日本の国産ワインを楽しもう!産地とおすすめ銘柄まとめ

Good Wine 編集部by Good Wine 編集部

2018.08.15 公開 | 2018.08.15 更新

日本ワインの味が格段に美味しくなったと世間から囁かれ始めて早10年以上が経ちました。

そのきっかけとなったのが、今年(2018年)の秋に映画も上映される「ウスケボーイズ」と呼ばれる3人の若者たちでした。

長野県・小布施ワイナリーの曽我彰彦さん、Kidoワイナリーの城戸亜紀人さん、ボー・ペイサージュの岡本英史さんが造り上げるワインは、それまで生産されていた日本のワインと大きく異なっていました。

また、ワイン特区を利用し、これまでワインを生産していなかった地域でも、ワインが造られるようになり、これまで以上に盛り上がりを見せる日本のワイン産業ですが、日本のワインは大きく2種に分かれます。

その違いとは、一体何なのでしょうか。

日本ワインと国産ワインの違い

日本ワインと国内製造ワイン。大きな違いは、原料のブドウです。

日本ワインは、国内で造られたブドウを100%使用したもの。とはいえ、2018年時点で、日本ワインを名乗れるのは、全体の19.4%ほど。

対する国内製造ワインは、原料のブドウやマストといわれる果汁、バルクワインを輸入し、日本国内でワインにしているものです。このワインのことを国産ワインとして呼ぶことが多いです。

どちらがいい悪いではなく、そもそもの原料に違いがあるため、それぞれ別の名称で呼ぶことを決めた法律が2015年に公布され、2018年10月30日に施行されます。

この法律によって、同時に日本ワインの地名やブドウ品種、収穫年を表示するための基準も定められ、それぞれ85%以上使用しなければ表示できなくなりました。

日本ワインの代表的な産地

日本ワインを生産しているのは、北は北海道から南は宮崎県まであります。全国に283のワイナリーが存在しています。

ここ数年で、横浜や東京といった首都圏にもワイナリーが設立されるようになり、人々の生活によりワインというものが関わるようになってきました。

その日本の中でも、特に注目されている4つの産地、山梨県、北海道、長野県、山形県のワイン産地の特徴を見ていきたいと思います。

山梨ワインの特徴

日本ワインの産地で、いち早く「地理的表示:GI(Geographical Indication)」の対象となったのが、山梨県でした。

日本ワインの発祥の地であり、最大の産地である山梨県には、81のワイナリーがあり、国内大手4社も存在しています。山梨県では、日本ワインの33%を生産しています。

日本固有のブドウ品種である「甲州」や「マスカットベリーA」の生産量も日本一です。

Grace wine Cuvee MisawaAkenoKoshu 2016

「グレイス・ワイン」の名称で親しまれている中央葡萄酒が造る甲州は、ロンドンで開催される「デキャンタ・ワールド・ワイン・アワード2014」において、日本ワインとして初めて、金賞および地域最高賞を受賞し、日本国内でも大きな話題になりました。

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Kisvin Pinot Noir 2015

山梨県は塩山に、畑およびワイナリーを構えるキスヴィン・ワイナリーが、満を持してリリースしたピノ・ノワール100%の赤ワイン。ジェラール・バッセ氏が、樽の中に入っているワインを飲んでツイッターにつぶやいたことでも有名です。

Chateau Mercian KoshuKiiroka 2016

日本最古のワイナリー「大日本山梨葡萄酒会社」を前身に持つシャトー・メルシャンが、ボルドー大学と共同開発したワインです。

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北海道ワインの特徴

近年、もっとも盛り上がりを見せている北海道は、2018年に「地理的表示:GI(Geographical Indication)」の対象となりました。

34のワイナリーがあり、余市や岩見沢、三笠などでワイナリー設立の波が大きいです。岩見沢では、「10Rワイナリー」が委託醸造を行っており、ブルース・ガットラブさんの元で経験を積み、自身のワイナリーを立ち上げる造り手も出てきました。

