南部地方のワインの特徴、当たり年や主なワイナリーまとめ

Good Wine 編集部Good Wine 編集部

2019.01.17 公開 | 2019.01.17 更新

チリは北部・中央部・南部と、ワイン産地を大きく分けることが出来ますが、南部地方はチリ全体の栽培面積の10%程しかない小さな地域です。

しかし日常消費用ワインとして、チリ国内で多く流通しており、近年高品質なワインも生産しており、注目されているワイン産地です。

今回は、チリの南部地方について説明します。

南部地方について

南部地方は、チリの南側に位置している小さなワイン産地です。あまり生産量が多くはない産地ですが、コスト パフォーマンスが高いワインを多く生産しています。

高級ワインの生産にも乗り出しており、特にビオビオ ヴァレーはメドックと似た気象条件を持ち、世界中の大手ワイナリーから注目されています。

2015年には、日本へのワイン輸出国でチリが一位となり、日常消費用ワインの多い南部地方は、これからさらに需要が高まるとされている地域です。

生産されているブドウ品種

南部地方では、スペイン系品種であるパイスやマスカット オブ アレキサンドリアの栽培が広く行われてきました。しかし近年はヨーロッパ系品種の栽培が広まっています。

南部地方で比較的寒冷な地域では、シャルドネやリースリング、ゲヴュルツトラミネールを使用した酸味のしっかりとしたワインも、生産されています。

・パイス
・カベルネ ソーヴィニヨン
・ピノノワール
・マスカット オブ アレキサンドリア
・シャルドネ
・ゲヴュルツトラミネール
・リースリング

南部地方のテロワールについて

南部地方は、チリの中では比較的降雨量がある地域です。マウレ川からコンセプション市までの海岸山脈の斜面にある畑は、灌漑を必要としない非灌漑地域です。

しかしマウレ川の南岸からニッブレ州の南端までは降雨量が少なく、灌漑を必要とした地域です。

チリらしく豊富な日照量がありながら、フンボルト海流からの涼しい海風の影響を受ける地域が多くあります。そのためしっかりとした寒暖差がもたらされ、綺麗な酸味を持つワインが生産されています。

南部地方のDO(原産地呼称)について

チリでは原産地保護のため、農業保護庁農牧局によってワイン法が統制されています。様々な規定をクリアした場合、DOと地域名の表記をすることが出来ます。

南部地方にあるDOは、イタタ ヴァレー、ビオビオ ヴァレー、マジェコ ヴァレーです。

南部地方の主な産地

イタタ ヴァレーは、植民地時代に早くからブドウ栽培が始まった地域です。南部地方では栽培面積が広いワイン産地で、イタタ川の南側に位置しています。

セントラル ヴァレーよりも暑い夏が特徴的で、十分な日照量を確保することが出来ています。

古くからパイスやマスカット オブ アレキサンドリアが主に栽培されていた品種でしたが、近年シャルドネなどのヨーロッパ系品種の栽培が増えてきています。

ビオビオ ヴァレーは、日常消費用のワインを多く生産してきましたが、近年高品質なワインを生産する産地として注目されています。

フランス、ボルドー地方のメドックと似た気象条件を持っており、チリの中では比較的寒冷な気候条件です。寒冷な気象条件のため、セントラル ヴァレーよりも1カ月ほど遅れて収穫を行っています。

豊富な地下水があり、夕方に霧が発生することもあります。寒冷な気候を生かし、白ワイン用品種が広く栽培されています。

また、内陸の平野部や沿岸の傾斜地ではピノ ノワールやカベルネ ソーヴィニヨンも栽培されています。

マジェコ ヴァレーは、ビオビオ ヴァレーの300km程南にあるチリで最南端のワイン産地です。首都サンディエゴから車で8時間ほどかかります。

イタリア、シチリア島のパレルモと同じ緯度に位置していますが、パレルモよりも涼しい気候です。太平洋沿岸には山脈がなく、フンボルト海流からの冷たい海風の影響をしっかりと受けるため、チリでは寒冷な地域です。

