ワインの栓(コルク、スクリューキャップ、王冠)の違い

Good Wine 編集部by Good Wine 編集部

2018.08.30 公開 | 2018.08.30 更新

古くからワインの栓といえばコルクが使われていましたが、近年、コルクから他の栓に変える生産者が増えています。

この記事ではコルク以外にどんな種類の栓があるのか?また、コルクは何が問題となっているかなどを解説していきます。

栓の種類

意外にワインに使われる栓の種類は多くあります。それぞれに特徴があり、気をつける点も異なるので覚えておくと便利です。

ますは一覧を挙げて種類の多さを見てみましょう。

  • 天然コルク
  • 圧縮コルク
  • プラスチック(合成コルク)
  • スクリューキャップ
  • ガラス栓
  • 王冠

このように、かなりの種類があります。

それでは、それぞれの特徴や注意点を解説していきます。

コルク

「コルク」とは木の名前です。日本語の正式名は「コルクガシ」と言います。ブナ科の大きな樹木で高いものは15mを超えます。

このコルクガシには分厚い樹皮があり、何度も採取できるのが特徴です。

この樹皮を加工した物がコルクと呼ばれる物になります。

ワインの栓だけでなく野球の玉や木管楽器、コルクボード、コースターなど雑貨やインテリアにも多く使われているので、家の中に一つはコルク製品があるのではないでしょうか。

コルク栓は最もポピュラーなワインの栓ですが、コルクにも天然コルクと圧縮コルクがあります。

それぞれの特徴を以下に解説していきます。また、材質は同じですが特殊な形状のシャンパーニュ用は別で解説していきます。

天然コルク

コルク栓でも天然コルクと呼ばれる物は、樹皮からくり抜いた栓を指します。

一枚皮から取り出した物なので強度が強く、高級ワインによく使われています。

お酒の中でなぜワインはコルクを使うのか?と思うかもしれません。

それは耐水性がありながら若干の通気性があるという特徴が、ワインの熟成に向いていると考えられているからです。

圧縮コルク

粉砕したコルク片を固めた物が「圧縮コルク」です。天然コルクに比べ安価なので、リーズナブルなワインによく使われています。

天然コルクとの見分け方は、圧縮コルクは人工的に作られていますので、見た目も粗が無く均等です。

天然コルクはランダムに小さな穴が空いているので並べてみると、どちらが人工の物かすぐに解ります。

シャンパーニュ用

シャンパンやスパークリングワインに使われる、キノコ型のコルク。素材は天然コルクも圧縮コルクも両方あります。

特殊な形状ですが、実は瓶詰めする前は、普通の円筒形です。

瓶の口よりかなり大きいコルクが機械によって押し込まれ、結果としてキノコ型になっています。瓶の口より太いコルクを使うのは、二酸化炭素の圧力で栓が抜けないよう、しっかり封をするためです。

コルク栓の注意点

コルク栓のワインを買う場合、気をつける点は二点。

一つはコルクの乾燥を防ぐために、横置きする事です。

一日や二日では意識する必要ありませんが、コルク栓のワインなら天然コルクでも圧縮コルクでも横向きにして保存しましょう。

二つ目は、ワインストッパーを用意しておくことです。

一度抜いたコルクは入れにくく、また無理をして入れるとコルクが壊れ、コルク片が中に落ちてしまう事が多々あります。

そこでワインストッパー、またはボトルストッパーと呼ばれる物があれば、簡単に封ができ便利です。

プラスチック(合成コルク)

コルクの代わりにプラスチック(合成樹脂)を使った栓の事です。「代用コルク」または「合成コルク」と呼ばれることもあります。

従来のコルクより密閉度が高く、値段も安いのが特徴です。コルクによるワイン劣化、いわゆる「ブショネ」が起きることもありません。

プラスチックの注意点

プラスチック栓の場合、ワインを置く時に寝かせる必要は無いので注意して下さい。

長期間にわたって寝かせておくと、微妙に合成樹脂の香りがワインに移る可能性もあります。

スクリューキャップ

鉄製、またはプラスチックのキャップによる打栓方法です。コルクを抜く手間が要らず、手で簡単に開けられます。

密閉度についても問題ありません。

プラスチック(代用コルク)は買う前のキャップシールがされた状態では、それが天然コルクなのか?プラスチックなのか解りませんが、スクリューキャップだとすぐ解ります。

見た目が解りやすく、空ける時にコルク抜きが要らない事から、スキュリューキャップに変えるワイナリーもひじょうに増えています。

スクリューキャップの注意点

プラスチックと同じく、必ず瓶を立てて置く事が注意点です。

プラスチックよりも金属のほうがワインに金気(かなけ=鉄の匂い)が移る可能性が高いので、スクリューキャップは特に立てて置く事に気をつけましょう。

ガラス栓

コルク栓の欠点がなく、見た目の高級感もある事から近年再注目されている打栓方法です。フランスのアルザス地方で特によく見かけます。

瓶との接地面には柔軟性を持つ合成樹脂が使われており、密封性も問題ありません。

また、抜栓後の再利用もしやすくボトルストッパーとしても使えます。

購入者側にとってはありがたいガラス栓ですが、生産者側にすると他の栓に比べ、扱いが繊細になるデメリットがあります。

コストも高くなるので高価格帯のワインに使われる傾向です。

王冠

ビール瓶でよく見かける、なじみある栓です。

ワインの種類では、微発泡ワインやシードルに多く使われています。強度があるので発泡性のある飲み物の栓として向いています。

シャンパンなどの高価なスパークリングワインでは見かけませんが、今後は増えてくるかもしれません。

なぜコルク以外の栓が増えて来たのか?

ここ数年でコルク以外の栓が増えてきましたが、それには大きく2つの理由があります。

一つがコルクの原料「コルクガシ」の不足です。20世紀後半から、日本はもとより世界各地でワインは造られるようになりました。また世界各国のワイン需要も増える一方です。

飛躍的に増えたワインの生産量に対して、コルクの生産は増えません。理由としては、コルクガシの自生地域が限られている事と、コルクを取るための樹皮が生成されるには長い年月がかかるためです。

品薄によりコルクの値段が上昇している事、また低品質のコルクも多く出回っている事などから、コルク以外の栓を使うワイナリーが増えてきました。

しかし依然として、天然コルク=高級ワインというイメージは世界的に強く、天然コルクを辞めたくても辞められない生産者もいます。

コルクのブショネ問題

コルク以外の栓が増えたもう一つの理由、それがブショネ問題です。

ブショネとはコルクが原因で起こるワインの劣化ですが、どれほど気をつけていても数パーセントはブショネが発生します。

その確率は統計の取り方によって変わるので、正確な数字は出ていません。3%という説もあれば8%という説もあります。

知らないうちに飲んでいる可能性も

ブショネかどうか?という判断はプロでも難しい所です。あまり美味しくないと思っていたワインが、実はブショネだったという可能性は大いにあります。

まとめ

ワインはコルクを使うべきか?という問題は、長年にわたって議論されていますが答えは出ていません。生産者や評論家の間でも意見が分かれています。

栓の材質は大きく分けて三種類、コルクと合成樹脂と金属になりますが、それぞれ極わずかに香りや風味に影響します。

その点を踏まえると天然のコルクが一番秀でて見えますが、大きく味を左右するほどではないという意見もあります。

10年、または20年を超えるような長期間になると、コルク以外の栓だとどうなるのか?という疑問についても、はっきり答えが出ていません。

実際にコルクから他の栓へ代える生産者も多くなっているので、今後ワインの栓がどうなっていくのか注目です。