ミッテルライン地方のワインの特徴、当たり年や主なワイナリーまとめ

Good Wine 編集部Good Wine 編集部

2018.12.25 公開 | 2018.12.25 更新

「ミッテルライン地方」は、ドイツのなかではそれほど大きく取り上げられにくい地方です。

しかし美しい景色のなかで育まれるワインは非常においしく、評判の高いものです。

ミッテルライン地方ワインについて

ミッテルライン地方のワインを日本で手に入れることは、かなり難しいといえるでしょう。

一部のドイツワインの専門店や、ドイツ地方のワインが得意なワインショップが一部扱っているのみであり、なかなかお目にかかれません。

「ドイツワイン」というカテゴリーで調べた場合、まず検索に上がって くるのがモーゼル地方のワインなどであり、ミッテルライン地方はほとんど見られません。

これにはきちんとした理由があります。

ミッテルライン地方のワインは、「地産地消」というべきか、その土地でよく消費される傾向が強いという特徴を持っているのです。

大規模ではない蔵の場合、直接販売をしていることも多く、「輸出」というところにまで至らないのが理由です。

ミッテルライン地方は世界文化遺産に登録された美しい景色を持ちます。また、ドイツらしさをたたえる古城も魅力であり、この地を訪れる観光客も多く見られます。

このような観光客に、「その土地、その場、そのお店」で、ミッテルライン地方のワインは提供されています。

生産されているブドウ品種

ミッテルライン地方のワインは、ある意味ではとても「ドイツらしいもの」だといえるでしょう。

ドイツワインに多いリースリングをよく生産しており、全体の7割近くをこれが占めています。また、ミュラートゥルガウも5~6パーセント程度作られています。

シュペート・ブルグンダーは、ドイツで育てられる赤ワイン用のブドウとしてはもっとも多いものです。しかしミッテルライン地方においては、10パーセント程度にすぎません。

ミッテルライン地方のテロワールについて

ミッテルライン地方のワインは、急な角度を持っている斜面で育てられています。

この美しい畑(南側)は、世界文化遺産にも登録されたことで知られています。ワイン栽培業者にとって、大きな誇りとなるこの登録は、非常に意味深いものでした。

粘板岩(スレート)で育まれるブドウは、地質の影響を非常によく受けているとされています。

ドイツワインの格付けについて

ドイツワインの格付けは、4段階に分けられます。
・「プレディカーツヴァイン(生産地限定格付け上級ワイン)」
・「Q.b.a(生産地限定上級ワイン)」
・「ラントヴァイン(地理的表示つきワイン)」
・「ドイツァーワイン(地理の表示のないワイン)」

ここで述べている「アール地方」というのは、Q.b.aの分類です。そしてそのなかでも、「ベライヒ」と呼ばれる「地区」に分類されることになります。

また、ここでは大きくは取り上げていませんが、V.D.Pという品質基準を採用することもあります。

ミッテルライン地方内の主な産地

ミッテルライン地方のなかでもっとも有名なのは、名前も美しい「ローレライ」という地区でしょう。

美しい歌声で船の舵取り人を魅了したと言われる水の精霊の名前を冠したこの地区は、バッハラッハ村やオルツタイル・ボッパルダー・ハムなどの村を擁いています。

「ローレライ」は、地区の名前であると同時に、大きな岩場の名前でもあります。

上記で述べた「舵取り人を魅了して、事故を起こさせた水の精霊」の伝説は、ミッテルライン地方の擁するこの岩場にある岩礁で、多くの船が事故を起こしたことから始まったのだとも言われています。

それとも関わりがあるのかもしれませんが、オルツタイル・ボッパルダー・ハム村には、「岩」の名前を冠した「フォイヤーライ(火災の岩)」「フェッサーライ(バレルの岩)」などの畑がみられます。

ミッテルライン地方ワインの生産量

ミッテルライン地方のワインの生産量は、ドイツの名ワイン生産地13地方のなかで3番目に少なく、27.742リットルです。また、2番目に少ない「ザーレ・ウンストルート」とは僅差です(データによっては、「ドイツで2番目に小さい」とされることもあります)。

もともと生産量が多くないことに加えて、地産地消で消費されるため、日本にはなかなか入ってこないのだと推測されます。

リースリングが全体の7割近い割合を占めていることからもわかるように、ミッテルライン地方での白:赤の比率は、白ワインに大きく傾いています。

白:赤の比率は、85;15程度となっています。

ミッテルライン地方で作られた「白ワイン」は、日本でも少数ながら手に入りますが、「ミッテルライン地方の赤ワインを」と望む場合、難易度はさらに高くなるでしょう。

ミッテルライン地方(ドイツ)地方で特に有名なワイン

ミッテルライン地方のワインを2つほどピックアップしましょう。

アルベルト・ランブリッヒ醸造所のワイン

上でも述べた「ローレライ(の岩)」の近くに存在する醸造所で作られているワインです。

ちなみに現地では、醸造所の横にレストランも開かれているので、ここで食事を楽しむこともできます。

このアルベルト・ランブリッヒ醸造所が作る「ホーホゲヴェクス(2016)」は、はちみつや花の香りを持っています。

甘味が強く、ハチミツ酒のような味わいで、食前酒向きだと言えます。ただ、貴腐ワインのような甘さではなく、あっさりとした甘さなので、料理を選べば食中酒にも使えるでしょう。

オレンジ風味のチーズ(ファン・ブリヤー・オレンジリキュール)や兎のテリーヌと合わせるのがおすすめです。

マティアス・ミュラー醸造所のワイン

ミッテルライン地方のなかでも、「ドイツ屈指の名門醸造所」として知られているのが、「マティアス・ミュラー醸造所」です。2012年には、ドイツのベストオブワイナリーに選ばれた名門中の名門です。

日本ではミッテルライン地方のワインの選択肢は狭いものの、マティアス・ミュラー醸造所の場合は味の幅も豊富で、ある程度好みに合わせたワインを選べるという魅力があります。

まとめ

ミッテルライン地方は、生産量が少ないうえ、地元でほとんど消費されてしまいます。そのため、日本にはあまり入ってきません。

しかし、美しい「ローレライ伝説」が生まれた土地で育てられる良質なリースリングは、豊かな芳香を持っています。手に入るようならば、一度試してみるとよいでしょう。