甘口ワインを楽しむ!アイスワインや貴腐ワイン、ポートワインの飲み方

Good Wine 編集部Good Wine 編集部

2019.08.16 公開 | 2019.08.16 更新

甘口ワインを楽しむ

ワインの話をしていると、よく甘口、辛口、などの表現が出てきます。

甘口ワインとはいったいどういうもので、どう造っているものなのでしょうか?
普通のワインに糖分を足して造っているものなのでしょうか?

甘口ワインは、糖分を足して造っているわけではありません。甘いワインを造るために、様々な工夫をして造っています。

今回は甘口ワインについて説明していきます。

甘口ワインの種類と特徴

ワインはブドウ果汁の糖分が、酵母の働きによってエチルアルコールと二酸化炭素に分解されることによって造られます。なので発酵が進むほど果汁から甘さが減り、アルコール度数が上がっていきます。

甘口ワインの製法には、収穫するブドウの糖度を高めるか、甘みが残った状態で発酵を止めるか、の2種類があります。

ワインを造るうえで、糖分を足す「補糖」という作業がありますが、これは甘さを足す目的ではなく、発酵を円滑に行うためのものです。

では主な甘口ワインを紹介します。

貴腐ワイン

こちらは聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。貴腐ワインは、デザートワインとして最も有名なものの一つです。

貴腐ワインは、貴腐菌(ボトリティスシネレア菌)というカビの働きを利用したデザートワインです。

貴腐菌が、完熟したブドウにつくことにより、ブドウの果皮に小さな穴をあけます。その穴から水分が蒸発するため、樹に実ったまま干しブドウの状態になり、甘みの凝縮した果汁を搾ることが出来ます。

貴腐菌がブドウの完熟前についてしまうと、灰色カビ病と呼ばれ、健全なブドウを収穫することが出来ません。そのため貴腐ワインを造るには、栽培管理が難しく、特殊な気象条件が必要となります。

アイス ワイン

アイス ワインも、甘い果汁を搾るための製法です。

ブドウの収穫期を遅らせ、ブドウが凍るまで待ちます。そしてブドウが凍った状態で搾り、甘みの強い果汁を搾ります。

基本的に収穫は翌年に行いますので、収穫までの間は雹(ひょう)などのリスクに侵されてしまいます。

酒精強化ワイン(フォーティファイド ワイン)

アルコール発酵を途中で止める甘口ワインとして、酒精強化ワイン(フォーティファイド ワイン)が有名です。フランスのヴァン ドゥ ナチュレ(VDN)やヴァン ド リキュール(VDL)も、同じような製法ということが出来ます。

酒精強化ワインは、発酵中にアルコール度数の高い蒸留酒を添加し、発酵を止めたワインです。通常のワインよりもアルコール度数は高くなりますが、保存性が高く、甘口タイプを造ることが出来ます。

甘口ワインの楽しみ方

甘口ワインとは、文字通り甘さを感じるワインです。通常の辛口ワインは残糖分がほとんど残っていないのに対して、甘口ワインは残糖分があります。

甘口ワインはスティルタイプ(非発泡性)のものと、スパークリングタイプのものが存在します。スティルタイプですと、ワインラベルの産地を見て判断しなければならないことが多いです。

スパークリングワインの場合、ドゥミ セック(demi-sec)、ドゥー(doux)という表記があるものはしっかりと甘さを感じるものです。

ラベルに分かりやすく表記がしてあるので、参考にすると甘口ワインを選ぶことが出来ます。

食後酒として楽しむ

まず甘口ワインの楽しみ方としては、極甘口のものはデザートワインとして食後に飲むのがおすすめです。

日本人は甘いお菓子に、苦いお茶を合わせてきた文化がありますが、ヨーロッパでは甘いものには甘いものを合わせます。

なので甘いデザートには、極甘口のデザートワインを合わせましょう。またチーズとの相性も良いので、ぜひ試してみてください。

食中酒として楽しむ

甘さがそこまで強くなく、爽やかさも感じる程度であれば、食事のスタートから楽しめます。

ワインが苦手な方でも、ジュースのように飲むことが出来るので、カジュアルなホームパーティーで用意されることが多いです。

しかしアルコールはしっかりと入っているので、飲み過ぎには注意しましょう。

甘口ワインの主な産地

甘口ワインは世界中で栽培されています。その中でも、世界三大貴腐ワインと呼ばれるフランスのソーテルヌ、ドイツのトロッケン ベーレン アウスレーゼ、ハンガリーのトカイ アスー エッセンシアを中心に紹介します。

フランス

フランスでは各地で甘口ワインが造られています。

シャンパーニュ地方ではVDNのラタフィア、アルザス地方では貴腐ワイン、南フランスではVDNやVDLなど様々な甘口ワインが造られています。

その中でも最高級なものが、ボルドー地方のソーテルヌ地区で造られた貴腐ワインです。ソーテルヌは世界三大貴腐ワインに選ばれている、甘口ワインの銘醸地です。

この地区を流れるシロン川の水温は低く、水温が温かいガロンヌ川に流れ込むことにより、霧が発生します。その霧による湿気で、完熟ブドウに貴腐菌がつくことにより、甘美な甘口ワインが出来上がります。

ソーテルヌのシャトーは1855年に格付けがつくられています。その中で唯一、特級に格付けされたシャトー ディケムは、世界最高峰の甘口ワインです。

ドイツ

ドイツワインは、収穫された際のブドウ果汁の糖度により格付けがされていたので、甘みがあるワインが多くあります。その中でも最上に位置すのものが、世界三大貴腐ワインに選ばれているトロッケン ベーレン アウスレーゼです。

トロッケン ベーレン アウスレーゼを名乗るには厳しい条件が多く、それをクリアしたものだけ名乗ることが許されています。

ドイツでは冷涼な気候を生かしたアイスワインも、広く造られています。

ハンガリー

ハンガリーの東北部、トカイ地方では甘口ワインが多く造られています。

トカイ地方で造られるトカイ アスー エッセンシアは、世界三大貴腐ワインに選ばれています。その中でも現在は、トカイ ナトゥール エッセンシアと呼ばれるものが最上とされています。

トカイ ナトゥール エッセンシアは、貴腐ブドウ100%で造られる極上の甘口ワインで、フランスのシャトー ディケムと肩を並べることが出来る一級品です。

その他の地域

その他にも様々な国で甘口ワインは造られています。

酒精強化ワインとして、スペインのへレスで造られるシェリー酒はその代表格です。辛口タイプのものもありますが、ペドロヒメネスなど極甘口タイプも生産しています。

また酒精強化ワインとしては、ポルトガルのポルトで造られたポートワインも、甘口ワインとして有名です。

イタリアでも甘口ワインは造られています。ヴェネト州では、ヴァルポリチャッラのレチョートが、赤ワインタイプの甘口ワインとして知られています。こちらは陰干ししたブドウを用いて造られた甘口ワインです。

オーストリアのノイジードラーゼー湖周辺の地域や、カナダはアイスワインの産地として知られています。

またアメリカのカリフォルニア州では、ホワイト ジンファンデルがスーパーなどでも売られていて、高い人気があります。ホワイト ジンファンデルとは、ジンファンデルという黒ブドウを使用したロゼ色のワインで、半甘口に造られたものです。

まとめ

今回は甘口ワインについて紹介してきました。とても手間をかけて造っているものが多く、製法を知るとまた味わい深くなりますね。

辛口ワインが好きな方も、シチュエーションに合わせて、甘口ワインを楽しんでみてくださいね。

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2019.08.23 更新

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