プーリア州のワインの特徴、当たり年や主なワイナリー

Good Wine 編集部Good Wine 編集部

2019.03.13 公開 | 2019.03.13 更新

プーリア(PUGLIA)州は、長靴のような形をしたイタリア半島のちょうど踵の部分に位置しています。

南北に長く350キロメートルもあり、東側にカンパーニャ(CAMPANIA))州、バジリカータ(BASILICATA)州、イオニア(IONIA)海、東側はアドリア(ADRIA)海、北側はモリーセ(MOLISE)州に面しています。州都はアドリア海に面したバーリ(BARI)。

州の南部に位置するブリンディシ(BRINDISI)が、古代からギリシアへの船が発着する港町で、ギリシア文化の影響を強く受けた地域です。

ギリシアからのワインもここからイタリア全土に運ばれました。

温暖で雨が少ない恵まれた気候のためブレンド用のブドウを豊富に生産し、これまでヨーロッパのカンティーナとも呼ばれてきたプーリア州ですが、近年では、プリミティーボやネグロ・アマーロなどのプーリア州の土着品種に力を入れています。

プーリア州のワインについて

近年、世界中で有機栽培ワインがブームになっていますが、プーリア州は約16,000ヘクターのブドウ畑で有機栽培を行っていて、シチリア州に次いでイタリア第2の生産量を誇っています。

このイタリア南部にある2つの州で、イタリアの有機栽培ワインの約半量を占めるほどです。

プーリア州の土着品種プリミティーボ種から作られる赤ワイン、プリミティーボは、美しいルビー色をしていて濃厚なフルーティな香りと味わい、しかもコストパフォーマンスが高いと人気を集めています。

プーリア州を代表するこの赤ワインは、2017年には21%も売り上げが増加していて、イタリアで売り上げが急増したワイン第2位に選ばれました。

生産されているブドウ品種

個性的な土着品種が多くあるプーリア州。その中でも赤ワイン用のブドウで最も生産量が多いのは、土着のネグロ・アマーロ、プリミティーボ、ウヴァ・ディ・トロイアです。

広いプーリア州ですが、それぞれの独自の地域に分かれて栽培されています。

白ワイン用のブドウも、ボンビーノ・ビアンコ、マルバジア・ビアンコ、ヴェルデーカ、フィアーノなどが多く栽培されていますが、最も生産量が多いブドウ品種はプーリアと歴史的にも全く関係のない国際品種シャルドネです。

最近では、白ワインだけではなく、スパークリングワインにも多く使われています。

長い間、アルプス以北のアルコール分や色や香り、味わいの弱いワインのブレンド用のブドウを多く製造してきましたが、最近では、プーリア独自品種の栽培に力を入れています。
• ネグロ・アマーロ
• プリミティーボ
• ウヴァ・ディ・トロイア
• マルバジア・ネーラ
• モンテプルチャーノ
• サンジョベーゼ
• アリアーニコ
• アレアーティコ
• ボンビーノ・ネーロ
• メルロー
• カベルネソービニオン
• ボンビーノ・ビアンコ
• マルバジア・ビアンコ
• ヴェルデーカ
• フィアノ
• ビアンコ・ダレッサノ
• モスカート・ビアンコ
• シャルドネ

プーリア州のテロワールについて

イタリアの中でも珍しく山岳部がほとんどないプーリア州。

平野が53.2%、丘陵部分が45.3%もあるために農業が盛んで、特にブドウの栽培は州全土で行われています。

ワインだけではなく、食用のブドウの産地としても有名です。

州の気候は、基本的に地中海性気候で、冬は乾燥していて穏やかな寒さ、夏は暑くブドウの熟成に欠かせない風が吹いています。

そのため、プーリアのブドウからは、濃い色をしたしっかりした味わいのワインが作られます。

土壌は一般的に北側が石灰性の粘土質で、イオニア海とアドリア海に囲まれた南側は、石灰性の砂質です。

南側は海からの影響を強く受けていて、香りのよい白ワインや、ロゼ、軽い赤ワインが作られます。

一方、北側はミネラル分を多く含み、白ワインやロゼの他、しっかした熟成に向く赤ワインが多く作られます。

プーリア州の格付けについて

ブドウの生産量はイタリアで一番多いのですが、格付けワインの生産量は少ないプーリア州では、DOCGに認定されている銘柄はわずか4で、DOC が29、IGTが6です。

プーリア州を代表する土着品種から作られるプリミティーボは、プリミティーボ・プーリアというIGTですが、マンドゥーリア地方で作られたものはDOCに認定されていてプリミティーボ・ディ・マンドゥーリアという名称です。

また、同じプリミティーボ種100%で作られる伝統的な甘口ワインプリミティーボ・ディ・マンドゥーリア・ドルチェ・ナチュラ―レがDOCGです。

このほか、カステル・デル・モンテのボンビーノ・ネーロ、ネロ・ディ・トロイア・リゼルヴァ、ロッソ・リゼルヴァがDOCGに認定されています。

プーリア州の主な産地

縦に細長いプーリア州。最も北側のモリーセ州に近いフォッジア(FOGGIA)県では、プーリア州土着のウヴァ・ディ・トロイア種が多く栽培されています。

州都バーリのあるバーリ県の北側には、シチリア王国の一部だった時代に建てられた名所カステル・デル・モンテ(CASTEL DELMONTE)にちなんだ同名の良質なDOCGワインで有名です。

