コート・デュ・ローヌワインの特徴、当たり年やおすすめワインまとめ

Good Wine 編集部by Good Wine 編集部

2018.10.24 公開 | 2018.10.24 更新

今回紹介するのは、フランスの中央南部に位置する「コート・デュ・ローヌ地方」です。

フランスのワイン産地といえばブルゴーニュとボルドーが有名ですが、生産規模にするとボルドーに次ぐフランス第二の産地として知られています。

日本でもたくさんのコート・デュ・ローヌワインが手に入るので、その特徴や歴史について知識を深めていきましょう。

コート・デュ・ローヌ地方のワインについて

フランス南部に広がるワイン産地「コート・デュ・ローヌ地方」は、フランス4大河川のひとつであるローヌ川沿いに栄えており、

北はリヨン南部から南はアヴィニョン、南北に200kmに渡って広がっています。

フランスでは2016年と2017年で春の霜の被害が相次ぎましたが、コート・デュ・ローヌでは目立った被害はありませんでした。

というのも、広大なワイン産地であるがゆえに北と南では気候が大きく異なり、生産量が豊かな南部にはほとんど被害がなかったからです。

ここでは、そのようなコート・デュ・ローヌ地方のワインの特徴と基本的な情報を押さえていきましょう。

生産されているブドウ品種

コート・デュ・ローヌで造られるのは赤ワインが圧倒的に多いですが、白ワインにおいても種類豊富なブドウ品種が栽培されています。

中でもとくに主力となっているブドウ品種は以下の通りです。

  •  グルナッシュ
  •  ムールヴェードル
  •  ヴィオニエ
  •  シラー
  •  マルサンヌ

その他にもカベルネ・ソーヴィニヨンやカリニャン、ルーサンヌ、グルナッシュ・ブラン、ミュスカなど、およそ20の品種が栽培されています。

コート・デュ・ローヌ地方のテロワール

南北に200km、東西に100kmに渡って広がるコート・デュ・ローヌ地方は、南北でテロワールが大きく異なります。

北部は「セプタントリオナル」と呼ばれ、大陸性気候の影響を受けており、夏は暑く冬は寒く、一日の中に大きな気温差があるのが特徴です。

日照時間が長く、空気が乾燥しているため早熟のブドウに向いています。

土壌は花崗岩や堆積土がメインとなっており、水はけがよい急斜面に広がるブドウ畑が特徴です。

場所によっては断崖絶壁に植えられているなど、機械化が難しいことから人の手で苦労を重ねて造られるワインは、高級で品質がよいとされています。

一方、南部「メリディオナル」は北部よりも標高が低く、平面にブドウ畑が広がる穏やかな印象の地域です。

地中海の影響を受けているため一年を通して比較的温暖で、冬になるに連れて降水量は増えますが、十分な日照時間があります。

土壌は場所によって複雑に入り乱れていますが、石灰質や粘土質がメインです。

表層には丸い小石が見られることが多く、土壌を冷めにくくし、ブドウが熟すのに役立っています。

コート・デュ・ローヌのAOC(格付け)について

コート・デュ・ローヌでは、北部と南部に分かれて重要な格付けがいくつか存在します。

とはいえ、ボルドーのような「シャトー」単位、ブルゴーニュのような「畑」単位で格付けされることはありません。

北部での主なAOCは以下の通りです。

● コート・ロティ
● コンドリュー
● エルミタージュ
● クローズ・エルミタージュ
● サン・ジョセフ
● シャトー・グリエ
● サン・ペレ

南部は以下の通り。

● シャトー・ヌフ・デュ・パプ
● ジゴンダス
● タヴェル
● ヴァケラス
● リラック

その他にはコート・デュ・ローヌという、この地方の半分以上を占めている重要なAOCがあるので、覚えておくとよいでしょう。

コート・デュ・ローヌ地方内の主な産地

テロワールについて解説するときに触れましたが、コート・デュ・ローヌ地方は大きく北部と南部に分けられ、その中にそれぞれ小さなアペラシオンが点在しています。

北はヴィエンヌから南はヴァランス周辺まで細長く広がるローヌ北部では、以下のような産地が有名です。

北部のワイン造りでは、ブルゴーニュのように単一品種を使ってワインを造ります。

● コート・ロティ
● シャトー・グリエ
● コンドリュー
● サン・ジョセフ
● エルミタージュ
● クローズ・エルミタージュ
● コルナス
● サン・ペレ

北部よりも東西に大きく広がるローヌ南部では、以下の通りです。

南部では複数のブドウ品種をアッサンブラージュし、様々な味わいの個性豊かなワインが造られています。

● コート・デュ・トリカスタン
● ラストー
● ジゴンダス
● ヴァケラス
● ボーヌ・ドゥ・ヴニーズ
● コート・デュ・ヴァントー
● コート・デュ・ローヌ
● リラック
● タヴェル
● シャトー・ヌフ・デュ・パプ
● クレレット・ドゥ・ベルガルド
● コスティエール・ドゥ・ニーム

