サルデーニャ州のワインの特徴、当たり年や主なワイナリー

Good Wine 編集部Good Wine 編集部

2019.05.23 公開 | 2019.05.23 更新

サルデーニャ州は、イタリア半島の左側、西地中海の真ん中にあって、地中海で2番目に大きいサルデーニャ島(SARDEGNA)から成り立っています。

その地理的な要因から、古代より様々な民族が交差した複雑な歴史を持つサルデーニャ州は、その独特の文化や風習からイタリアの特別自治州に指定されています。

フランス領であるコルシカ島(CORSICA)の南側に隣接していて、島南部にある州都カリヤリ(CAGLIARI)はローマよりもチュニジアの首都チュニス(TUNIS)のほうが近いくらいです。

美しいエメラルドグリーンの海に囲まれたサルデーニャ島は、ヨーロッパの高級リゾート地として有名ですが、温暖な気候はブドウの生育にも適していて、ほぼ島の全域でブドウが栽培されています。

特に赤ワインのカンノナウ、白ワインのヴェルメンティーノが有名です。

サルデーニャ州のワインについて

2018年のサルデーニャのワインは、2017年に引き続き夏の大雨や雹による被害で、2016年に比べて30%もの減少が予測されています。

過去5年間の平均値と比べても19%もの減少で、恐らくイタリアの中で一番被害を受けた州となります。

2018年のイタリア最大のワイン見本市ヴィーニタリーで、サルデーニャの40銘柄のワインが、見事5スターワインに選ばれました。

このほかにも多くの国際的なコンクールで受賞するなど、独特な土着品種によるサルデーニャのワインが注目されています。

生産されているブドウ品種

サルデーニャには150品種以上もの土着品種があるといわれていて、実際に国に土着品種として登録されているのは20品種でしたが、2018年さらに21品種が新たに登録され、ほか10品種が登録のための審査中です。

その多くはもともとスペインのアラゴン家の支配下にもたらされたものですが、長い間にサルデーニャの気候に順応して、サルデーニャ独自の特徴を生み出す土着品種として認められています。

土着品種の中でも特に代表的なのが、赤ワインのカンノナウ種、白ワインのヴェルメンティーノ種。サルデーニャで生産されるブドウの半数以上をこの2種類で占めています。

この他にも、モニカ、ボヴァーレ、ヌーラグス、カリニャーノ、トルバート、ナスコなど魅力的な要素を多く含んだ土着品種がたくさんあり、最近、急激に人気を高めています。

また、ベルナッチャやマルバジーアも野性味のある香り豊かなサルデニア独特の味わいを醸し出します。

また、1700年代にもたらされた国際的な品種やサンジョベーゼやモンテプルチャーノといったイタリアの一般的な品種も栽培されていて、土着の品種とよくブレンドされて使われています。
• カンノナウ
• ヴェルメンティーノ
• モニカ
• ボヴァーレ
• カデュ
• ヌーグラス
• カリニャーノ
• トルバート
• ナスコ
• ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノ
• マルバジーア・ビアンカ
• マルバジーア・ディ・サルデーニャ
• セミダーノ
• サンジョベーゼ
• メルロー
• シャルドネ
• ネッビオーロ
• モンテプルチャーノ
• バルベーラ

サルデーニャ州のテロワールについて

サルデーニャ島は平野部がわずか18.5%で、残りは山岳部13.6%、丘陵部が67.9%という起伏のある地形をしています。

1800㎞もの海岸線に囲まれたサルデーニャ島は地中海性気候で、夏は暑く風が吹き、冬は暖かく雨の少ない温暖な気候です。

また、内陸の山岳部は寒暖の差が激しく、ワインを醸造するときに、豊かな香りや色、味わいを生み出すブドウが出来上がります。

サルデーニャ島はイタリア半島に比べても歴史が古く、古代の火山の噴火によって島の東部全体、北西部に固い基礎が作られたので、ミネラル分が豊富に含まれています。

全体的にサルデーニャ島の土壌は古代の岩盤の浸食によって作られていて、そこから花崗岩、片岩、トラキート、玄武岩の岩石地帯を形成してきました。

これらの土壌は根を深く張ることができませんが、排水には適しています。

サルデーニャ州の格付けについて

サルデーニャ州の唯一のDOCGは、島北部のガッルーラ(GALLURA)で作られてヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラです。

ヴェルメンティーノはサルデーニャ全体で作られていますが、特にミネラル分が豊かで、アーモンドの香りが特徴的です。

またDOCは19銘柄ありますが、その中でも特に有名なのがヴェルナッチャ・ディ・オリスターノで、シェリー酒のように産膜酵母を発生させて熟成させるサルデーニャ州独特の白ワインです。

また南部のカリニャーノ・デル・スルチスも、フィロキセアの害を逃れた古木から作られる優れたワインとして人気です。

DOCGとDOCを合わせて、サルデーニャのワインの生産量の66%を占め、このほかIGTの15銘柄が15%を占めるほど、格付けのワインに特化しています。

サルデーニャ州の主な産地

サルデーニャはほぼ全土でブドウの栽培がおこなわれていて、州を代表するカンノナウやヴェルメンティーノをはじめ、島全域を名称保護地域にしているワインが全部で4種類もあります。

