エミリア・ロマーニャ州のワインの特徴、当たり年や主なワイナリー

Good Wine 編集部Good Wine 編集部

2018.08.23 公開 | 2018.08.23 更新

イタリア半島中北部に東西に横たわるようなエミリア・ロマーニャ(EMILIA ROMAGNA)州。北はロンバルディア州、南はトスカーナ州に接していて、州都は世界最古の大学があるボローニャ(BOLOGNA)。

パルマ(PARMA)の生ハムやパルミジャーノチーズ、モデナ(MODENA)のバルサミコ酢など、この地方はイタリアの食の宝庫とも呼ばれるほど、豊かな食材がたくさんあるうえに、フェラーリ社やランボルギーニ社などの本社があるように工業も盛んで、イタリアの中でも裕福な地域です。

ポー(PO)川の肥沃なパダノ(PADANO)平野が広がる州内のほぼ全域でブドウが作られていて、赤のスパークリングワイン、ランブルスコのような、この地方の料理に合わせて日常的に楽しめる手軽なワインが多く作られています。

エミリア・ロマーニャ州のワインについて

毎年夏にエミリア・ロマーニャ州では、トラモント・ディヴィーノという食の祭典のツアーが州内の大きな都市で開かれます。街の中心の広場やエノテカなどで合計約300種類の州のワインが試飲できるほか、パルマの生ハムやチーズなどを用いたクッキングショウまで行われ、美食の都としてアピールする恒例のイベントです。

ランブルスコは、2017年イタリアのスーパーやディスカウントストアで最も売れたワインで、日常的に楽しむワインとして変わらない人気を誇っています。

生産されているブドウ品種

エミリア・ロマーニャ州では多くのブドウ品種がありますが、代表的な発泡性の赤ワイン、ランブルスコを作るランブルスコ。そしてトレッビアーノ・ロマニョーロとサンジョベーゼです。州内のさまざまなエリアで作られ、多くのワインに使われています。

また、DOCGワインなどに使用されているピニョレットやアルバーナ・ロマーニャは、エミリア・ロマーニャ州の土着品種です。

そのほか、国際品種であるカベルネソーヴィニヨンやメルローも広い範囲で栽培されています。

  •  サンジョベーゼ
  •  ランブルスコ
  •  バルベーラ
  •  ボナルダ
  •  トレッビアーノ・ロマニョーロ
  •  カベルネソーヴィニヨン
  •  メルロー
  •  ピニョレット
  •  アルバーナ

エミリア・ロマーニャ州のテロワールについて

エミリア・ロマーニャ州は南はアペニン山脈に接していて山岳部が25.1%、丘陵部が27.1%で、北がポー川に接しているパダノ平野で、平野部分は47.8%を占めています。

東西に長い州は、西側が大陸性気候で、アドリア海に面している東側は地中海性気候。中央部は昼と夜の1日の寒暖差が大きく、丘陵部からの爽やかな風と海からの風が一緒になって、ブドウの成長にとって最適な環境です。

ポー川に沿ったパダナ平野の土壌は基本的に川からの堆積作用によってできたもので、粘土やシルトが豊富に含まれた肥沃な大地です。

一方アペニン山脈のあたりは、石灰分を含む粘土質やシルトでできていて、上質なワイン造りに適しています。

州の東端のフェッラーラの近くは、砂質を多く含んだ痩せた土地ですが、そのためにフィロキセラの被害を避けることができた特殊な地域です。

エミリア・ロマーニャ州の格付けについて

1967年のイタリア初のDOCGの格付けに選ばれたアルバーニア・ロマーニャと2010年にDOCGに昇格したコッリ・ボロニェーゼ・クラッシコ・ピニョレットの2つのDOCG。そして、DOCが18にIGTは9つあります。

DOCG、DOP、IGTの格付けワイン数は比較的多いにも関わらず、その生産量は全生産量に対して半数に満たない約43%です。

エミリア・ロマーニャ州の主な産地

横に長いエミリア・ロマーニャ州は、歴史的に西側のエミリア地方と東側のロマーニャ地方と、2つのエリアに分かれていますが、ワインに関しても、大きくこの2つに分かれます。

エミリア地方では、一番西側にあるピアチェンティーニ(PIACENTINI)とパルマ(PARMA)の丘の周辺、ランブルスコで有名なレッジオ・ネッミーリア(REGGIO NELL’
EMILIA)とモデナ(MODENA)、白ワインが伝統的なボローニャ(BOLOGNA)周辺のエリア。

