【完全版】ワインの開け方・オープナーの使い方やコツまとめ
2018.08.22 公開 | 2018.08.22 更新

家で飲むときや、キャンプなどでワインを楽しみたいとき、必要になるのが、ワインオープナーと呼ばれる器具です。
せっかくみんなで楽しい時間を過ごす、というときに、ワインのコルクが折れてしまった、ワインが開けられない、なんてことになると、盛り上がっていた空気も少し落ち込んでしまいます。
そうならないためにも、ワインの開け方や、ワインオープナーの種類や使い方、コツを知っておくと、いざというとき役に立ちます。
ワインを開ける時の手順
ワインを開ける、とはいうもののワインの栓にもいくつかの種類があります。
まずは、そちらからご紹介します。
古くから使われており、今でももっとも使用されているのがコルクです。近年では、コルク樫が減ってしまっているため、天然コルクだけでなく、圧搾コルクや合成コルクなども使われるようになっています。
年々、使用率が上昇し、とりわけオーストラリア・ニュージーランドでの使用率が90%を超えるのが、スクリューキャップです。スクリューキャップでの、熟成の可能性が、科学的にも証明されつつあり、長期熟成する品種にも使われるようになってきました。
スパークリングワインや微発泡、弱発泡性のワインによく使われるのが、王冠です。
ビールやシードルのように、栓抜きで簡単に開けられるのも魅力です。
最後に、ヴィノ・ロックやヴィノ・シールと呼ばれるガラス栓です。最近増えつつある栓です。手で簡単に開けることが可能で、安全で環境にも優しいことから、アメリカやヨーロッパなどで取り入れられ始めています。
この4つの中で、開け方が分かりにくかったり、失敗することが多いのがコルクで栓をされたものです。
コルク栓では、アルミやプラスチック製のキャップシールが付いています。自然派ワインなどでは、蝋で蓋をしていることもあります。
まずは、このキャップシールを外し、コルクにそれぞれの器具についているスクリューを回し入れていきます。
この際、まずキャップシールをどのように切り取っていけばいいのか。これについて見ていきたいと思います。
キャップシールの切り取り方
キャップシールですが、それぞれのオープナーについているスクリュー部分もしくは、ナイフがついていればナイフで切り取っていきます。
キャップシールを切り取る部分ですが、人によって変わりますので、好みやその場の雰囲気に合わせるといいでしょう。
一番よく切り取られるのが、ボトルネックの出っ張りの下の部分。
その出っ張りに合わせて、くるっと一周ナイフやスクリューで引っ掻いていきます。そして、一周したら、縦に線を入れるようにボトルのトップの方へ切れ込みを入れ、キャップシールを剥がします。
次に、レストランなどでよく切り取られているのが、ボトルネックの上の出っ張りの部分。
これも、上記の方法と同様に剥がしていきます。
そして、最後がキャップシールをすべて剥がしてしまう方法です。キャンプや大人数でサクッと剥がしてしまいたいときにおすすめです。
これは、キャップシールの一番端の部分から、ナイフやスクリューで縦に切れ込みを入れ、指でつかめるようになったら、一気に剥がしてしまいます。
蝋で蓋をされている場合
蜜蝋などで蓋をされている場合には、それを剥がしてしまうと、ボロボロを崩れてしまい、ワインの中に入ってしまう可能性が出てきてしまいます。
そのため、蝋は剥がさず、その上からコルクにスクリューを刺しこんでいきます。
こうすることで、キレイにコルクを抜くことができます。
スクリューキャップの場合
スクリューキャップなら、回すだけでしょと思って、ミシン目が切れずにクルクルと回ってしまった、という経験がある人もいるのではないでしょうか。
意外とコツがあるのがスクリューキャップ。
まず、片手でボトルの底をしっかりと持ちます。
もう片方の手でキャップの部分を包み込むようにしっかりと握ります。
そして、瓶を反時計回りに回し、カチっと音がするまで回してあげます。
