ザーレ・ウンストルート地方のワインの特徴、当たり年や主なワイナリーまとめ

Good Wine 編集部Good Wine 編集部

2019.05.15 公開 | 2019.05.15 更新

ザーレ・ウンストルート地方は、「ザーレ=ウンストルート地方」「ザーレ・ウンシュトルート」とも記される、ドイツのワイン名産地のうちの一つです(ここでは「ザーレ・ウンストルート地方」の表記で統一します)。

その歴史は非常に古いとも言われていますが、一方で、生産量は決して多くないという特徴があります。

ザーレ・ウンストルート地方ワインについて

ザーレ・ウンストルート地方は、非常に生産高が少ないところとして知られています。

栽培面積こそ765haと、ミッテルラクィンやザクセン、アール地方以上の広さを誇っていますが、生産量は決して多くなく、ドイツ13地方のなかで2番目に少ない生産高なのです。

そのため、ザーレ・ウンストルート地方のワインを日本で手に入れることはかなり難しいのが現状です。

ドイツワインを専門に扱うワインショップなどで限定的に取り扱われるのみにとどまり、一般的なワインショップではほとんど見ることができません。

ただ、ザーレ・ウンストルート地方のワインは歴史が非常に古く、1066年と、今から1000年以上前にはすでにブドウ栽培を始めていたとされています。

なお、ザーレ・ウンストルート地方では、アウスレーゼやベーレンアウスレーゼなどの糖度の高いものはほとんど作られていません。

生産されているブドウ品種

ザーレ・ウンストルート地方では、よくミュラー・トゥルガウを生産しています。

また、ヴァイスブルグンダーもよく育てており、この2つで全体の30パーセント程度を占めています。

それ以外には、リースリングやシルヴァーナを育てていますが、ドルンフェルダーなどもしばしばみられます。

特に、ザーレ・ウンストルート地方のミュラー・トゥルガウは注目されます。品がよく、きめ細やかな美しいワインであるとされており、重宝されています。

ミュラー・トゥルガウは、ザーレ・ウンストルート地方でもっとも多く作られているブドウです。

ちなみに、とても珍しい「ケルンリング」というブドウ品種も持っています。

ケルナー種が突然変異を起こした結果としてできた、まさに偶然の賜物であり、リースリング種の特徴も持っています。

強く、そして優れた味を出すブドウ品種なのですが、とても珍しいものですから、見かけたら一度購入してみると面白いでしょう。

生産高が少ない地方ではありますが、30品種程度のブドウが育てられています。そのため、現地に足を運べば、さまざまなブドウでつくられたワインが楽しめるでしょう。

もっとも、日本に入ってくるザーレ・ウンストルート地方のワインは、まず数が少ないため、品種を限定してしまうと選べなくなってしまうこともよくあります。

ザーレ・ウンストルート地方のテロワールについて

ウンストルート川があり、渓谷も有しています。貝殻が含まれた土壌ですが、石灰質や砂岩もあります。

特に砂岩は、ウンストルート川と渓谷(ザーレ渓谷)周りの特徴だといえるでしょう。

水分をよく蓄える土壌であり、熱を抱え込むこともできる土壌でもあります。

ドイツワインの格付けについて

ドイツワインの格付けは、4段階に分けられます。
・「プレディカーツヴァイン(生産地限定格付け上級ワイン)」
・「Q.b.a(生産地限定上級ワイン)」
・「ラントヴァイン(地理的表示つきワイン)」
・「ドイツァーワイン(地理の表示のないワイン)」

ここで述べている「アール地方」というのは、Q.b.aの分類です。そしてそのなかでも、「ベライヒ」と呼ばれる「地区」に分類されることになります。

また、ここでは大きくは取り上げていませんが、V.D.Pという品質基準を採用することもあります。

ザーレ・ウンストルート地方内の主な産地

ザーレ・ウンストルート地方では、「ホーエ・グレーテ」という畑を有する、カールスドルフという村が有名です。「ホーエ・グレーテ」は「山頂」といった意味を持つ畑の名前です。

ほかにも、シュタインエックと名付けられた畑もあります。

具体的な畑の名前が取り上げられる機会は、日本においてはそれほどないかもしれません。

ザーレ・ウンストルート地方ワインの生産量

ザーレ・ウンストルート地方のワインの生産量は、前述してきたように、決して多くはありません。

ドイツのワイン名産地13地方のなかで2番目に生産高が少なく、日本では非常に手に入りにくいでしょう。

ザーレ・ウンストルート地方のワインのうちの74パーセント程度は白ワインで構成されています。

残り4分の1程度が赤ワインです。これはドイツのワイン名産地でよく見られる図式でもあります。

ザーレ・ウンストルート地方で特に有名なワイン

ザーレ・ウンストルート地方のワインは、それほど多くは出回っていません。

ただ、ツァーン醸造所のワインなどは、時々目にすることがあります。

ツァーン醸造所のワイン

上でも挙げた、ケルンリングを使ったワインを楽しむことができます。簡単に「ザーレ・ウンストルート シュペトレーゼ」などのように記されます。

甘く爽やかな味を誇る白ワインです。ややはちみつにも似た香りを持ちますが、ブドウや青リンゴの風味を感じさせるものであり、飲みやすいのが特徴の白ワインです。

ケソ・デ・ムルシア・アル・ビノ(スペインのチーズであり、表面を赤ワインで洗いながら作るチーズ。ウォッシュのように思われるが、分類上はハードチーズ)と相性のよいワインです。

赤ワインで洗って作るチーズであるケソ・デ・ムルシア・アル・ビノは、赤ワインに合わせるチーズとして知られていますが、この白ワインとはよく合います。

ツァーン醸造所では、白ワインだけでなく、赤ワインも育てています。これも、ケルンリング同様なかなか耳にすることのない「アコロン」というブドウを使って作られるものです。

ワインそのものを楽しむことはもちろん、あまり口にすることのないブドウを楽しむという意味でもおすすめですから、一度試してみるとよいでしょう。

まとめ

ザーレ・ウンストルート地方は、ドイツのワイン名産地13地方のなかの1つとして取り上げられるものです。

しかしその生産量は非常に少なく、ザクセンに続いて下から2番目の位置にあります。このため、日本でザーレ・ウンストルート地方のワインを買うことはかなり難しいでしょう。

30品目程度のブドウを育てていますが、日本で購入する場合は、品種にこだわってしまうとほとんど手に入れることができません。

ただ、2018年11月現在、日本で扱われている数少ないザーレ・ウンストルート地方のワインは、非常に面白いブドウを使って作られているため、一度味わってみる価値は十二分にあります。

「試したことのないブドウでつくられたワインを楽しみたい」という人にもおすすめです。