そしてサンジョベーゼやトレッビアーノ、アルバーナが広く栽培されるロマーニャ(ROMAGNA)地方には、ポー川のデルタに沿って広がるボスコ・エリチェオ(BOSCO ELICEO)の産地もあります。

  •  モデナ:発泡ワイン、ランブルスコの産地
  •  ロマーニャ:州南西側のアペニン山脈に沿った丘陵地

エミリア・ロマーニャ州の生産量

エミリア・ロマーニャ州は、51,700ヘクタールのブドウ畑があって、ヴェネト州、プーリア州についでイタリア20州の中で3番目に生産量が多く、2017年は5,893ヘクトリットルの生産量です。イタリアの総生産量の14.7%を占めています。それでも夏の猛暑と冬の寒が長く続いた天候の不順をうけて、生産量が前年に比べて25%も減少しています。

2017年の9カ月の輸出量は2016年の同時期に比べて11.8%も増加しています。輸出額は230百万ユーロで、イタリア平均を超えています。

エミリア・ロマーニャ州のワインの歴史

古代ローマ以前

エミリア・ロマーニャ州を代表するブドウ品種ランブルスコは、この土地の土着のブドウ品種で、紀元前20世紀から10世紀のころから野生のブドウとしてこの地に生育していたと言われます。ブドウの栽培は紀元前10世期頃から始まり、続くエトルリア文明のころには、アルバーナ種やトレッビアーノ種などを用いたワイン造りを行っていました。

古代ローマ人によって征服された後、本格的なワインの製造が始まり、5世紀ころ、新しく入ってきたブドウ品種によって、ワイン造りは発展します。ところがその後、古代ローマの崩壊とともに衰退していきます。

中世から近代

中世をとおしてベネディクト修道会によって、かろうじてワイン造りが続けられました。特にランブルスコが人気で、

1800年ころには、この地方もフィロキセラの被害を受けましたが、ポー川のデルタに広がる地方だけは被害を免れ、現在でも昔からのフォルターナというブドウ品種が残っています。

20世紀

1900年代になると、イタリアの他の地域のように競ってワインの量産を始めました。特にランブルスコは大量に作られ、アメリカ合衆国などへ輸出され、大量生産のワインとして世界的に知られるようになりました。

1960年代から、量だけではなく質の向上を重視するようになり、特に東部のロマーニャ地方ではイメージアップを図るために協同組合などを作り、ロマーニャ製のワインの品質を高める努力を始めます。

1970年には州立のエミリア・ロマーニャ州立のエノテカも設立し、土着のブドウ品種のワインと国際的な品種と地元の品種を混合したワインのアピールに力を入れています。

エミリア・ロマーニャで特に有名なワイン

エミリア・ロマーニャ州では、ランブルスコなどの毎日の食事に合う気楽に飲めるワインが有名ですが、最近では、量だけではなく質の高いワインの生産にも力を入れています。

コンチェルト(メディチ・エルメーテ)

エミリア・ロマーニャ州を代表するランブルスコの中でも、レッジオ・ネッミーリア周辺で作られる高品質のランブルスコ・レッジャーノ。19世紀の末に創設されたワイナリーは現在で4代目。イタリア最大のワインフェア、ヴィーニタリーで最優秀ワイナリー賞を受賞した名門ワイナリーです。

ガンベロロッソというワインガイドで、ランブルスコとしては初めて2年連続最高のトレ・ビッキエッリを獲得したワインです。大量生産が多いランブルスコの中で、単一畑で生産されたブドウから良質なものだけを選んで作られた上品で繊細な特別な極上ワイン。

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ランブルスコ・ガスパロッサ・ディ・カステルヴェトロ(カビッキオーリ)

1900年代の初めにモデナの北に誕生した歴史あるワイナリー。伝統的な作り方を大切にしながらも、最新の技術を取り入れ、ランブルスコの品質の向上に努めてきました。手ごろな値段で、高い品質のワインを供給できる安定した生産者として定評があります。

やや甘口なので飲みやすいと女性にも人気のワインです。

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まとめ

日本でも人気のミートソーススパゲッティ、パルマの生ハム、パルミジャーノチーズなど、すべてエミリアロマーニャ州の特産です。こうした美味しい食材に合わせて気軽に楽しめるのがエミリア・ロマーニャ州のワインの特徴です。

毎日でも飲めるような金額で、値段と品質のバランスがちょうどよい嬉しいワインが多いところも特徴です。赤、白ともに人気のスパークリングタイプのワインも多いので、爽やかな味が楽しめます。