ファルツ(プファルツ)地方のワインの特徴、当たり年や主なワイナリーまとめ

Good Wine 編集部Good Wine 編集部

2019.05.08 公開 | 2019.05.08 更新

「ファルツ(プファルツ)」は、ドイツにあるワインの名産地です。

ドイツの主な生産地13のなかでも比較的有名なところであるため、「知らず知らずのうちにここのワインを飲んでいた」という人もいるでしょう。

今回は、この「ファルツ地方」について取り上げます。

ファルツ地方ワインについて

ファルツ地方は、フランスに程近いところに位置する地方です。

フランスの国境近くにまで広がっており、「ドイツワイン街道」を有する地方でもあります。

ファルツ地方は、非常に特徴的な地域です。

ドイツワインの歴史は古代ローマにまでさかのぼることができますが、ファルツ地方のワインが注目されるようになったのは、わずかここ20年近くのことです。

2000年を契機とし、それ以降で急速に知名度と評価が挙がった土地であり、ほかのドイツワインとは一線を画します。

特に現在では、若手醸造家の作るワインに熱い注目が集まっています。

生産されているブドウ品種

ドイツワインによく使われる「リースリング」の栽培がもっとも多く、全体の24パーセント近くに上っています。

ただ、ファルツ地方の場合は赤ワイン用のブドウの栽培も盛んで、ドルンフェルダーも育てています。

ドルンフェルダーは1955年に生まれた比較的新しいブドウであり、1980年代から少しずつ広まっていった品種です。

とても強い品種であり、どのようなテロワールでも安定して作ることができるうえ、腐りにくく、育てやすい品種だとも言われています。

果実味の強い味と、優しい口当たりも人気を博しています。

これ以外の品種としては、比較的知名度の高い「ミュラー・トゥルガウ」などがあります。

ただ、現在はリースリングとドルンフェルダーで全体の40パーセント近くを占めており、ミュラー・トゥルガウやポルトゥギーザー(赤ワインに使われるブドウ)、それ以外の品種をあわせて、ようやく60パーセントに手が届くくらいです。

ファルツ地方のテロワールについて

ファルツ地方のテロワールについて見ていきましょう。

ファルツ地方のテロワールを語るうえで、「粘土」と「泥灰土(粘土と石灰岩が混ざり合うことによって発生した堆積物。カルシウムを中心としたミネラルを含む)」は欠かすことのできないキーワードとなります。

この2つによって形成された土壌で育まれるワインは、ミネラル分が豊富で、香り高いワインとなります。

ファルツ地方にあるワインのなかには強烈な個性を持つものもあります。

これは泥炭土と黄土(砂よりも細かいもので、黄色に近い色をしている。鉄分を中心としたミネラルを多く含む)から育まれるものであり、同じ「ファルツ地方のワイン」といっても、その個性はまったく異なります。

ドイツワインの格付けについて

ドイツワインの格付けは、4段階に分けられます。
・「プレディカーツヴァイン(生産地限定格付け上級ワイン)」
・「Q.b.a(生産地限定上級ワイン)」
・「ラントヴァイン(地理的表示つきワイン)」
・「ドイツァーワイン(地理の表示のないワイン)」

ここで述べている「アール地方」というのは、Q.b.aの分類です。そしてそのなかでも、「ベライヒ」と呼ばれる「地区」に分類されることになります。

また、ここでは大きくは取り上げていませんが、V.D.Pという品質基準を採用することもあります。

ファルツ地方内の主な産地

ファルツ方地方には、いくつかの有名な村があります。

「フォルスト」「デュルクハイム」、また「ジーベルデインゲン」「シュヴァイゲン」などの村が有名です。

ファルツ地方に限ったことではありませんが、ドイツのワイン生産地の有名な畑は、それぞれ意味のある名前を冠しています(例外もあります)。

たとえば、フォルスト村にある有名な畑の「ウンゲホイヤー」には「怪物」といった意味が、ジーベルデインゲンにある「ゾンネンシャイン」という畑には「陽光」といった意味があります。

このあたりを見ていくのも、少し面白いですね。

ファルツ地方ワインの生産量

ファルツ地方のワイン生産量は、1,765,068hlです。

ワインの生産量は、ドイツの13の産地のなかで、ラインヘッセンに次いで多く、ドイツワインの総生産高を支えています。

白ワインの生産高が高く、全体の60パーセント以上です。

赤ワインも40パーセント程度の割合で育てていて、バーテンほどではないものの、赤ワインと白ワインの生産高の差が少ない地方でもあります。

ファルツ地方(ドイツ)地方で特に有名なワイン

ここからは、ファルツ地方の有名なワインをご紹介します。

ヨーゼフ・ビファー醸造所のワイン

もともとはフランスに住んでいた一家が1723年に移住、そしてダイデスハイムに1879年に醸造所を構えます。

ここのワインには、日本人も深く関わっています。

後継者問題に悩んでいたこのヨーゼフ・ビファー醸造所が見出したのが、男爵家の醸造所でその再建に携わっていた徳岡史子という日本人でした。

長く愛されているヨーゼフ・ビファー醸造所のワインは、このように日本とも関わりが深いものです。

「ヨーゼフ ビファー リースリングカビネット」など、求めやすい値段のワインを打ち出しています。

リンゲンフェルダーのワイン

100年以上使っている赤ワインのタルや、生産地であるファルツ製のタルを使った醸造で有名です。

かつてはアイスワインの名家として知られていましたが、現在はテーブルワインをよく扱っています。

「自分自身の目で管理できるところまでのブドウを使ってワイン造りをする」という職人気質によって作り上げられるワインは、多くの人に愛されています。

まとめ

13地方のなかでも生産高が高いファルツ地方のワインは、日本でもよく飲むことができます。

なかには日本人の醸造家が深く関わっているものもあります。

テロワールによって味わいや個性が異なるため、同じファルツ地方のなかでも差異がでやすいのが特徴です。

これを楽しんでみるのもよいでしょう。