あとは、ペットボトルなどと同じように、キャップを回して外してあげます。
重要なのは、キャップだからと、キャップの部分を持って回さないこと。
そうすると、クルクルといつまでも回ってしまい、ワインにありつけません。
ワインオープナーの種類と使い方
ワインを開ける器具は、プロのソムリエが使っているソムリエナイフ以外にも4種類ほどあります。
それぞれ、使い方やコツが異なりますので、ご紹介します。
ウイング式
ウイング型のオープナーは、ナイフが付いていないことが多いので、スクリュー部分でキャップシールを剥がします。
そして、オープナーの下の部分をしっかりと持ち、スクリューを回し入れることで、両側のウイングが上がっていきます。
しっかりと奥までスクリューが入ったのを確認したら、両方のウイングを下に押し下げることで、コルクを抜くことができます。
ウイング式は、スクリューが太いものも多く、コルクが割れてしまったり、コルクを突き抜けてしまうこともあるため、注意が必要です。
スクリュープル
スクリュープルはナイフが付いていないので、こちらもスクリューでキャップシールを剥がします。
そして、オープナーの下の部分を持ち、スクリューを回し入れます。
コルクにしっかりと刺さったあとも回し続けると、徐々にコルクが浮かんできます。
そのままコルクが抜けるまで回し続けてください。もっとも簡単に、力をいれることなく、ワインを開けることができる器具です。
T字型
T字型は、一番シンプルな形で、家に置いてある人も多いのではないでしょうか。
こちらも、ナイフは付いていないので、スクリューでキャップシールを剥がします。
そして、コルクに対して垂直に刺さるように調整しながら、スクリューを差し込んでいきます。
しっかりとコルクの奥まで入ったのを確認したら、力で引き抜いていきます。結構な力が必要なのと、ワインがこぼれてしまう恐れがありますので、女性や力に自信がない方は、他の器具を使うことをオススメします。
はさみ抜き型
こちらは、超上級者向けのワインオープナーです。
コルクが古くなってしまったり、ヴィンテージの古いワインは、コルクがボロボロであったり、簡単に崩れてしまうため、スクリューを差し込むことができません。
そんなワインを楽しみたいときには、このプロングタイプ(ハサミ抜き)を使っていきます。
長さの異なる2つの刃を持つプロングでは、まず長い刃をコルクの横に差し込んでいきます。
ある程度差し込めたら、もう片方の刃も差し込んでいき、前後に振りながら奥まで入れていきます。
奥までしっかりと刃が入ったことを確認したら、プロングを回転させながら、コルクを引き抜いていきます。
もしオープナーが手元にない時は
外でワインを楽しむときや手元にワインオープナーがない!でも、今すぐワインを楽しみたい、というときもあるかもしれません。
そんなときには、身近にあるものを使って開けてみましょう。
靴やバスタオルで開ける方法
少々危険がともなう方法ですが、特にキャンプなどでオープナーを忘れてしまったときに使える方法です。
靴にワインのボトルを入れる、もしくはバスタオルなどでボトルの底をしっかりと包み込みます。
そして、壁に叩きつけていきます。瓶が割れてしまう可能性もあるので、注意しながら行ってください。
何度も繰り返すと、液体が流れ、泡の発生と消滅が繰り返されます。これによって、圧力差が発生し、その力によってコルクが押し上がってきます。キャビテーションという物理の法則を利用した方法ですね。
繰り返しますが、危険が伴う方法ですので、くれぐれも注意しながら行ってください。
釘やネジで開ける方法
家でオープナーがないときや、作業中で周りには釘とネジしかない。そんな状況でワインを楽しみたいときもあるかもしれません。
そんなときは、その周りにあるネジをドライバーでコルクに差し込む、もしくは釘をコルクに数本打ち込んでください。
しっかりと差し込まれていることを確認したら、釘抜きやペンチで一気に引き抜いてください。
こうすることで、コルクも一緒に抜けてくれます。
フォークやナイフで開ける方法