特に有名な産地は、ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラが作られる北東部のガッルーラ地方。

そして独特の製法の白ワイン、ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノ、マルバジーア・ディ・ボーサが作られる中西部のオリスターノ(ORISTANO)地方、そして、評判の土着のカリニャーノ種が唯一育つ島南東部周辺です。

ガッルーラ:サルデーニャの唯一のDOCGヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラの生産地。

サルデーニャ州のワイン生産量

サルデーニャ州の2017年の生産量は、前年比42%減の466ヘクトリットル。猛暑による影響で過去5年間で最低の収穫量でした。

イタリア全体の生産量に占める割合はわずか1%です。

内訳は、赤ワインとロゼが55.0%、白ワインが45.0%とわずか赤ワインのほうが多く作られています。

2017年上半期の輸出量は過去5年くらいの間で特に変化がなく、約12百万ユーロの輸出額で、イタリアの中ではかなり少ない量です。

サルデーニャ自体の知名度が世界的に低いために輸出量も少ないのですが、独特の味わいのサルデーニャワインが中国を中心にかなり人気を呼んでいて、今後が期待されています。

サルデーニャ州のワインの歴史

古代ローマ以前

サルデーニャ島には先史時代の特徴的な石造りの遺跡が残っていて古くから文明が栄えていました。

5000年前にはすでにブドウを栽培し、ワインを作っていたという考古学者の説もありますが、歴史学者によると、紀元前8世紀ごろに島を征服したフェニキア人(現在のレバノン)によって、ブドウがもたらされたとも言われています。

当時の都市の遺跡にはワインの痕跡が残っています。

その後、紀元前500年にはカルタゴ人(現在のチュニジア)、紀元前3世紀には古代ローマ人に征服されました。

中世からルネッサンス

古代ローマの崩壊後、東ローマ帝国、北アフリカのヴァンダル人、アラビア人に支配され、ジェノヴァ共和国、ピサ共和国と次々とほかの国の干渉を受けます。

1400年ごろにスぺインのアラゴン家の支配が強まり、この時にサルデーニャの代表的なブドウ品種カンノナウ、カリニャーノがスペインから持ち込ました。

アラゴン家は、サルデーニャにワイン醸造の新しい技術や新しいブドウ品種を取り入れるなど、ワイン産業の発展のための基礎を築きました。

近代以降

1720年には、のちにイタリア統一を果たすピエモンテのサヴォイア家がサルデーニャを支配します。

ワイン技術はさらに革新され、ピエモンテやフランス、オーストリアなどへ輸出されるようになりました。

カンノナウ・ディ・ヌオロ、ヴェルメンティーノ・ディ・ガルーラ、ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノは、当時すでに銘酒として名を馳せていました。

ところが19世紀の後半、サルデーニャ島にもフォロキセラが到達し、砂地に栽培していたブドウ品種を除いて壊滅状態になるほどの被害を受けました。

1950年ころになると、多くのワインの共同組合が誕生し、サルデーニャのワイン産業が復活します。

とはいっても、当時はブレンド用として使われるアルコール分が高く、色も濃い赤ワイン用のブドウが大量に生産されていました。

今日見られるような質の高いワインが作られるようになったのは近年になってからで、今後ますますの品質向上に向けて努力が続けられています。

サルデーニャ州で特に有名なワイン

意外に早くから日本でも見かけることの多いサルデーニャワイン。国際的な評価も高いのにコスパがよいので、気軽に楽しめるワインです。

カンノナウ・ディ・サルデーニャ・リゼルヴァ(セッラ&モスカ)

サルデーニャを代表する赤ワイン、カンノナウ。このリゼルヴァは、美しいガーネット色をした果実味あふれるワインを長期間、樽で熟成しています。

しかも、コストパフォーマンスが素晴らしいと高く評価されています。

セッラ&モスカ社は、19世紀末、フィロキセラにやられた土地を立て直すところから始めた老舗のワイナリー。サルデーニャのワインのパイオニア的な存在で、ガンベロロッソ誌のベスト・オブ・ワイナリーにも選ばれた実力派です。

日本をはじめ、早くから海外にも積極的に輸出をしていて知名度も高く、サルデーニャだけではなくイタリアを代表するワイナリーです。

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ヴェルメンティーノ・ディ・サルデーニャ アラゴスタ(カンティーナ・ディ・サンタ・マリア・ラ・パルマ)

すっきりした飲み口が人気の白ワイン、ヴェルメンティーノは魚料理によく合うワインです。

この品種もスペインから来たとも言われますが、現在は土着品種としてサルデーニャ全土で栽培されています。

伊勢海老(アラゴスタ)が描かれたラベルがトレードマークのサンタ・マリア・ラ・パルマ社は326もの生産者で構成されている協同組合です。

2015年のベルリンのワインコンクールで金賞を受賞したり、2018年秋発表されたワインスペクター誌の20ドル以下の優秀な軽い白ワイン部門でトップ10に入ったりしました。

協同組合にもかかわらず高い品質のワインを生みだしていて、そのコスパの良さでも高く評価されています。

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まとめ

西地中海の真ん中に位置するという地理的な要因から、数々の民族に支配された独特の文化を持つサルデーニャ。

イタリアのほかの地方とは全く違うサルデーニャ独自のブドウ品種、ワインが現在、注目されています。

コスパのよさも、うれしいサルデーニャワイン。魚料理と相性の良いヴェルメンティーノは繊細な和食とも合います。

気軽に試してみたい注目のワインです。

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2019.08.23 更新

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