南西ワインの特徴、当たり年やおすすめワインまとめ

Good Wine 編集部by Good Wine 編集部

2018.09.03 公開 | 2018.09.11 更新

今回紹介するのは、フランスの隠れた名ワイン産地とも呼ばれる「南西地方」です。

ボルドーやブルゴーニュなどの有名産地に比べれば知名度が劣るものの、近年ではワインの品質が向上し、コスパの高い産地として人気になっています。

日本ではまだまだ目にする機会が少ない南西地方のワインですが、見かけた際にはぜひその個性豊かなワインを味わってみてください。

南西地方のワインについて

ワインの世界でいう南西地方とは、フランスの南西部に点在するワイン産地のことをまとめて指します。

北はボルドー周辺、南はスペインとの国境地帯、東はラングドック地方の北部にまで広がっており、ピレネー山脈を望む大きな産地です。

南西地方ではボルドーワインの流れを組みながら、土着品種を使って個性的なワインを造り上げています。

生産されているブドウ品種

南西地方でつくられる一部のブドウはボルドーワインにも使われます。

とはいえ、南西地方でつくられるブドウ品種のほとんどは古くからの土着品種で、その数は130種以上にもなるとか。

カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロー、ソーヴィニヨン・ブランやセミヨンなどに加え、以下のような土着品種があります。

  •  タナ
  •  ネグレット
  •  コット
  •  モーザック
  •  フェール・セヴァドゥ
  •  プティ・サンマン
  •  クロ・サンマン

南西地方のテロワールについて

南西地方はボルドーに近いものがありながら、長らく評価されなかったワイン産地です。

元々はブドウ栽培には望ましくないといわれた土地で生まれたワインは、荒々しく野暮ったいと言われ続けてきました。

南西地方は太平洋に面しており、海洋性気候の影響を受けているため雨が多いです。

それに伴って日照時間が減るため、乾燥と太陽を好むブドウ栽培にはあまり向いていないのが事実。

しかし、近年では品質や技術の改良によって高い評価をされるまでに成長し、優れたワインが低価格で手に入ることで知名度を上げています。

南西地方は広い面積の川沿いに産地が点在しているため、ひとつの地方と言ってもその土壌の特徴はそれぞれ異なるのです。

フランスは各地でジュラ紀から積み重ねてきた地層がみられますが、南西地方では多くの場合で石灰岩、砂質、石灰質粘土から成っています。

南西地方のAOC(格付け)について

南西地方では各産地ごとに格付けがされており、主なAOCは以下の通りです。

  •  ペシャルマン
  •  ソーシニャック
  •  モンバジャック
  •  ガイヤック
  •  カオール
  •  マディラン
  •  コート・ド・デュラス
  •  ビュゼ

生産されるワインは白と赤・ロゼが半分ずつほどの割合ですが、南西地方では質の高い甘口白ワインがつくられることで有名です。

南西地方内の主な産地

南西地方は点在する産地を以下の3つに大きく分類します。

  •  ベルジュラック地区
  •  カオール・ガイヤック地区
  •  バスク・ピレネー地区

そこから更に細かく地域が分かれているので、少し触れておきましょう。

【ベルジュラック地区】
● ベルジュラック
● ペシャルマン
● モンバジャック
● ソーシニャック
● コート・ド・デュラス
● ビュゼ

【カオール・ガイヤック地区】
● カオール
● ガイヤック
● フロントン

【バスク・ピレネー地区】
● マディラン
● ベアルン
● イレールギ
● ジュランソン

南西地方ワインの生産量

南西地方では、年間およそ450万ヘクトリットルのワインがつくられます。

※1ヘクトリットル=100リットル

その内の約30%がAOPワインで、南西地方ワインの売上のおよそ60%が輸出品によるものです。

あまり日本では知名度が高くない南西地方のワインですが、栽培面積こそ少ないものの、その生産量はボルドーにも引けを取らないほどに拡大しています。

南西地方ワインの歴史

フランスの西側のワイン産地といえば、ボルドーを思い浮かべる人が大半でしょう。

確かにボルドーは貿易港としての機能があったため、ワインと共に大きく成長しました。

しかし、ブドウ栽培という面では、ボルドーより南の南西地方の方が歴史が古いのです。

10世紀以降、ボルドーは交易の港町としてワインによって大きく発展しました。

当時ボルドーは英国領だったこともあり、ボルドーから大量のワインが英国王室に輸出されていったのです。

とはいっても、輸出されていくワインの中にはボルドーワインだけでなく、上流に位置する南西地方のワインも少なくありませんでした。

しかし、ボルドーの商人たちはワイン輸出の独占を行い、上流に位置する南西地方のワインの流通に制限をかけます。

南西地方のワインはボルドーのワインが売れないと市場に出回らなかったので、肩身が狭くなる一方。

この「ボルドー特権」とも呼ばれる措置はボルドーのワイン商人や生産者を有利にし、ボルドーを大きく成長させる一方、南西地方のワインの発展を妨げてしまいます。

南西地方は現在でも、ボルドーの影に隠れるワイン産地と言われるほど。

ボルドーワインが世界規模に発展したのは、南西地方のワインがあったからこそだと言えるのではないでしょうか。

南西地方で特に有名なワイン

ここでは、見かけたら飲むべきな南西地方の有名なワインを紹介します。

日本での南西地方のワインはボルドーやブルゴーニュに比べれば流通量が多くありませんが、手に入るものもあるのでチェックしてみてくださいね。

「黒ワイン」と呼ばれるカオール

南西地方を代表するワインの1つが「カオール」です。

主にメルローやコット、タナなどを使った濃い色合いと力強い味わいが特徴で、長期熟成させることで味わいが大きく変わります。

コスパの良い甘口白ワイン「ジュランソン」

甘口白ワインといえばボルドー地方のソーテルヌが有名ですが、高い品質がゆえにとても高価です。

そこでぜひ味わいたいのが、手頃な値段でソーテルヌに劣らない品質を楽しめる「ジュランソン」の甘口白ワイン。

デザートワインとしてはもちろん、チーズやフォアグラにもよく合います。

ワインの詳細を見る

日本で有名なドメーヌ「アラン・ブリュモン」

● ガスコーニュ・ルージュ
● ガスコーニュ・ブラン

このようなお手頃ワインは日本でも手軽に手に入れることができます。

アラン・ブリュモンを有名にしたワインといえば「シャトー・モンテュス」。

この地方の伝統品種であるタナを復活させ、世界にその魅力を伝えたワインです。

ワインの詳細を見る

まとめ

ボルドー地方の側に位置しながら大きな発展を遂げられず、魅力が最大限に評価されてこなかった南西地方のワイン。

ボルドーワインにどこか近いところがありながらも、その土地の伝統品種を守って個性を打ち出しています。

近年では技術と品質の改善に力を入れる生産者が増え、低価格でおいしいワインが手に入る産地として人気です。

日本ではまだまだ手に入るワインが限られてしまいますが、見かけた際にはぜひ味わってみてはいかがでしょうか。