さて、パスタを食べよう、なんて状況でワインを楽しみたいことはよくあることです。同時に、オープナーがないなんてことも。
その時は、フォークやナイフを使ってワインを開けましょう。
フォークやナイフをコルクに突き刺し、前後に振りながら上に引き上げます。
少し上がってきたら、また別の方向から、別の場所に刺して、上に引き上げます。
コルクと瓶のあいだにも刺して、引き上げます。
これを繰り返すことで、徐々にコルクを引き抜いていくことができます。
結構時間がかかってしまうので、パスタが伸びないように注意が必要です。
コルクを押し込んで開ける方法
これまでのものも全部ない場合、コルクを押し込んで、ワインの中に落とし込んでしまいましょう。
マジックや印鑑、スプーンの柄の部分など、コルクを押し込めるものをなんでもいいので持ってきましょう。
指で押し込むのは無理です。
そして、根気よくコルクを奥へと押し込んでいきます。コルクを押し込んでいくと、ワインがコルクの上に上がってきます。
最後、しっかりと押し込んだ際は、ワインが吹き出しますので白い服などを着ないように注意してください。
このように、ワインオープナー以外でコルクを抜く方法はいくつかあります。
が、オープナーでなら10秒ほどで抜けるものが、数分から1時間ほどかかってしまうこともありますので、なるべくならオープナーを手元に置いておくのがいいでしょう。
ワインを開ける時によくあるトラブル
ワインが好んで飲まれない理由の一つに、家で楽しむときにコルクを抜くのが不安、やトラブルになったときにどうしたらいいのかわからない、というものがあります。
トラブルには、解決策がありますので、その策を見ていきましょう。
コルクが開かない(抜けない)
コルクが抜けない、というときは、スクリューがコルクに垂直に入っていないことが多いです。
そのため、一度スクリューを抜き、垂直に入るようにしましょう。
スクリューの先端がコルクに入りやすいように、少し斜めにして差し込みます。そして、ある程度入ったら垂直に立てていきます。そして、奥までしっかりと入れていきます。
また、コルクが固くなってしまっていて、抜けにくくなっていることもあります。その場合は、ボトルを横にして、コルクを湿らせてあげましょう。
そうすることで抜けやすくなります。
コルクが途中で割れてしまった
コルクが折れてしまった場合、まずは折れた部分を取り外し、コルクのカスをきれいにします。
そして、再度コルクにスクリューを差し込んでみてください。このとき、力強く押し込んでしまうとどんどん奥に入っていってしまうので、優しく回し入れることが大事です。
もしくは、プロングタイプのオープナーを利用して開けるのもいいでしょう。
コルクがボトルの中に落ちてしまった
コルクがボトルに落ちてしまったり、コルクのカスがワインに入ってしまった場合、口に入ってしまう可能性があるので、デキャンタやカラフェなどの別の容器に移しましょう。
その際、コーヒーフィルターやキッチンペーパーなどで濾しながら移すことでコルクのカスなどを取り除くことができます。
オープナーのスクリューが折れてしまった
コルク側ではなく、オープナー側が壊れてしまう、なんてこともあるかもしれません。
スクリューが折れてしまった場合は、可能であればスクリューをコルクから回し抜いてあげます。
オープナーとして、使うことができませんので、新しいものを準備するか、オープナーがない場合の対処方法でコルクを抜いてあげます。
常に、予備のオープナーを準備しておいても良いかもしれません。
まとめ
このように、なんだか難しそうな印象のワインの開け方ですが、コルクを上手に開けるためのコツは、数をこなすことです。
ソムリエも初めは、うまく開けられません。しかし、仕事で毎日何本も開けることで、徐々にきれいに上手に開けられるようになるのです。
そのため、安くても1日1本開けることできれいにコルクを抜くことができるようになります。
ワインを開ける、ということは、飲む必要がありますので、コルクを抜く練習だ、と銘打って、毎日ワインを嗜んでみましょう。