北海道では、全体の15%ほどを生産しています。

冷涼な気候であるため、ドイツ系品種のケルナーやミュラートゥルガウ、ツヴァイゲルトレーベ、ピノ・ノワールといったブドウが多く栽培されている地域です。

Domaine Takahiko Nana-tsu-Mori Pinot Noir 2016

2018年に初開催された「日本ワイナリーアワード第1回」で最高峰の5つ星を獲得し、日本ワインファンの間でも、人気の高いドメーヌ・タカヒコが生み出すエレガントなピノ・ノワール。

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Hirakawa Winery HirakawaAtsuoKerner 2015

世界各地で醸造を行い、世界からも注目を集めているのが、この平川ワイナリーです。

JALの国際線ファーストクラスにて提供されている醸造家・平川敦雄さんの名前を冠しているケルナーはきれいではつらつとした酸が心地良い。

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Yamazaki Winery Pinot Noir 2016 Private Reserve

映画「ぶどうのなみだ」のモデルにもなった山崎ワイナリー。現地に足を運ばなければ購入できない、最高峰のピノ・ノワール。

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長野ワインの特徴

北海道とともに、目が離せないのが長野県。2013年には、県をあげて「信州ワインバレー構想」を掲げています。

また、自治体がワインプロジェクトなどで、ワイン産業を盛り上げようとしており、栽培醸造家を養成するための専門学校「千曲川ワインアカデミー」が設立されました。

34のワイナリーが存在しており、22%のワインを生産しています。

長野県のブドウ畑のほとんどが、標高の高いところにあり、気候条件にも恵まれているため、国内の上質なシャルドネやメルローの多くが、この地で育ちます。

近年では、香り高いソービニヨン・ブランやピノ・ノワールも生産されるようになってきました。

Obuse Winery Sans chimie Merlot Murasaki 4th2016

長野でクオリティの高いワインを生産している小布施ワイナリーのメルロー。北海道・余市でワイナリーを営む曽我貴彦氏の兄、彰彦氏がこだわりを持って生産している。

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Kido Winery Private Reserve Flower 2016

「ウスケボーイズ」として注目をされ、ワインがほとんど流通していないのが、城戸亜紀人さんの生産する城戸ワイナリー。桔梗ヶ原における、カベルネ・フランの可能性を感じ、フラン主体で生産したワインです。

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Arc En Vigne Chardonnay 2017

ヴィラデストの生産者でもある玉村豊男氏が日本に農業としてのワイン造りを根付かせることを目的とし、栽培醸造家の養成のための学校も併設しているアルカンヴィーニュ。長野県産シャルドネ100%のワイン。

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山形ワインの特徴

日本ワインの産地として4位の山形県は、長い歴史を持つワイナリーも多く、造り手が自らSNSなどで発信をし、消費者との距離が近いのが特徴。

また、山形県のワイナリー11軒が「山形ヴァンダンジェ」というイベントを東京で開催しています。

山形県には、14のワイナリーがあり、7%程度を生産しています。

山形のデラウェアは有名で、きれいな酸を持つワインが生産されています。また、ボルドー系の品種なども栽培されている地域です。

Takeda Winery Muscat Berry A Koboku 2014

山形で長い歴史を持つタケダワイナリーの持つ、樹齢70年のマスカットベリーAを使用した赤ワイン。

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Sakai Winery Toriagezaka Delaware 2016

明治時代からワインを生産している小規模ワイナリーである酒井ワイナリー。自然農法で栽培されたデラウェアを100%使用したワイン。

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Asahimachi Wine Meister Selection Barrel Selection Rouge 2016

2016年に開催された伊勢志摩サミットでも提供された、朝日町ワインのマイスターセレクション。

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国産ワインに関するマメ知識

日本で生産されるワインですが、多くは「ヴィティス・ヴィニフェラ」というヨーロッパ系ブドウを使用して生産していることが多いです。

また、ヨーロッパ諸国やアメリカなどのように、高級ワインを生産しているのでしょうか。

それらのワインに関する情報をお伝えしていきたいと思います。

日本固有のブドウ品種はあるの?

