ロワールワインの特徴、当たり年やおすすめワインまとめ

Good Wine 編集部by Good Wine 編集部

2018.10.09 公開 | 2018.10.09 更新

今回紹介するフランスのワイン産地は「ロワール地方」です。

ボルドー地方とブルゴーニュ地方に次ぐフランス第三のワイン産地として知られており、飲みやすく親しみやすい印象のワインが多く造られています。

ロワール地方のワインはボルドーやブルゴーニュほど敷居は高くなく、冒険心をくすぐるようなワインに出会えるでしょう。

地域によって差があるものの、質が高くコストパフォーマンスに優れたワインが多いのもロワール地方の魅力。

日本で手に入るものも多いので、自分にの好みに合った1本を見つけてみましょう。

ロワールワインについて

フランスでロワール地方と言えば、数々の美しい古城が点在する観光地として人気です。

「フランスの庭園」とも称されるロワール河流域に栄えたワイン産地は、フランスの北西部に位置します。

ロワール河はフランス最大のとして有名で、その長さは全長1,000kmにも及ぶとか。

近年は世界のワイン産地でビオディナミやビオロジックに着手する生産者が増えていますが、ロワールはその先駆けといっても過言ではありません。

現在では古くからの造り手も自然農法に切り替える動きが出ています。

生産されているブドウ品種

ロワール地方ではブルゴーニュのように単一品種でワインを造ることが多いですが、栽培品種はとても種類が豊富です。

広大なワイン産地であるため、各場所に適したブドウがそれぞれ造られています。

主に栽培されているブドウ品種は、以下の通りです。

  • ガメイ
  • ピノ・ノワール
  • ソーヴィニョン・ブラン
  • シャルドネ
  • カベルネ・フラン
  • シュナン・ブラン
  • グロロ
  • マルベック
  • ムロン

このようなブドウ品種が白ワインと赤ワイン、発泡性ワイン、ロゼ、甘口ワインというように、ほかの地方にはないほどのバリエーションを生み出しています。

ロワール地方のテロワールについて

ロワール地方は西側を海に面し、東西に大きく広がる巨大なワイン産地です。

そのため、同じロワール河流域でも場所によってテロワールが変わります。

ロワール川の下流、ナントやアンジェ周辺では海洋性の気候の影響を受けているため、冬は穏やかで夏は涼しく、比較的雨が多いのが特徴です。

一方、ロワール川上流のトゥールやブルージュ周辺では大陸性の気候の影響を受けます。

そのため、冬は厳しい寒さで夏は暑く、雨が少ないのが特徴。

また、その土壌も多岐にわたって様々な特徴が見られます。

最もよく見られるのが、鉱物を含んだ粘土や石灰岩が混ざったキンメリジャン土壌と、火打石から成るシレックス土壌。

いずれもワインにミネラル感や果実味、さわやかな酸味などを与えます。

その他にはシスト土壌や石灰質土壌、石灰粘土質土壌などが見られ、複雑に入り組むことでロワール地方の多様なテロワールを形成しているのです。

ロワール地方のAOC(格付け)について

ロワールに地方には数多くのアペラシオンがあり、すべてを覚えるのは大変です。

ここではとくに重要度が高いものをピックアップして紹介します。

  •  ミュスカデ
  •  ロゼ・ダンジュ
  •  ソミュール
  •  コトー・ド・ライオン
  •  サヴニール
  •  カルト・ド・ショーム
  •  ブルグイユ
  •  シノン
  •  シュヴルニー
  •  ヴァランセイ
  •  プイィ・フュメ
  •  プイィ・シュール・ロワール
  •  サンセール

