ワインの香りを楽しもう!表現方法と成分、開く閉じるの違い

Good Wine 編集部Good Wine 編集部

2019.08.26 公開 | 2019.08.26 更新

赤ワインを注ぐ

ワインの印象を決定づける一番の要素といえるのが、香りでしょう。

とはいえ、マンガやドラマで出てくる香りの表現やソムリエが使う表現は、「これは、湿った冬の土の匂いですね」だとか「馬の汗の匂い」だとか、嗅いだことのないものばかりだったりします。

ワインの香りを表現するのは、自身の記憶にあるさまざまなものの香りと照らし合わせる作業に似ています。

そのため、香りの引き出しを多く持っているほうが、より豊かに表現をすることができると言えます。

ただ、実はワインの香りの種類や表現方法にはある程度の法則性があり、テイスティング用語というものがあります。

ワインの香りの種類

出典: 東原和成 佐々木佳津子 伏木亨 鹿取みゆき(『においと味わいの不思議「知ればもっとワインがおいしくなる」』(2013)pp2-3.虹有社

香りにはおおまかにフルーティーフローラルスパイシーミネラルグリエの5つの種類に分けることができます。

フルーティーとは、柑橘系やトロピカルフルーツ、ベリー系など、フルーツの香りの要素を持つもので、アロマホイールの右上の部分に該当するところです。

このなかで、柑橘類や小種系フルーツ、核種類は主に白ワインに。ベリー系や核種類のブラックチェリーは主に赤ワインに使用する用語となります。

トロピカルフルーツ類は、赤白どちらにも用いる用語となり、暖かい気候の産地で生産されるワインなどに使われることが多くなります。

フローラルとは、花の香りや野菜、キノコなどの香りの要素を持つもので、アロマホイールの右下部分にその詳細の香りが載っていて、赤白どちらにも用います。

スパイシーは、スパイスの香りや動物系の香りまた乳製品などの香りを指します。アロマホイールの左側、青色で囲っている2箇所です。

動物性の香りで一番特徴的なのが、ソーヴィニヨン・ブランで使われる「猫のおしっこ」という表現でしょう。

これらの香りは、控えめであれば個性や良さとして引き立ちますが、強くなると不快臭として捉えられます。

次が、ミネラルです。このミネラルというのが、少し厄介で世界中のワインジャーナリストや醸造家などで賛否を巻き起こしています。

ミネラルとして利用されるのが、グレーで囲っているその他の部分。鉛筆の芯やペトロールなどはよく聞かれる表現です。

最後がグリエですが、グリエとはグリルなどの意味のフランス語です。ローストやナッツ系の香りの要素を持つワインに対して使われます。

多くの場合は、樽のニュアンスを持つ熟成系のワインです。

ちなみに、赤で囲っている部分は、いわゆる劣化の匂いで、ネガティブな意味で使われます。

ワインの香りの表現方法

ワインの香りにはその香りの由来によって、第1・第2・第3アロマとあります。

第1アロマとは、ブドウ由来のもの。ブドウが果実中に蓄えた香り全般を指しています。

第2アロマは、アルコール発酵・マロラクティック発酵由来のもの。発酵によって増えた酵母菌や乳酸菌が造り上げるもので、発酵終了後にワインの中にある物質が、菌によって変化が起こり、新しく生まれる香りです。