日本固有で楽しめるブドウ品種は、「甲州」「マスカットベリーA」「ブラッククイーン」「ヤマブドウ」の4種です。

また、日本で交配されたワイン用ブドウ品種は、「甲斐ノワール」「清見」「ヤマ・ソービニヨン」「リースリング・リオン」「リースリング・フォルテ」「信濃リースリング」「甲斐ブラン」の7種があります。

日本ワインの生産量、消費量は?

日本ワインは、2016年度約1,664万リットル生産しており、そのうちの42.8%は赤ワイン、44.6%が白ワインとなっています。

約0.34%のみが輸出されており、残りは国内ですべて消費されています。

こうしてみると、世界における日本ワインの立ち位置はまだまだ低いことがわかります。

日本ワインの最高級品はどれ?

日本ワインでも、1万円を超えるワインが出てくるようになってきました。

日本ワインで現在もっとも高価なものは、「サントリー登美の丘ワイナリー」が生産している「登美ノーブルドール」という貴腐ワインです。数年に一度、良質な貴腐菌が発生したときにのみ生産され、リリースまで寝かせるため、5万円ほどで販売されています。

また、「シャトー・メルシャン」が生産している「桔梗ヶ原メルローシグナチャーポン・デ・ザール」も5万円ほどの値付けがされています。

日本のワインの歴史

日本にワインが伝わったのは、いくつか説がありますが、1549年に宣教師フランシスコ・ザビエルが日本に来たときだとされています。

しかし、そのときはただお土産としてワインを持ってきただけでした。

その300年後、ペリーが浦賀に来航したときにも、ワインやシャンパーニュなどが振る舞われましたが、日本で本格的にワイン生産が始まるのは、それから21年後の1874年のことでした。

最初に日本でワインがブームになったのは、1907年に現在のサントリーの前身となる鳥井商店から、甘味ブドウ酒である赤玉ポートワインが発売されたことからでした。

その20年後、川上善兵衛がマスカットベリーAやブラッククイーンといった日本独自の改良品種を開発しました。

しかし、ワインよりも日本酒の人気が高い国である日本らしく、1980年代の前半に一升(1.8リットル)瓶入りの国産ワインがブームとなり、日本各地でヨーロッパ系品種の栽培が本格化しました。

ゆえに、古くからワインを生産しているワイナリーは、今でも720mlで瓶詰めをしています。ただ、近年では国際基準に合わせるため、750mlに変更するワイナリーも出てきています。

日本ワインが世界のコンテストで賞を受け始めるのは1997年頃からで、この年シャトー・メルシャンの「城の平カベルネ・ソーヴィニヨン1990」がゴールドメダルを、また1999年には、小布施ワイナリーの「ドメイヌソガシャルドネ1er Cru」がゴールドメダルをそれぞれ獲得しました。

2004年には、ビオディナミ農法の推進者であるニコラ・ジョリーが来日し、山梨で講演をおこないました。

この頃から、日本ワインとしての品質が向上し、良いブドウを生産する造り手が増えてきました。

まとめ

ワイナリーの経済効果が大きいことから、国もワイナリー設立に大手を振っている中で、ワインが生活に根付くようになってきました。

同時に、いまだに日本ワインは、物足りない、おいしくない、などといった評価を聞くことがあります。

日本らしく繊細で優しい味わいは、日本食にも相性がいいです。ワイン全体として、出汁のようなニュアンスがあるのも和食に相性がいい理由でしょうか。

2010年には、甲州がOIV(ブドウ・ワイン国際機構)のリストに、また2013年には、マスカットベリーAがOIVに掲載されました。

今後、日本ワインが注目されていくことは間違いないと思います。

日本人として、日本ワインを応援しながら、より生活に根ざしたワイン生活を楽しみましょう。