマウント・ロフティ・レンジズには、アデレード・ヒルズやクレア・ヴァレー、アデレード・プレインズといった産地があります。

標高が400mから650mと比較的高く、冷涼な気候なので、他の産地よりもエレガントで高品質なワインの産地です。

ピノ・ノワールやソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネなどの品質が高く、またスパークリングワインの産地としても有名な地域です。

ファー・ノース(Far North)の特徴

南オーストラリア州の他の地域よりも北部にあるファー・ノースでは、プレミアムなシラーズが生産されていることで有名です。

この地域は、標高差が大きく、海沿いの20mから720mほどの高さまで産地があります。

冷涼な気候で降水量が少ないため、収量が少なく品質の高いぶどうが収穫されます。

  •  バロッサ(Barossa):世界から注目されるワインの産地。
  •  フルールー(Fleurieu):力強く濃厚なワインの産地。
  •  ライムストーン・コースト(Limestone Coast):カベルネ・ソーヴィニヨンの銘醸地。
  •  ロウアー・マレー(Lower Murray):果実味の豊かなワインの産地。
  •  マウント・ロフティ・レンジズ(Mount Lofty Ranges):ピノ・ノワールやスパークリングワインの産地。
  •  ファー・ノース(Far North):プレミアムなシラーズの産地。

南オーストラリアワインの生産量

南オーストラリア州には、約76,000haの栽培面積があり、そこで86万3789トンのブドウが2017年に収穫されています。

そこから、6億2184万リットルのワインが生産されました。全生産量の約51%の割合を占めています。

ぶどう品種別に見ると、33%でシラーズ、22%がカベルネ・ソーヴィニヨン、13%はシャルドネとなっています。

南オーストラリア州は、輸出に力を入れており、全生産量の84%を輸出しており、輸出額は14億7000万AU$です。

輸出国1位の中国は、前年比で36%増えています。その後、イギリス、アメリカ、カナダと続いています。

南オーストラリアワインのヴィンテージチャート

ヴィンテージチャート (赤ワイン)

年号 評価 年号 評価
1987 ★★ 2003 ★★☆
1988 ★★ 2004 ★★
1989 ★★ 2005 ★★
1990 ★★ 2006 ★★☆
1991 ★★☆ 2007 ★★
1992 ★★ 2008 ★☆
1993 ★★☆ 2009 ★★☆
1994 ★★ 2010 ★★☆
1995 ★★ 2011 ★★☆
1996 ★★ 2012 ★☆
1997 ★★ 2013 ★★☆
1998 ★★☆ 2014 ★★☆
1999 ★★ 2015 ★★
2000 ★★ 2016 ★★☆
2001 ★★ 2017 NT
2002 ★★☆ 2018 NT

ヴィンテージチャート (白ワイン)

年号 評価 年号 評価
1987 ★★☆ 2003 ★★
1988 ★★ 2004 ★★☆
1989 ★★☆ 2005 ★★☆
1990 ★★☆ 2006 ★★
1991 ★★☆ 2007 ★★
1992 ★★ 2008 ★★☆
1993 ★★ 2009 ★★☆
1994 ★★☆ 2010 ★★☆
1995 ★★ 2011 ★☆
1996 ★★☆ 2012 ★★☆
1997 ★★☆ 2013 ★★
1998 ★★☆ 2014 ★★☆
1999 ★★ 2015 ★★☆
2000 ★★ 2016 ★★☆
2001 ★★☆ 2017 NT
2002 ★★ 2018 NT

 

上記ヴィンテージチャートは当サイトが独自に算出したものです。評価は5段階で記載。「★=1」「☆=0.5」で、最高評価は「★★★」となります。ヴィンテージチャートの無断転載は固くお断り致します。

南オーストラリアワインの歴史

オーストラリア最大のブドウ産地である南オーストラリア州にブドウが植えられたのは、1837年のことでした。

ドイツ人移住者が、現在のバロッサ・ヴァレーとフランスのローヌ・ヴァレーとの相似点を見出したことがきっかけです。

わずか数年でブドウ畑はバロッサからマクラーレン・ベール、アデレード・ヒルズといった地域まで広がっています。

1843年には、アデレード・ヒルズで最初のワインが生産され、1860年代にはブドウ栽培が急速に広まっていきました。

初期のブドウ畑は、それぞれ1haもないほどの小ささで、家庭消費用のワインが生産されていました。

1866年には、栽培面積が2680haになり、69年には400万リットルのワインが生産されています。

1890年代後半には、イギリスへの輸出需要の高まりと、フィロキセラの影響を受けなかったことによって、ブドウ栽培がさらに普及し、クレア・ヴァレーやマクラーレン・ベール、バロッサに畑が増えました。

1930年代、オーストラリアワイン生産の7割以上が、南オーストラリア州に集中し、現在は、世界で最も古いブドウの木が存在する地で、フィロキセラがいない地としても有名です。

南オーストラリア州で特に有名なワイン

南オーストラリア州でも世界から注目されている生産者のシラーズ、カベルネ・ソーヴィニヨン、リースリングをご紹介します。

Torbreck Woodcutters Shiraz 2016

世界を代表するワイナリーのトルブレックが若樹のシラーズを収量制限して生産したワインです。

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Wynns Connawarra Estate Black Label Cabernet Sauvignon 2014

テラロッサ土壌のクナワラで、最も古い歴史を持つウィンズ・クナワラ・エステートは、世界に匹敵するカベルネ・ソーヴィニヨンを生産しています。

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Jim Barry THE LODGE HILL Dry Riesling2013

クレア・ヴァレーで初めてのワインメイカーとなったジム・バリーのリースリングは、今飲んでも熟成しても楽しめるワインです。

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まとめ

オーストラリア最大の産地である南オーストラリア州は、世界から注目される品質のシラーズやカベルネ・ソーヴィニヨン、リースリングが生産されています。

また、オーガニック栽培に取り組む若い生産者も年々増加しており、環境に配慮したワイン生産が進んでいます。

また、毎年アデレードでは、セラードアフェスティバル(http://www.cellardoorfestival.com/)というイベントが開催されており、200以上のワイナリーのワインを楽しむことができます。

気軽に、オーストラリアの空気を感じながら、深く考えずに楽しめるワインが多いので、友達同士でワイワイと飲むのがいいかもしれません。