年間を通じて降雨量が多く、風が強いワイン産地で、マイポ川流域よりも2カ月ほど収穫が遅くなると言われています。

ピノノワールやシャルドネが主に栽培されており、酸味やミネラル感がしっかりとしたワインを生産しています。

・イタタ ヴァレー:南部地方では広い栽培面積。
・ビオビオ ヴァレー:メドックに似た気象条件のワイン産地。
・マジェコ ヴァレー:チリで最南端のワイン産地。

南部地方産ワインの生産量

2013年にはチリ全体で12820000hlのワインが生産されています。栽培面積では、チリ全体でのワイン用ブドウの栽培面積は約112000haです。そのうち、南部地方には約14000haが位置しています。

南部地方の生産量のデータはありませんが、栽培面積との比率から考え、1600000hl程が生産されていると思われます。

南部地方のワインの歴史

チリのブドウ栽培は、16世紀のスペインによる植民地時代に始まったとされています。

布教のために、スペイン人宣教師がチリにやってきました。その際にミサ用のワインを作るため、ブドウの苗木を持ち込みました。

フランス系のワイン用ブドウ品種はシルベストーレ オチャガビアがボルドーから苗木を持ち込んだとされています。

また、フィロキセラ禍により、ヨーロッパの多くの醸造家や栽培家がチリに移住しワイン造りを行ったため、チリワインの品質は向上していきました。

南部地方では、植民地時代にイタタ ヴァレーで早くからブドウ栽培が始まりました。

始めに持ち込まれた品種は、スペイン系品種である「パイス」であるとされており、現在でもイタタ ヴァレーではパイスが多く栽培されています。

南部地方で特に有名なワイン

チリの南部地方で造られた、有名なワインを紹介します。

ピノ ノワール ビオビオ ヴァレー エコ バランス

チリワイン生産者で、高い人気を誇るエミリアーナ ヴィンヤーズが造る赤ワインです。エコバランスシリーズは、有機ブドウと有機栽培に移行中のブドウで造られています。

エミリアーナ ヴィンヤーズの中で最も親しみやすいシリーズです。

このピノノワールを使用したワインは、フルーティーでチャーミングな味わいが特徴的です。

ワインの詳細を見る

コノスル リースリング レぜルバ

自転車のラベルで同じみのコノスルが造る白ワインです。ビオビオ ヴァレーのリースリング100%使用しています。

雑誌「男子食堂」の「家呑み極旨ワイングランプリ」でチリ産白ワインの5位に輝きました。

華やかなで強い香りが特徴的で、レモンやライムのような果実味を持つ、評価が高い白ワインです。

ワインの詳細を見る

アロモ アルテミザ レイト ハーヴェスト

マスカット オブ アレクサンドリアを使用し、イタタ ヴァレーで造られた白ワインです。

レイト ハーヴェストとは、収穫の時期を遅らせることにより、完熟し糖度があがったブドウを収穫することです。

白い花やマスカットの香りが心地良い、ほんのりとした甘さのある白ワインです。

ワインの詳細を見る

イマヒナドール

自然派の作り手、ペドロ パッラ イ ファミリアが造る、イタタ ヴァレー産の赤ワインです。

サンソー、パイス、カリニャンを使用したミディアム ボディで、スパイシーさと果実味、タンニンのバランスが取れた高品質な赤ワインです。

ワインの詳細を見る

まとめ

今回はチリの南部地方について説明しました。

ブドウの栽培面積は小さく、あまり目立たない産地です。しかし日常消費用のワインの産地としてだけでなく、近年高品質ワインの産地として注目されています。

是非チリ南部地方産のワインを試してみてください。

公式Twitter

アクセスランキング

2019.11.12 更新

同じカテゴリーの新着記事