コート・デュ・ローヌ地方のワインの生産量

栽培面積がおよそ32,000ヘクタールのコート・デュ・ローヌ地方では、年間150万ヘクトリットルものワインが生産されています。

その生産量の約87%が赤ワインとなっており、白ワインが6%、ロゼワインが7%です。

白ワインの生産量はとても少ないですが、複雑さと繊細さを兼ね備えた美しいワインとして、高級レストランでも多く採用されています。

コート・デュ・ローヌワインの歴史

フランスにぶどうの栽培やワイン造りが伝わったのは約100年頃。ローマ帝国の繁栄とともに、現在のマルセイユ周辺にギリシャ人の手によって伝えられました。

1~2世紀にかけてフランス全土にワイン造りが伝わると、ワインは「キリストの血」として宗教と結びつき、さらに発展していきます。

教会や修道院によってワインの生産や管理がされるようになると、ワイン造りの技術や品質が飛躍的に伸びていきました。

コート・デュ・ローヌ地方のワイン造りが発展したきっかけは、1309年~1377年に起こった「アヴィニョン捕囚」です。

1000~1300年頃まで積極的に行われていた十字軍の遠征ですが、最終目的であるエルサレムの奪還は果たされずに終わります。

それによってローマ教皇の力が衰退、フランス国王とローマ法王は対立するように。

その結果、14世紀初頭には教皇庁をローマからアヴィニョンへ移されると、約70年もの間ローマ教皇はアヴィニョンに軟禁されてしまいます。

この間にローマ教皇によってアヴィニョン郊外に建てられた城が「教皇の新しい城」を意味するシャトー・ヌフ・デュ・パプ。

この土地に教皇自らが畑を耕し、ワインを造っていたといいます。

これをきっかけにワイン造りが活発になり、川沿いという土地柄も役に立ってコート・デュ・ローヌのワイン産業に火が付きました。

コート・デュ・ローヌ地方で特に有名なワイン

フランスで最もワイン造りの歴史が古いと言われるコート・デュ・ローヌ地方。

北は複雑ながら繊細で高級なブルゴーニュのようなワイン、南では広大な土地を活かした陽性でコストパフォーマンスに優れたワインが多いと評価されています。

ハイクラスから手頃なものまで幅広く、ロバート・パーカー氏もお気に入りの地方だとか。

ここでは、ワインを知るなら一度は飲んでおきたいコート・デュ・ローヌの有名なワインや生産者を紹介します。

「教皇のワイン」シャトー・ヌフ・デュ・パプ

歴史のところで触れた「シャトー・ヌフ・デュ・パプ」は、コート・デュ・ローヌのワインで知名度ナンバーワンといっても過言ではありません。

もちろん、高級品であれば数十万円するボトルも珍しくありませんが、安いものであれば3,000~5,000円台で手に入ります。

北部の代表的なドメーヌ「ギガル」

ワイン評論家ロバート・パーカー氏の高評価を過去30年で最も多く獲得したというのが「ドメーヌ・ギガル」です。

コンドリューやエルミタージュなど多数のアペラシオンを所有しており、コート・デュ・ローヌの中でも大規模なネゴシアンのひとつとして知られています。

ワインの詳細を見る

「神の雫」に登場!シャトー・ド・サンコム

ワイン好きでなくても知っているほど話題になったマンガ「神の雫」に登場したシャトー・ド・サンコム。

日本ではマンガの影響で知名度が上がったワインのひとつですが、そのうちのジゴンダスはとくに評価が高く、ロバート・パーカー氏が100点を付けています。

ワインの詳細を見る

まとめ

コート・デュ・ローヌ地方はブルゴーニュとボルドーに次ぐとも言われるほど、フランスでは大規模で名高いワイン産地となっています。

南北に長い産地であるため、北と南では驚くほどに特徴が異なり、ひとつの地方として括るには惜しいほど個性が豊かです。

高級なワインからお手頃な庶民向けワイン、フレッシュで飲みやすいワインからしっかりとしたボディを感じるワインまで、多種多様なワインが造られています。

有名どころは日本でも手に入りやすく、レストランやバルなどで料理と合わせて楽しめるお店も多いです。

今回紹介した知識を元にワインを味わい、コート・デュ・ローヌ地方の特徴を感じてみましょう。