白ワインだけが格付けされているものや、白赤ロゼすべてが格付けされているもの、発泡や貴腐ワインを含むものなど、アペラシオンごとに様々なワインを造っています。

ロワール地方内の主な産地

ワイン産地であるロワール地方は、大きく分けて4つの地区に分類されます。

  •  ペイ・ナンテーズ
  •  アンジュー・ソミュール
  •  トゥーレーヌ
  •  セントラル・フランス

ペイ・ナンテーズではミュスカデが多く栽培されており、シュール・リー製法を採用している生産者が多くみられます。

アンジュー・ソミュールではロゼの代表格「ロゼ・ダンジュ」、トゥーレーヌではシノン、中央フランスではサンセールやプイィ・フュメなどが有名です。

ロワールワインの生産量

ロワール地方では年間に27億本ものワインが生産されますが、そのほとんどはフランス国内で消費されます。

輸出国は主にイギリスやアメリカ、ドイツ、ベルギーなどですが、輸出量は年間生産量の1割ほどです。

白ワインの生産が全体の約4割を占め、その次にロゼ、赤、スパークリングが続きます。

中でも、発泡ワイン「クレマン・ド・ロワール」はシャンパーニュに匹敵するクオリティを持ちながら低価格で買えるので、フランス国内でとても人気です。

ロワールワインの歴史

ギリシャからの移民の手によってフランスにブドウ栽培が伝わった後、1~2世紀にかけて全国にワイン造りが広まりました。

はじめは農作の1つとして行われていたワイン造りですが、キリスト教と結びつくことで需要が増えていきます。

当時、ぶどう畑やワイン造りを指揮していたのは、修道院の修道僧たちです。

キリストの血としてミサなどにワインが使われるようになると生産が活発になり、技術もどんどん進歩していきました。

中世になると、ロワール地方には数々の貴族や王族の宮廷が建てられます。

その代表例が、現在では観光名所となっているシノン城やシャンボール城、シュノンソー城などです。

これらの城に住む貴族たちはロワール地方のワインをたくさん飲んでいました。

そのため、ロワールでは他のワイン産地よりも早い段階から、質の高いワイン醸造の技術が確立していたといいます。

元々は赤ワインの生産がメインだったロワール地方ですが、19世紀のフィロキセラ病以来、ソーヴィニョン・ブランの栽培で活気を取り戻しました。

20世紀後半になると、辛口白ワインのブームに乗ったロワールワインは飛躍的に人気や評価が高まります。

現在では古くから続く造り手が数多くいる一方、新しくビオディナミやビオロジックに力を入れる生産者も増えています。

ロワール地方で特に有名なワイン

ブルゴーニュやボルドーほどではないものの、日本でもロワール地方のワインを気軽に味わうことができます。

フランスの二大ワイン産地ほど値は張らず、個性的で印象深いワインが多いのがロワールワインの特徴です。

ここでは、日本でも買える有名なロワールワインをいくつか紹介します。

ナントのミュスカデ シュール・リー

AOCにも格付けされるナントのミュスカデは、ロワールらしいワインの1つです。

シュール・リーとはフランス語で「澱の上」という意味で、シュール・リー製法で造られたワインは澱を取り除きません。

普通は取り除く澱がワイン液に入ったままなので旨味や香りが豊かになり、ときには微発泡に感じられるほど、瓶詰めの状態でも発酵が進んでいます。

ハッキリとした酸味とフルーティーさが特徴の辛口白ワインは、ワインを知るならぜひ飲んでおくべき1本です。

フランス三大ロゼ「ロゼ・ダンジュ」

プロヴァンス、タヴェルと続くフランス三大ロゼワインの1つであるロゼ・ダンジュを飲まないわけにはいかないでしょう。

すっきりとした口当たりにフローラルな香りが特徴的なこのワインは、可愛らしい色合いもさることながらお祝いにもピッタリです。

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プイィ・フュメ

辛口白ワインであるプイィ・フュメはその名の通り、独特のスモーキーさが特徴のワインです。

ロワールらしいテロワールを活かした味わいを楽しめる1本。

この造り手は自然に近い製法にこだわり、複数の村でつくられたブドウをブレンドしてプイィ・フュメを生産しています。

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まとめ

ロワールワインはブルゴーニュやボルドーのような華やかさはないものの、豊かな広さテロワールの多様性をうまく活かし、オリジナル性の高いワインが多いです。

比較的値段が抑えめながらも質の高いワインが多いので、フランス国民から様々なシーンにおいて親しまれています。

日本でフランスワインといえばボルドーとブルゴーニュに分かれてしまいがちですが、ロワワール地方のワインも思った以上に簡単に手に入ります。

ぜひこの機会を逃さず、ロワールワインの特徴的な味わいにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。