モーゼル地方のワインの特徴、当たり年や主なワイナリーまとめ

Good Wine 編集部Good Wine 編集部

2018.12.28 公開 | 2018.12.28 更新

「モーゼル」は、日本でもっとも有名なドイツのワイン生産地のうちの一つだといえるでしょう。

「ドイツワインの名産地といえば?」と聞けば、多くの人が、モーゼルを挙げるのではないでしょうか。

今回は、このモーゼル地方のワインについて取り上げます。

モーゼル地方のワインについて

モーゼル地方は、ラインヘッセンとファルツについでワインの生産量が多い地方です。栽培面積は13地方のなかで5番目の広さなのですが、良質なワインがよく生産されています。

モーゼル川と、ザール川とルーヴァー川(モーゼル川の支流)の3つの川を擁く地方であり、「川のどのあたりにある畑か」で土質が大きく異なることでも知られています。

ワインの味もその影響を色濃く受けます。

たとえば、モーゼル地方の中部に位置するベルンカステルでは果実味が非常に豊かなワインが作られることになりますし、地域によってはパワフルでマニッシュ、そしてミネラル分を強く感じさせる味わいに仕上げられることもあります。

「モーゼル地方」というくくりのなかにあってさえ、数多くの味わい、地方によって異なる味わいのワインを楽しめるのが、この地方の特徴だともいえるでしょう。

ドイツワインの歴史を語るうえで、モーゼル地方は欠かすことのできない土地です。

モーゼル地方は、ドイツでもっとも古くからワインを作り出している地方であり、ドイツワインの歴史はここに端を発しています。

特に、現在もモーゼル川の上流で育てられている「エルプリンク」はドイツで最古のワイン用のブドウです。

今でもモーゼル地方全体で生産されるブドウ品種の3番目に位置しており、白ワインの原材料としてだけでなく、発泡酒(スパークリングワイン)の原材料としても利用されています。

リースリングをよく育てている地方ですが、モーゼル地方は日本でも非常に有名な地方です。

ここのワインは日本にもとてもよく入ってきています。今から50年ほど昔の作品などにも、「モーゼル地方で造られたワイン」が取り上げられるなど、古くから日本でも知名度の高い地方だといえるでしょう。

日本の市場にもよくモーゼル地方のワインは出回っており、比較的安価で買えるものから10万円を超えるものまで販売されています。

このような、「選択肢の豊富さ」もまた、モーゼル地方のワインの特徴といえます。

ちなみに、「モーゼル地方のワイン」といえば緑色のボトルをイメージする人も多いかと思われますが、現在では青色のボトルなどで提供されるものも出てきています。

生産されているブドウ品種

モーゼル地方でもっとも多く育てられている品種は、やはりリースリングです。

どの地域かによって多少の差はありますが、モーゼル地方で育てられているブドウのうちの60パーセント以上がリースリングです。

モーゼル地方は日本でも有名な地方であるため、特に意識せずにモーゼル地方のリースリングを飲んだことがある人もいるでしょう。

モーゼル地方でつくられているブドウのなかで、2位にランクインしているのはミュラートゥルガウです。

また、上記でも触れましたが、「エルプリンク」という品種も育てられています。モーゼル地方で3番目のブドウです。

これはなんと2000年ほども前からつくられていたと言われているブドウであり、非常に特徴的です。土着の品種として知られていますが、エルプリンクが3位以内に入ってくるのは唯一モーゼル地方だけです。

モーゼル地方はドイツのワイン名産地13地方のなかでもっとも古い歴史を持っていますが、ブドウにもその傾向が表れていると考えるべきでしょう。

その意味でも、モーゼル地方はほかの地方とは異なる特徴を有しています。

モーゼル地方のテロワールについて

モーゼル地方のテロワールは、地方によって異なります。
粘板岩質を持っているところもあれば、貝殻石灰岩を持っているところ、石灰質が混ざっていないところなどもあります。

このため、同じ「モーゼル地方のワイン」といっても、まったく違う様相を呈することになります。

ただ、モーゼル地方の特徴として、「急斜面で育てられていることが多い」という点が挙げられます。全体のなんと4割が、30度以上の斜面の畑で育てられています。

降水量は比較的多いものの、暖かい地方です。生育期間も長く、11月まで待ってから収穫される場合もあります。

ドイツワインの格付けについて

ドイツワインの格付けは、4段階に分けられます。
・「プレディカーツヴァイン(生産地限定格付け上級ワイン)」
・「Q.b.a(生産地限定上級ワイン)」
・「ラントヴァイン(地理的表示つきワイン)」
・「ドイツァーワイン(地理の表示のないワイン)」

ここで述べている「アール地方」というのは、Q.b.aの分類です。そしてそのなかでも、「ベライヒ」と呼ばれる「地区」に分類されることになります。

また、ここでは大きくは取り上げていませんが、V.D.Pという品質基準を採用することもあります。

モーゼル地方内の主な産地

モーゼル地方は非常に多くのワインを作り出す地方です。そのため、有名な地区・有名な畑も数多くあります。

「天国(ヒムメルライヒ)と名付けられた畑もあれば、「薬局(アボテーケ)」と名付けられた畑もあります。

また、キリスト教に関連した名前をつけられた畑もよく見られます。

ほかの地方でも触れましたが、このような、なんとも楽しい畑の名前は、ドイツのワイン畑の特徴ともいえます。

モーゼル地方ワインの生産量

モーゼル地方のワインの生産量は非常に多く、ドイツのワイン名産地13地方のなかで3番目にランクインする生産量を誇ります。

そのうちの大半は白ワイン用のブドウです。白ワインと赤ワインの比率は9:1であり(もっと正確に記すのであれば、赤ワインの生産量は1割を切ります)、白ワインが圧倒的多数を占めます。

ドイツの場合、一部の地方を除き白ワインの生産量が赤ワインの生産量を上回りますが、モーゼル地方はほかの12地方と比べてももっとも白ワインの比率が多い地方です。

もっとも、モーゼル地方のワインは非常によく出回っているので、日本でもモーゼル地方の赤は買うことができます。

モーゼル地方(ドイツ)地方で特に有名なワイン

モーゼル地方のワインを取り上げます。

トラベーナ・ウルツガルテン・リースリング・カビネット

あのタイタニック号で振る舞われたワインです。

8.5パーセントと非常に低いアルコール度数であり、すがすがしいながらも甘く優しい香りがするのが特徴です。

「ブドウをそのまま飲んでいるようなワイン」と感じる人もいるでしょう。食前酒、あるいは軽いチーズと合わせると楽しみやすいワインです。

ザール モーゼル ヴィンツァーゼクト社のワイン

ザール モーゼル ヴィンツァーゼクト社のワインは、非常に可愛らしいボトルに入っています。赤ワインも白ワインも展開していますが、特筆すべきはやはりそのボトルの楽しさでしょう。

毎年クリスマスシーズンになると、クリスマスツリー型のボトルに入った愛らしいワインを打ち出します。クリスマスの食前酒として出せば驚かれることまちがいなしです。

このような「楽しいボトル」を出せるのも、モーゼル地方の特徴だといえるでしょう。

まとめ

モーゼル地方は、ドイツでも有数のワイン生産高を誇る地方です。

白ワインの比率がもっとも多い地方であること、もっとも古い歴史を抱いていること、そして土着の品種を育てていることなどから、ほかの地方とは明確に区別されます。

ちなみに、赤ワインの比率は少ないものの、生産量自体が多いので、日本でもモーゼル産の赤ワインは購入できます。