また、バーリの南西がわにあるムルジア(MURGIA)地方でも広い範囲でブドウが栽培されています。

長靴のヒールにあたる部分も、良質なブドウの産地として名高いです。

プリミティーボのマンドゥリア(MANDURIA)地方、シャルドネなどの白ワインで有名なサレント(SALENTO)地方、そして、ヒールの先端部分オトラント(OTRANT)で特徴的な赤ワイン、ネグロ・アマーロ種が栽培されています。

プーリア州のワイン生産量

プーリア州の2017年のワイン生産量は、ほかの州が減少しているにもかかわらず、前年より3%増加して9,934ヘクトリットルでした。

生産量では、プーリア州だけでイタリア全体の21.5%も占めていて、イタリアで1番多く生産しています。

プーリアで生産されるワインの内訳は、格付けなしのテーブルワインが47.8%となっています。

また、赤ワインとロゼが52.8%、白ワインが47.2%と、ほぼ半分です。

また、輸出量も昨年に比べて21.5%も増加していて、149百万ユーロの売り上げがありました。

プーリア州のワインの歴史

古代ローマ以前

プーリア州は、古代ローマより早い時代、紀元前8世紀ころに古代ギリシアの植民地となりました。

イタリアのワイン作りはギリシアによるものですが、プーリア州のあたりでは、それ以前からブドウの栽培がおこなわれていたといわれています。

現在、プーリア州を代表するウヴァ・ディ・トロイアやネグロ・アマーロは、とても早い時代から記録に残っていますが、古代ギリシアと同じ方法で栽培されるので、もともと古代ギリシア起源だと言われています。

古代ローマ時代にローマからの高速道路、アッピア街道の執着地ブリンディシに港が建設されると、ギリシアからローマへのワインの通り道として、ワイン作りが大きく発展しました。

中世からルネッサンス

古代ローマの崩壊後、プーリアのブドウの栽培も苦境に立たされますが、修道院によって栽培が続けられました。

また、中世になると、シチリア王国のフェデリコ2世が、カルテル・デル・モンテの周辺にたくさんブドウ畑を作らせる政策をとったこので、ブドウの栽培が再び盛んになります。

この時、多くのブドウ品種が近くのカンパーニャ州から運ばれました。

ルネッサンス時代になると、プーリア州では大量のブドウが収穫できるようになり、イタリア全土のみならず、フランスまで運ばれるようになりました。

ブドウ作りに適した気候を生かして、質よりも量を重視し、大量にブドウを栽培する地方として知られるようになりました。

近代以降

フィロキセラの大きな被害がフランスやイタリア北部などを襲ったころ、プーリア州にはまだ被害が及んでいなかったので、多くのフランス人ワイン関係者がプーリアへブドウの買い付けに押し掛けるようになりました。

また、プーリアの地でワインを作りフランス、ドイツ、オーストリアへワインを輸出するフランス人の業者も現れました。

最終的にプーリアもフィロキセラの被害に遭い、生産量は大きく落ち込みましたが、その後は、ヨーロッパ諸国のワインにブレンドするためのブドウを大量に生産するようになりました。

プーリアが質を重視するワイン作りを始めるようになったのは、1990年代になってからのことです。

良好な気候のおかげで、有機栽培でも比較的容易に果実味のしっかりしたエレガントなワインを作り出せる利点を生かして、有機栽培にも積極的に取り組んでいます。

プーリア州で特に有名なワイン

プーリアのワインは、コストパフォーマンスもよく日本でも人気です。そうかと思うと、独特な気候条件を生かした上級のワインも作っています。

ぜひ、比べてみてください。

プリミティーボ・ディ・マンドゥーリアDOP(ポッジョ・レ・ヴォルピ)

プーリア州の土着品種100%で作られたプリミティーボは、豊かな果実味があふれるエレガントなワインです。ワイン雑誌「リアルワインガイド」誌で、旨安ワイン大賞を受賞したということが納得できる上質な味わいです。

人気ランキングでも、常に上位にランキングされています。

ポッジョ・レ・ヴォルピは、なるべくコストパフォーマンスのよいワイン作りをしていることで人気のあるラツィオ州のワイナリーです。3代目の現オーナーが、徹底的な改革を行って、プーリア州にも進出し大成功を収めています。

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プリミティーボ・ディ・マンドゥーリア・エス(ジャンフランコ・フィーノ)

コストパフォーマンスがよいことで有名なプーリアのワインの中で、最も高く評価されている話題の造りてジャンフランコ・フィーノが手掛けるプリミティーボ。

イタリアの主要ワインガイド5誌の総合点で選ぶランキングで、3年連続1位に輝いたという偉業を成し遂げました。

とことんまでこだわって、プリミティーボの持つ力を最大限に表現した話題のワイン。プーリア州のワインに関するイメージを一新した注目のワイナリーです。

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まとめ

南の輝く太陽のもとで生み出される個性的な土着品種の赤ワイン。

フルーティーな香りと美しいルビー色のワインは、コストパフォーマンスの良さも加えて、イタリア国内でも売り上げが急上昇しています。

赤ワインだけではなく、しっかりした土着の白ワインも人気が上昇中です。

これまでの量産ワインというイメージも徐々に払拭し、自然を生かした有機栽培のワインを含め、個性的で質の高いワインが手ごろな値段で手に入ると注目されています。

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