ザーレ・ウンストルート地方のワインの特徴、当たり年や主なワイナリーまとめ

Good Wine 編集部Good Wine 編集部

2019.05.15 公開 | 2019.08.19 更新

北緯51度付近に位置する、ドイツ最北のワイン生産地の1つです。

名前の由来にもなった、ザーレ川とウンストルート川流域へブドウ畑が広がっており、少し離れたブランデンブルク州へも畑が分散しています。

旧東ドイツ時代に機械化が進められましたが、トラクターを使用するために畑の畝の間隔を広くしたことで、結果的に植樹できるブドウ樹が減り、収穫量自体も減少しました。

東西ドイツ統一後には、旧西側から醸造家が移住してきたり、ブドウ畑を買い足して醸造所を設立したりするなど、様々な背景でワイン造りへ参入する醸造家が増えました。

ザーレ・ウンストルート地方のワインについて

この地のブドウ栽培の歴史は古く、神聖ローマ帝国時代にまで遡ります。

最古の史実とされる、998年のオットー3世による修道院への寄進状によりブドウ栽培が始まり、16世紀には最盛期を迎えたと言われています。

その後、フィロキセラを筆頭とするウドンコ病、ベト病などの疫病による影響を受け、急激な衰退が起こりましたが、現在は生産者らの努力が実り、かつての隆盛を取り戻しつつあります。

ここでは約30種類ものバラエティー豊かなブドウが栽培されているため、多種多様なワインを楽しむことができます。

最北の生産地ゆえブドウの成熟期間は長く、ゆっくりと熟していくことから、酸味と果実味のバランスが取れた上質なワインが造られています。

生産されているブドウ品種

黒ブドウ品種では、ドルンフェルダー、ポルトギーザーが生産されています。

白ブドウ品種は多岐にわたり、ミュラー・トゥルガウ、ヴァイスブルグンダー、リースリング、ジルヴァーナー、バッフス、グラウブルグンダーなどが生産されています。

ザーレ・ウンストルート地方のテロワールについて

ハルツ山地、チューリンガー・ヴァルト山地という2つの山地の影響で雲が遮られ、降雨量は少なく乾燥しています。

大陸性気候により、夏は暑く冬は寒いため年間の気温差は大きくなり、必然的にブドウ畑は温暖な川沿いの谷間にある南向き斜面へ集中しています。

2つの川の流域に多く含まれる雑色砂岩と貝殻石灰岩は、水はけが良く通気性に優れているため、蓄熱の効果が高いことが特徴です。

ザーレ・ウンストルート地方の主な産地

以下、3地区の特定ワイン生産地域(ベライヒ)が存在します。

  • チューリンゲン(Thueringen)
  • シュロス・ノイエンブルク(Schloss Neuenburg)
  • マンスフェルダー・ゼーン(Mansfelder Seen)

特に、シュロス・ノイエンブルク(Schloss Neuenburg)のフライブルク村(Freyburg)は、この地のワイン造りの中心地となっています。

ザーレ・ウンストルート地方の生産量について

ワインの年間生産量は55,588hl、ブドウ栽培面積は772haとなっています(2017年データ)。

ザーレ・ウンストルート地方で特に有名なワイン

ルツケンドルフ

1950年代に起こった東西ドイツ分断のあおりを受け、ルツケンドルフ醸造所は一時的に所有畑を手放さざるを得ませんでした。

しかし、東西ドイツ統一後の1991年にようやくブドウ畑を取り戻すことに成功しました。

当時のブドウ畑は非常に劣悪な状態でしたが、南ドイツのワイナリーで経験を積み、徐々に頭角を現したルツケンドルフ醸造所は、4年後にVDP認定ワインをリリースする快挙を成し遂げました。

現在は約10haの畑を所有しており、主にリースリング、ピノ・ブラン、ジルヴァーナーなどの伝統的なブドウ品種の他、この地では珍しいシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)、ツヴァイゲルトを栽培しています。

この産地のワインは、日本どころかドイツ国内でも稀少なため、ほとんど見掛けることはありませんが、チャンスがあればぜひ試してみてください!

まとめ

歴史を感じさせる多くの遺跡物は、この地の見所の1つとなっています。

特に、数百年前に造られた石壁が遺されており、ブドウ畑を形作るための石垣や柱だけしかない簡素な小屋など、当時のままの趣ある情景を楽しむことができます。

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