ナーエ地方のワインの特徴、当たり年や主なワイナリーまとめ

Good Wine 編集部Good Wine 編集部

2019.01.09 公開 | 2019.01.09 更新

ドイツには数多くのワイン名産地があります。今回は、そんななかから「ナーエ地方」を取り上げます。

ナーエ地方のワインは、非常に複雑な表情を持つ土壌に育てられています。そしてこれが、ナーエ地方のワインの特徴ともなっています。

ナーエ地方ワインについて

ナーエ地方は、さまざまな地域の「良いところ」を併せ持ったワインを作ることのできる地域として知られています。

シャルドネは、もっともよくその地方の個性やテロワールの影響を反映するブドウと評されますが、ナーエ地方で生産されているリースリングにも似たようなことがいえるでしょう。

ナーエ地方(特に南部)で生産されるリースリングは、花のようなかぐわしい香りと、品の良さを兼ね備えていると言われています。これはモーゼルの、あるいはラインガウの特徴とされています。

ナーエ地方は、この2つの偉大な特徴を抱きつつも、活力のあるワインを育てることで知られており、非常においしいワインを作り上げています。

また、北部で作られるワインなどは物によっては、ラインヘッセンのものと似た雰囲気を抱くものもあります。

生産されているブドウ品種

やはりリースリングがもっとも多く、これが28パーセント程度を占めています。また、同じ白ワインのブドウであるミュラー・トゥルガウが2位についており、約13パーセントです。

このあたりは、ドイツのほかのワイン名産地にも繋がるところがあるといえるでしょう。

続いて「ドルンフェルダー」がランクインし、これが10パーセント程度です。シュペートブルグンダーや、シルヴァーナーも育てています。

ナーエ地方のテロワールについて

ナーエ地方のワイン畑は、非常に複雑です。石英岩や斑岩、それから黄土層などからなっていますが、北の地方と南の地方ではテロワールも変わります。

北部はラインヘッセンによく似た雰囲気を抱くワインを作り、南部はモーゼルワインやラインガウワインに似た雰囲気を抱くワインを生産しています。

北部は砂岩などが、南部は粘板岩がよく見られるからだとされています。ワインは同じ地方であっても北と南で方向性が異なることもよくあります。ナーエ地方もそれにもれません。

ちなみに、ナーエ地方では、急な斜面にもワイン畑を作っています。ここからとられるブドウでつくられるワインは、特に高品質だとされています。

ドイツワインの格付けについて

ドイツワインの格付けは、4段階に分けられます。
・「プレディカーツヴァイン(生産地限定格付け上級ワイン)」
・「Q.b.a(生産地限定上級ワイン)」
・「ラントヴァイン(地理的表示つきワイン)」
・「ドイツァーワイン(地理の表示のないワイン)」

ここで述べている「アール地方」というのは、Q.b.aの分類です。そしてそのなかでも、「ベライヒ」と呼ばれる「地区」に分類されることになります。

また、ここでは大きくは取り上げていませんが、V.D.Pという品質基準を採用することもあります。

ナーエ地方内の主な産地

ナーエ地方は、ラインヘッセンなどの雰囲気も受け継ぐワインを生産していますが、畑名でも「ラインベルク」と名付けられたものがあります。「ライン(の)山」という意味で、ミュンスター・ザルムスハイム村にある畑です。

また、「王様の盾」という美くしも雄々しい名前(ケーニヒスシルト)」を冠した畑や、「ヨハニスベルク」という名前の畑もあります。

ヨハニスベルクは「ヨハネ(の)山」という意味ですが、この名前そのままのお城もありますね。

ナーエ地方ワインの生産量

ナーエ地方は、ドイツの13のワイン名産地のなかで、8番目の生産量を誇る地域です。

「よく生産されるブドウの品種」からもイメージしやすいかと思いますが、ナーエ地方の場合、ほかのドイツの地方と同様、白ワインの生産量の方が赤ワインよりもずっと多い地域です。

全生産高の75パーセント程度が白ワインであり、赤ワインは全体の4分の1程度にすぎません。
ただ、前述したように、ナーエ地方の土壌は非常に多岐に富んでいるため、なかなか楽しい地域でもあります。

その土壌の種類は、なんと180種類以上にもなるのだとか。

ちなみに、しばしば並んで語られる「ラインガウ」もまた、ナーエ地方とほとんど同じ収穫高です。

比率は違うものの(ラインガウの場合は85パーセント程度)、白ワインの方が多く生産されている点でも共通しています。

ナーエ地方(ドイツ)地方で特に有名なワイン

ここからは、ナーエ地方のワインについて見ていきましょう。

ナーエ地方は、それほど生産量が少ない地域ではありません。そのため、「よりどりみどり」とまでは言えませんが、日本でもいくつかの種類は取り扱いがあります。

ブドウの品種やヴィンテージを限定しなければ、買うことはできるでしょう。

アーデルスエック家のワイン

アーデルスエック家が打ち出す「ブルク ライヤーシュロスカペレ カビネット」は、飲んだ瞬間、「ドイツの白ワインらしい白ワイン」と感じさせられるものです。

のど越しがよく、花の香りをしっかりまとい、甘く……というように、私たちが「ドイツワイン」と聞いたときに思い浮かべるワインのイメージをそのまま映しています(ただしこれは、ファーバレーベという、ミュラー・トゥルガウとヴァイスブルグンダーを組み合わせたブドウを使っています)。

べたつきはしない、しかしはちみつのような味わいがあるワインで、青りんごの香りもあります。柔らかめのチーズとの相性がよく、コストパフォーマンスにも優れています。

クロスター醸造所のワイン

「アマリエナーエドルンフェルダーQ.b.A.」は、日本でもとてもよく見るナーエ地方のワインであり、クロスター醸造所で作られています。

ナーエ地方では比率の少ない赤ワインである、ドルンフェルダーというブドウでつくられています。

アマリエナーエドルンフェルダーQ.b.A.が日本で人気を博している理由の一つが、その愛らしいパッケージデザインでしょう。ハートが描かれたエチケットで、しかもワイン自体も甘口です。このため、女性にとても人気です。

バレンタインデーやホワイトデーの贈り物としても利用することができるでしょう。

まとめ

ナーエ地方は、さまざまな表情を持つ土壌で構成されている複雑な地域です。

また、ほかのドイツの地方とも似たテイストを持つものもあり、なかなか面白い生産地だといえるでしょう。

白ワインの方が生産高が多く、赤ワインの生産高は全体の4分の1にすぎません。しかし、ブドウの品種を選ばなければ、日本国内でも比較的よく取り上げられており、購入に困ることはないでしょう。

柔らかな味わいのワインも多く、愛らしいパッケージデザインのものもよく見られるため、贈り物としても使いやすいという特徴を持っています。