第3アロマは樽熟成・瓶内熟成由来の香りとされています。

熟成によって発生する酸化還元反応などのさまざまな反応の結果生まれる香りのことを指します。

これら3つの要素が折り重なって、ワインの香りとなっています。

複雑ではありますが、それぞれの要素を一つずつ紐解いていき、それらを表現するのが一番の近道です。

香りを楽しむためのコツ

香りを楽しむためには、タバコなどは吸わない、香水は付けないなど一般的なものもありますが、とりわけワインにはコツがいくつかありますのでご紹介します。

最初はグラスを回さずに

主にテイスティングなどでは、初めグラスを回さずに香りを嗅ぎます。

ヴィンテージのワインや酸化に弱いワインなど香りがすぐに飛んでしまうワインの香りを楽しむためです。

もう一つ、重要な意味を持つのが劣化臭や腐敗臭などを感じ取るためです。どちらかというと、後者の意味合いを強く持つことが多いでしょう。

ワインは酸素に触れることで徐々に感じ取れる香りが増え、強くなっていきます。

そのため、ブショネなどに代表されるネガティブな香りは初めに感じ取る必要があります。

同時に、勘違いされやすいのが還元臭。温泉のような香りやゴムなどの臭いで、劣化臭に感じされますが、空気に触れることでその臭いは飛んでいきます。

香りを楽しむためにはグラス選びが大事

テイスティングのトレーニングをする際は、なるべく国際規格のテイスティンググラスを使用するのがいいでしょう。

グラスによって、ワインの香りの感じ方が異なってしまうため、毎回違うグラスでワインを飲むと、どれが本来の香りなのか、が分かりづらくなってしまいます。

試飲のために開発されたグラスで、ワインの特徴をしっかりととらえることができます。ソムリエ試験などでも使用されていますね。

同型のグラスを使用することで、ブドウ品種別・産地別・ヴィンテージ別などの比較もしやすくなります。

香りが「開く」「閉じる」ってどういうこと?

ワインは、熟成をさせていると徐々に眠りについてしまいます。

そのため、ワインを開けてすぐには、本来の香りを発揮できません。この状態を「閉じている」と表現します。

ワインを抜栓してすぐに豊かな香りを発する若くて元気なワインや酸素に触れることで様々な香りを放っている状態を「開いている」を表現します。

デキャンタージュなどをするのは、眠っているワインを「開いた」状態にするためですね。

香りを理解するためのトレーニング方法は?

ワインの香りを表現するには、まずそのワインがどのような要素を持っているのか、なんとなく想像します。

フルーツのニュアンスがあるのか、花のニュアンスなのか、ロースト香が感じられるのか。

この香りがする、と断定する必要はなく、なんとなくでいいのでどのような要素の香りを持っているのか、を考えてみてください。

そしたら次にアロマホイールを見ながら、香りを嗅いでみます。

その中に、なんとなく近いかなと思える表現があったら、その匂いがする理由を考えてみてください。

その香りが第1アロマなのか、第2なのか、第3なのか。そして、どうしてその匂いが発生しているのか。

1種類でそれを行ったら、次は2、3種類で行っていきます。ブドウ品種別や産地別などで、取れる香りがどのように異なるのか、そしてなぜそうなるのか。

こうしていくと、実は段々とわからなくなっていきます。

そして、最後はブラインドテイスティングをします。

このときに考えるのは、この香りがあるからあれだ。と考えるのではなく、この香りがありから、これとこれは消えるな、と消去法で考えていきます。

こうすることで、ブラインドテイスティングの正答率が格段に上がります。ただ、嗅いだことのない匂いを表現するのは難しいと思います。

そんな人のために、マスターワインアロマキットというものがあります。88種類のワインが持つ香りを集めて、それぞれで匂いをかぐことができるものです。

ソムリエ試験の際や嗅覚の向上にも最適です。

まとめ

ワインの香りには、正直様々なものがあります。

フランス語圏と英語圏でも異なった表現になる人もいますし、漫画「神の雫」のようにストーリーや映像で表現する人もいます。

大切なことは、基本をおさえた上で、自分なりの言葉で表現することだと思います。そして、受け手の立場を考えること。

日本酒を飲んだことがない子供に、このワインは吟醸香がするんだと伝えてもわからないことがほとんどです。

そのため、自分自身の言葉で、相手がどんな人なのかを考えながら伝えていくのが、おもしろさにも繋がっていくと思います。





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